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世界遺産 黄龍と九寨溝 現地ミニツアー

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 みなさんはどこかで四川省九寨溝のコバルトブルーの湖、川の写真を見たことが無いだろうか? 実際、行ってみたら「写真よりもはるかに素晴らしかった」というのが正直私の感想です。観光地の多くのポスターが実物より美しく効果的に装飾されている為、実際、行ってみてがっかりという体験は誰でもした事があると思います。が、黄龍・九寨溝は本当に期待以上でした。

 中国国内でも超人気の観光スポットだけあって、わたしが訪問した8月初め(※ご注意 訪問は2015年当時)の平日も四川省省内はもとより、国内外より凄まじい数の観光客で溢れ返っていました。平日平均3,4万人の入場者がいると言われていました。

 黄龍と九寨溝の大自然の景観、川、湖(中国名:海子)の神秘的なコバルトブルーやエメラルドグリーンの水の色は、わたしがかつて訪問した中国国内観光地の中でも、群を抜いて素晴らしい景観だと確信しています。

 一応、参考までに写真を何枚か添付していますが、実物はこれよりもはるかに素晴らしいものばかりと思ってください。決して行って後悔することはありません。「百聞は一見に如かず」です。なお、景観地区は予想よりもはるかに広大で、ゆっくり見学したらとても2,3日では回り切れるものではありません。

 今回私は前後に2泊して丸一日掛けて駆け足で周遊しましたが、足の疲れもさることながら、迫りくる自然美の連続にノックアウトされそうで、本当に疲れました。

  また、近接するもう一つの世界遺産「黄龍の景観と歴史地域」とワンセットで訪れるのが、九寨溝空港はこの「黄龍」と「九寨溝」の間に位置する為、非常に効率的です。

  九寨溝は四川省南坪県の岷山山脈の標高2,000-3,400㍍に位置しています。原生林に囲まれた湖、川、瀑布が延々約50㌔にも渡り存在する風景区です。但し、このエリア全体の高低差はそれ程大きくない、遊歩道のアップダウンはあるものの、登山をするという程ではありません

 問題は現在は2017年8月に発生した大きな被害をもたらした大地震の影響でしばらく封鎖されていましたが、漸く2019年9月一部地区を除き、一日観光客5000人という制限付きで再開されたとのニュースがあります。出発前に情報確認を入念にした方が無難です。

今回は重慶から飛行機で九寨溝空港まで往復しました。重慶から日帰りで行ける世界遺産観光地は以下です。

中国世界自然遺産「武陵源の景観と歴史地域」(湖南省張家界)に行ってみた回想録

中国世界文化遺産「重慶市大足仏教彫刻群」に現地バスツアーで行ってみた回想録 

黄龍
九寨溝

黄龍・九寨溝へのアクセス

 現在は九寨溝空港がある為、北京、上海、広州など主要大都市からは毎日定期便のアクセスがあるので、早目に予約が出来れば、非常に便利です。以前最寄りの大都市四川省成都からバスで10-12時間掛かっていたそうですが、飛行機で40分と大変便利になりました。但し、空港は標高3448㍍に位置する為、天候次第で欠航が多い事、また、常に「満席」状態で予約が取りずらいという難点があります。

 便利な飛行機ですが、天候以外に注意する点は、標高が高い為、人によっては一挙に飛行機で高地に到達する影響で、空港からの移動の段階で高地順応が出来ず、体調を崩す人もいるとの事でした。 以後の黄龍観光、九寨溝観光共予定通り回れないケースも稀に発生することもあるとガイドの説明がありました。高地順応の体調管理は命に係わることなので十分注意しなければなりません

 他方、個人旅行計画を練る際、空港から九寨溝、黄龍への効率的なアクセスをどうするか悩みました。空港からタクシーをチャーターした場合、費用をシェア出来る他の観光客がいるのか、帰りの飛行機に間に合うように時間通りに飛行場に戻って来れるのか等々不安がありました。

   ガイドブックの情報では乗り合いタクシー(マイクロバス)のサービスあるが、8名乗員が揃わないと出発しないという大変不便なものでした。出発、到着時間が全く予想できそうにありません。タクシーの遅れを想定した場合、午前便のフライトに間に合わせる様に空港に到着する為には、かなり早い時間にホテル出発を強いられる可能性がありました。

   このような事情もあり、割高と思いつつ九寨溝空港での送迎車(九寨溝空港→黄龍→九寨溝→九寨溝空港間)、運転手、食事、ホテル宿泊(2泊3日)、観光地入場料込み(中国の有名観光地では入場料がべらぼうに高額です)の団体ツアーに申し込みしました。

