「麗江」と並び「シャングリラ」訪問もわたしの永年の夢でした。今では地名よりも世界的な超高級ホテル「シャングリ・ラホテル」の名前が知れ渡っている気がします。もともとの地名は「中甸」という地名でしたが2002年に地方政府が小説『失われた地平線』(ジェームス・ヒルトン著)の舞台となった理想郷シャングリラはこのエリアがモデルであると主張して「シャングリラ(香格里拉)」に改名したという事です。
地名の来歴は別として、シャングリラはどこを切り取ってもダイナミックな大自然に圧倒されます。夢に見たシャングリラは想像以上に美しい自然が広がり、古い文化が残る別世界でした。皆さんも興味があれば、思い切って秘境の旅に挑戦してみては如何でしょうか! 「理想郷」が見つかるかもしれません…
世界遺産 雲南の三江併流保護区の一角虎跳峡とシャングリラ 観光バスツアー③
「虎跳峡」・「シャングリラ」へのアクセス
- 1日目:13:00長沙空港発 ➢ 15:20麗江空港着➢麗江古城 (飛行機にて麗江へ移動、旅行社の送迎車にて古城内へ移動後民宿泊)
- 2日目:麗江古城 ➢ 束河古鎮 ➢ 玉龍雪山(標高5596㍍) ➢ 麗江古城泊(観光バスツアーに参加)
- 3日目:麗江古城 ➢ 長江第一湾 ➢ 虎跳峡 ➢ シャングリラ市内(麗江から110㌔、バスで4時間) ➢ シャングリラ(標高3276㍍)泊
- 4日目:シャングリラ ➢ 普達措国家公園 ➢ 麗江古城泊
- 5日目: 麗江古城 ➢ 玉龍雪山 ➢ 麗江古城泊
- 6日目:麗江古城 ➢10:20麗江空港発 ➢ 12:35西安空港着 ➢ 16:25青海省西寧空港着(移動)
「虎跳峡」・「シャングリラ」の概略
(虎跳峡)
麗江市街からは北へ60km離れている。虎跳峡は麗江市のと、デチェン・チベット族自治州のシャングリラ市(旧称・中甸県)の間に位置しており、金沙江(長江)とその支流の碩多崗河が合流する付近(シャングリラ市の橋頭鎮の一帯)から始まって、玉竜ナシ族自治県の大具郷の一帯で終わるまで、16kmにわたって続いている。虎跳峡は上流から、上虎跳、中虎跳、下虎跳の三段に分かれている。それぞれの区画では、金沙江の大きな滝や、川の中に林立している奇岩などが見どころになっている。
峡谷の両岸には高山がそそり立ち、世界でも有数の深い峡谷となっている。左岸(西側)には哈巴雪山が、右岸(東側)には玉龍雪山があり、谷底から山頂までの高低差は3790mに達する。虎跳峡の両側の岩石は片岩と大理石からなる。川幅は60mから80mほどで、最も狭まった部分は約30mほどしかない。その両岸の断崖は2000m以上に達する。峡谷の上流から下流までの落差は200mあまりで、水流は急であり、航行不能であるかわりに水力資源は豊富といえる。
虎跳峡という名の由来には、金沙江の渇水の時に山から下りてきた猛虎が、峡谷の中の岩に飛び移り、そのまま対岸に跳んで渡ったとの言い伝えがある。また、川の中には虎が跳ぶときに踏み台にしたとされる「虎跳石」という岩もある。(出典:『ウィキペディア』)
(シャングリラ=香格里拉)
デチェンチベット族自治州の中心となる町。昆明の北710km、標高約3276mの高地にあり、チベット自治区や四川省と接している。かつて町は「中甸」と呼ばれたが、映画化もされた小説「失われた地平線」の舞台であるシャングリラはここだと地方政府が主張し、中国語で同じ響きになる香格里拉に改名された。
チベット族が多く住む香格里拉のおすすめの観光地は、雲南省のポタラ宮と呼ばれる松賛林寺やチベット族の古城の独克宗古城などや高地の大自然を楽しめる
見どころ
「虎跳峡」
今回の麗江からシャングリラまでのガイドは珍しくチベット族の男性でした。がらがらのダミ声の為、初め声が非常に聞き取り難く、戸惑いましたが、そのうちだんだんだみ声にも慣れていきました。
結局このガイドとはこの旅以来たいへん親しくなり、今でも時々SNSで連絡を取り合っています。わたしが日本に帰国してからも、彼が毎日ガイドとして訪れているシャングリラ地区の最新風景写真を送り続けて貰っています。
