上映中おすすめ新作映画『憐れみの3章』(2024/ヨルゴス・ランティモス監督)感想‣全体を通じて「支配と非支配」というテーマを描写する摩訶不思議な三部作
「女王陛下のお気に入り」「哀れなるものたち」に続いてヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンがタッグを組み、愛と支配をめぐる3つの物語で構成したアンソロジー。謎の大富豪の指示に絶対服従するという奇妙な仕事に就き、選択肢を奪われながらも自分の人生を取り戻そうと奮闘する男、海難事故から生還したものの「別人ではないか」と疑うようになってしまった妻に恐怖心を抱く警察官、卓越したカルト教団の教祖になることが定められた特別な人物を必死で全米中を探し回る女が繰り広げる3つの奇想天外な物語が、不穏さを漂わせながらもユーモラスに描き出されます。