 しかし、このツアーに参加したのは、わたし一名のみだったので、個人のプライベートツアーに等しく、運転手一名、さらにガイド一名付きの個人ツアーとなり極めて快適でした。

 ”プライベートツアー”に参加した旅行記では、これから個人旅行で訪問予定の人には余り参考にはならないかもしれません。申し訳ありません。

 上述通り、飛行機は便利だけれども予約は取りずらく、たとえ席は確保出来たとしても、天候次第では遅延、キャンセルだの本当に飛ぶのかどうか空港に行くまで分からないという大きなリスクがあるのが難点です。しかも飛行距離から考えるとかなりの高額運賃を支払う覚悟する必要です。多少旅行時間に余裕があれば、また、長時間バスに乗ることがそれ程苦でなければ、低料金で無難な10時間のバスでのアクセスを選択し、途中の景観を楽しながらのんびり行く方がいいかも知れません。

空港から黄龍への道路風景
黄龍
黄龍
黄龍
黄龍
黄龍
黄龍
黄龍
九寨溝

黄龍・九寨溝の見どころ、おすすめポイント

 黄龍

 黄龍入口からはガイドの説明で、入口からまっすぐ水の流れに沿って行き止まり迄、登り切ったら終点で、帰りはそこからは元の道をそのまま下りてくるコースになっている為、周遊して2時間後の集合時間を指示され、ガイドと別れ一人で見学する事になりました。

 入口より少し山道を登ると、無色透明で、豊富な水流と、川の成分によって形成された棚田状の小さな滝が次々に目に入ってきます。少し登り、場所によっては川幅が広くなったり、滝状となったりして様々な形に変化する川の様子を見ながら、更にだらだらと遊歩道を登って行きます。翌日訪れた九塞溝の景観の規模に比べるとかなり小規模ながら、清涼な水の流れ、石灰質で自然が作り上げた幻想的な階段状の白い小さな滝の連続など、景観に見惚れながら登り続けました。

  道を登り切ると小雨が突然降り出し、ゆっくり出来ず急いで下山する事にしました。ロープウェイも途中に有るので、脚力に自信の無い人は利用可能です。しかし、高低差はそれ程大きくないので、一般の人はロープウェイに乗る必要はないと思います。

 出口に戻り、黄龍から九塞溝までの90㌔の道のりを急ぎました。ここから高原の山道を2時間近く走る事になります。沿道にはチベット族、モンゴル族の集落、羊・牛の放牧場が点在しています。 終着点の九塞溝に近くなるつれて、観光バスの数も急激に増え始めかなりの渋滞が始まりました。

九寨溝

 九寨溝風景区(公園)には一つの入場門しかありません。入場券の受渡場所は前夜ガイドから連絡を受けていたので、翌朝ホテルから指定場所を目指して早目に出発しました。

 ところが、チケット引き渡し指定場所に近づくにつれ、早朝にもかかわらずゲートに殺到する観光客の人影も増え始めました。受渡場所に辿り着くまでの道は大変な数の人で溢れ大混雑していました。入場門の手前1-2㌔あたりから既に観光客同士の押し合いへし合いが始まっていました。

 緊張感漲る中、ようやく入場券受渡に指定された場所まで辿りつき、係員から入場券を無事入手しました。今回も黄龍と同じくガイドは同行しません。広大な九寨溝域内は一人で見学する事になります。

 入場門の行列に並びましたが、その行列の数たるや少なくとも20列はありそうでした。どの列の長さも優に200㍍を超えています。欧米人の観光客グループも目立ち、九寨溝が世界的に人気がある事がわかります。家族連れ、グループ、団体旅行客などガイドが引率しているグループもありました。

 ガイドがスピーカー片手に大声で叫び、一人の脱落者もなく入場門を通過させるべくメンバーを引率していました。全員はぐれずに入場ゲートを無事通過できるか心配そうな顔つきです。

 入場者の行列を取り囲む形で重装備の「人民解放軍」(明らかに単なる警備会社の警備員ではなく)の装甲車と軍服姿の「解放軍兵士」か「武装警察」と思しき、多数の武装している“警備員”が厳重に囲んでいました。

 おそらく数千人規模の観光客が早朝から入場を待つゲートに殺到しているので、観光客が暴徒化することを防ぐために配備されているのでしょう。それにしても余りのものものしい警戒ぶりに度肝を抜かれます。