どういう切っ掛けで人は親しくなるか、まったくわかりません。驚いた事に、彼は少し前、チベット族のガイド仲間と研修旅行で、日本に来たことがあるらしく、大変な日本贔屓であることが判りました。聞いた話では日本の箱根を訪れ温泉にも入ったという話でした。
わたしはまだチベットを訪れた事がありません。チベット族の知人は一人もいませんでしたが、今回の旅で初めてチベット人と話す事が出来て、知り合う事が出来ました。
昔、チベットはとても乾燥しているので、そこに住む人は生まれてから死ぬまで一度も風呂には入らない、シャワーも浴びないという話を聞きました。それに一度でも風呂に入り、垢を洗い落とせば風邪をひいてしまうと聞きました。
しかし、このガイドは日本に行って、箱根の温泉に入ったと話をしていました。気持ちが良かったので又是非行きたいとも話していました。ようやくチベット族でも、ちゃんと風呂に入るという正しい認識を持つことができました。
最初の訪問地は、長江の上流部の川が大きく弧を描き曲がっている地形を遠望する展望台に案内されました。土産屋のビルの4,5階に展望台がありそこから眺められるそうでした。
最上階に登るのは別途料金が必要だと聞きました。「長江第一湾」(長江の源流域の川、大きく湾曲しているところが眺望できる)という名前が付けられていますが、お金を出して川を遠望することに何の価値があるのかわたしには良く理解できませんでした。金を払ってまで眺める事も無かろう考え登らずに戻りました。
次は金沙江(長江源流)の川幅が急激に狭まっている激流の景勝地「虎跳峡」です。一見の価値がある絶景です。土色の濁流が猛烈な勢いで、5000㍍級の雪を抱いた山々直下の渓谷を流れています。 道路から川面近くまで下って行き、この大迫力・轟音の激流を間近に見る事ができます。
両岸の山の頂上と川の標高差は3800㍍に達するらしく、ダイナミックな景観に圧倒されるばかりです。
「シャングリラ」
その後一路シャングリラ市内に向かい、市街地の裏手にあり金色に輝く巨大マニ車の回る大亀山公園と雲南省最大のラマ教寺院、「松賛林寺」(ソンツェリン寺)を見学しました。「松賛林寺」は最近建て替えられた新しい寺院です。ガイドは詳しく説明してくれませんでしたが、文革時代に徹底的に破壊されたものを最近ようやく修築したものと思います。
「松賛林寺」はチベットのポタラ宮を模して創建されたもので、雲南の「小ポタラ宮」とも呼ばれており、雲南で最古で且つ最大のチベット仏教寺院です。壮大な雄姿を取り戻しつつあるそうです。
寺の若いラマの案内で小一時間寺内を参観できます。堂内は撮影を禁止されていました。夕方遅い時間に到着したので、太陽が西に傾き始めると、僅か陽光はあるもののひと際冷え込み厳しくなってきました。標高3000㍍超の高地なので、生活条件はかなりの厳しさがあります。
その夜は大亀山公園近くにある花間堂というホテルに宿泊しました。 このホテルが期待以上に素晴らしく、麗江の民宿とも相通じる雰囲気を持っています。こんな辺鄙なところで、このような快適なもてなしが受けられる宿泊施設があろうとは想像もしていませんでした。シャングリラ地区は旅行客引き込みに大変力を入れている事が実感できます。
従来、中国国内のホテルに宿泊して、どんなに豪華な部屋に泊まったとしても、室内、廊下、エントランス、フロント、洗面上、トイレ、洗面所、ルームキーホルダー、ベッドの写真等撮影しようと思った事は一度もありませんでした。
しかし、麗江、シャングリラの民宿の部屋の写真を撮り、早速SNSで家族・知人に送信しました。行き届いた調度品の質の高さ、その温かみに思わず感激しました。
最後に
実際訪問したのは5月の連休時期でしたが、ガイドは最盛期の7,8月がシャングリラ訪問の最高の季節と言ってました。
雲南省は北京、上海からも遠い辺境地区です。雲南省の中でも更に辺境でありチベット、四川省に近いシャングリラへ行くことはそう簡単なことではありません。遠隔地であると同時に標高が3000㍍を超える為、高山病を避ける為高地順応に時間を要するなど注意が必要です。
でも、そんな苦労も裏切らず迎え入れてくれるのではないでしょうか!
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