 入場門を無事通り過ぎましたが、次は風景区内の移動用「環境保護循環EVバス」に乗る為の行列がまだまだ続きます。ここの行列も大渋滞ですが、辛抱です。

 この環境バスは客の行きたい終着駅か、途中の好きなバス停での乗り降りは自由です。終点まで行き、そこから徒歩でもと来た道を戻るか、好きな途中駅からバスに乗り、道を戻ってくれば良いというシステムになっています。乗り降り無料です。

景色が良さそうな所は歩き、疲れたら途中からでもバスに乗れる仕組みなので便利です。

九寨溝内の見学ルートには大きく分けて二つのコースがあります。

 二つある最終点のうちどちらかへまずバスで行き、歩きか、あるいは途中でバスに乗り、分岐点(承諾日朗観光センター)まで戻り、またそこから、もう一つの最終点までバスで行き、戻ってくればメインのスポットだけならばバスを利用し、一日で見て回る事は十分可能だと思います。

 バスの分岐点(承諾日朗観光センター。九寨溝のほぼ中心、ゲートを出発したバスが最初に到着する終着点)から出口(入口)ゲートまで戻る区間も見どころは多いので、分岐点まで戻り、時間の余裕があればバスには乗らず、そこから徒歩で出口まで下って行けば全てのスポットを見尽くすことができます。

 風景区内のスケールは壮大(総延長距離は50㌔)で入場ゲートから終点までバスで移動した場合、40-50分程度位を要します。緩やかな坂道を登りバスは終着点につくので、帰り徒歩で戻る場合は坂道を下りますのでので少しは楽でした。

 それでも歩道の至る所で、登坂だったり、急激に細くなったり、広くなったり、或いは絶景の前では記念撮影をする人がどっと増えたりして、常に人混みで大混雑・大渋滞の連続を覚悟しなければなりません。時間の余裕を見て歩く計画を立てた方が良いと思います。

 写真を撮る事が大好きな中国人が立ち止って大渋滞しているスポットは、どこも景色が凄くきれいなところに間違いありません。また、中国人が写真を撮る時は、たっぷり時間を掛けて慎重にポーズを極めた上、他人が写らない様に他人がその構図の中から立ち去るまで辛抱強く待ちます。一枚一枚写真を撮るのに非常に時間が掛かります。それゆえ景色が良い所は人の渋滞が発生し易い事に納得しました。

 次から次へと展開する絶景、コバルトブルーの透明な湖に大歓声が上がります。また、多くの滝があり、新緑(訪問時は8月乍ら高地の為新緑がまぶしい)に覆われた木々の根元に水が流れている風景の清らかさは筆舌に尽し難いものがあります。

 これほど多くの観光客が溢れ返り、ところどころ人混みで大渋滞の状態であるにもかかわらず、うんざりすることなく、不思議なことに人の多さもだんだん気にならなくなるのは、やはり自然の圧倒的な美しさに魅了されていくからだと思います。是非現地で実感してみて欲しいです!

 多少これに近い雰囲気の日本の景観としては北海道のトドワラ、青森の奥入瀬渓流、福島の五色沼、群馬の尾瀬ヶ原、長野の上高地梓川などが思い浮かびますが、九寨溝は自然全体のスケールが100倍、1000倍の大きさであり、美しさもまったく別格です

 九寨溝は以前に比べて水の透明度、青さも輝きを失いつつあるとの声も一部聞かれますが、わたしとしては今回初めて訪れて、その美しさに本当に心底驚嘆させられました。今回真夏に行きましたが、機会があれば、是非真冬の厳冬期あるいは秋の紅葉の季節、春の新緑の季節などに訪問することを進められました。それぞれ特色のある美しい季節に再訪する機会があればと考えています。

  夕方近くになると駐車場(朝方見た時は、これほど大きい大型バス専用の駐車スペースを見たことがない様な巨大な駐車場でしたが)に駐車されていたバスの数もかなり減っていました。

 夕刻、九寨溝に到着してゆっくりと一晩休養して、翌朝観光を楽しむ人も勿論いますが、午後遅い時間帯に駐車場に停車しているバスが少ないという事は、深夜から早朝に掛けて成都から長距離バスがぞくぞく到着するのではないかと思われます。深夜便のバスで九寨溝に到着し、車中で短い仮眠を取り、早朝から九寨溝を見学する日程が組まれているとすれば、それは相当強行軍だと思います。

 中国人観光客の溢れるバイタリティーにびっくり仰天です。往復20時間のバス旅行でやってくる気力、体力は驚異的です。

 九寨溝風景区入口から環境保護シャトルEVバスに乗り最初の目的地「原始森林」(標高3,400㍍)で降りました。地名そのままで、周囲は鬱蒼として原始林の木々に囲まれ、ハイキングコースである歩道はここから木道などでしっかりと整備されているので、原始林に迷い込む心配はありません。

風景区入口で殺気立っていた喧騒はまるで嘘の様な別世界の静かに包まれています。

 ここでは、時々猿やリスが姿を現すので、驚かさない様に静かに歩いた方が良いかもしれません。終着点からは、バスが通過してきた分岐点である承諾日朗観光センターまで緩やかな坂道です。途中の湖や滝を眺めながら下って行く事になります。下るに従い観光客の数はどんどん増えて行きます。

 それぞれの湖(中国名:海子)には中国らしい名前が付けられています。「剪竹海」「熊猫海」「五花海」「珍珠灘瀑布」。それなりにもっともらしい命名です。

 これら景観の描写は文章でその素晴らしさを表現する事は不可能です。実際自分の目で見て感じるしかありません。写真でもその美しさを十分伝える事は難しいと思います。

 天気も快晴、白雲たなびき、清流の流れ、所々に現れる大小無数の滝、エメラルドグリーン、コバルトブルーの大小様々な池、湖、水上を縫う様に縦横無尽に歩道が整備され、多岐に分かれる川筋と同じようにあちこちを逍遥しながら歩けるように木道が敷設されています。

 ゴミ箱、木道など人工物の歩道は風景の美観を損ねない様に工夫されています。また、毎日これだけの観光客を受入れて、尚且つ美観を維持し続ける為にたいへんな数の清掃員の苦労があるのではないでしょうか心無い観光客が落としていったごみを黙々と拾っていました。

   分岐地点の諾日朗観光センターに戻り、次はもう一つの終着点である「長池」(標高3109㍍)の終点を目指すバスに乗り込みました。

 終着点からは先程と同じく、再び来た道を戻る事になります。 下車貯直後目に入るのが「五彩池」です。この衝撃的な透明度は奇跡的です。写真で見た色以上に素晴らしく感動します

 再び分岐点まで戻った後、そこから出口まではバスに乗る事も可能ですが、時間的に余裕のあれば、分岐点から更に出口に向かって、徒歩で周遊する事をお勧めします。

 青色の池・沼・滝が現れてきます。 圧巻は数百㍍の幅に渡る樹林帯の中を清流が流れている景観です。たいへん清々しい印象を与えます。木々の根っこが腐ってしまわないか心配されるくらい。水底の上30㌢位の幹が水没している様に見えました。

 増水により、水田の早苗の様に木々が根元まで常時水没した感じになっています。浸水している樹木の根っこは腐ってしまうのではないかと心配になりますが、多分問題ないのでしょう。

 九寨溝全体がどこの景色のワンカットを切り取ってもすべてが絵になる位素晴らしい世界です。

  現地ガイドの説明では、ユネスコの世界遺産登録調査の為、調査団が最初に黄龍を訪問した時、偶々そのひとりの案内人が「黄龍に負けない位素晴らしい景観の場所が近くにある」と調査団に紹介し、九寨溝の訪問が急遽実現し、それがきっかけとなり、九寨溝の美しさも世界遺産として同時に認められて、2カ所同時に世界自然遺産に登録されることに至ったというエピソードを話してくれました。

 真実は確認していないので良くわかりません。また、本によれば最初に九寨溝を発見したのは地元のチベット族ではなく、外地から入ってきた漢族であったとの話もあります。確かに地元住民ですら、訪問することのない山奥にひっそりと佇んでおり、その存在を誰にも知られることのない時間が長かった様にも思われます。

 付近の集落に住む地元のチベット族の村民でさえ訪れることがなかった秘境中の秘境だったのかもしれません。正に奇跡の景観を目にすることが出来ます

黄龍
九寨溝

まとめ

 中国の世界遺産は万里の長城、北京の故宮、西安の兵馬俑など人工物でもその規模の巨大さに度肝を抜かされますが、黄龍・九寨溝では自然景観のスケールの大きさ、美しさに驚嘆しました。中国もまた、観光地として公開する為、環境保護などにかなりしっかりした取り組みをしていている事がわかりま永遠にす。

 中国の世界遺産のおすすめはどこかと聞かれたら、(まだすべての中国の世界遺産を訪問していませんが)私は九寨溝と答えたいと思います。その美しさにびっくり仰天すること間違いなしです。一度見たら永遠に忘れがたい色彩です。(太鼓判)

以下 九寨溝

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