『ゲッティ家の身代金』のあらすじと概要
1973年に起こったアメリカの大富豪ジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐された事件を、「オデッセイ」「グラディエーター」など数々の名作を送り出してきた巨匠リドリー・スコット監督のメガホンで映画化したサスペンスドラマ。
73年、石油王として巨大な富を手に入れた実業家ジャン・ポール・ゲティの17歳の孫ポールが、イタリアのローマで誘拐された事件の実話にフィクションを織り交ぜて描く。子供を誘拐された母親ゲイルのもとに、1700万ドル(当時の価値で50億円)という巨額の身代金を要求する電話がかかってくる。しかし、希代の富豪であると同時に大変な守銭奴としても知られた義父ゲティは、身代金の支払いを拒否。ゲイルは息子を救うため、世界一の大富豪であるゲティとも対立しながら、誘拐犯と対峙することになる。
ゲイル役をミシェル・ウィリアムズ、ゲイルのアドバイザーとなる元CIAの交渉人フレッチャー役でマーク・ウォールバーグが出演。ゲティ役をケビン・スペイシーが演じて撮影されたが、完成間近にスペイシーがスキャンダルによって突如降板した為、急遽クリストファー・プラマーが代役を務めて再撮影が行われた。約10日間で該当シーンを撮り終え完成されたという逸話が残る作品。
『ゲッティ家の身代金』のスタッフとキャストについて
リドリ―・スコット監督:
ミッシェル・ウイリアムズ(ゲイル・ゲッティ):1980年生まれ、米国モンタナ州出身。アン・リー監督の「ブロークバック・マウンテン」(05)でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、一躍有名になる。その後は「脳内ニューヨーク」(08)や「シャッター アイランド」(10)などに出演し、演技派として着実にキャリアを積み上げる。
離婚によりゲティ家を離れ一般家庭の人間となっていたポールの母ゲイルは誘拐犯と大富豪の義父ゲイルの狭間で苦しみながらも、決して諦めず救出に望みを掛ける母親役を見事に演じている。
感想|『シャッター アイランド』(2010年/マーティン・スコセッシ監督)レオナルド・ディカプリオ主演のミステリー映画
映画感想|『痛いほどきみが好きなのに』(2008/イーサン・ホーク監督・脚本・出演)『チェルシーホテル』に続く、2作目の監督作品
マーク・ウォールバーグ(交渉人フレッチャー):マサチューセッツ州ボストンの貧しい家庭で、9人兄弟の末っ子として生まれる。
本作品ではゲッティ社長より、中東の業者との交渉人をしているところを呼び寄せられ、なるべく費用をかけずに孫を取り戻せと指示される。
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感想ネタバレ|『ディパーテッド』(2006/マーティン・スコセッシ監督)
クリストファー・プラマー(大富豪ジャン・ポール・ゲティ):カナダ・オンタリオ州トロント出身。日本ではジュリー・アンドリュースと共演したミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年)のトラップ大佐役、『空軍大戦略』(1969年)でコリン・ハーベイ少佐役を演じたことや『スタートレックVI 未知の世界』(1991年)でチャン将軍を演じたことで知られている。
大富豪でありながら、誘拐された孫の身代金の支払いは断固拒否する。
出演作感想投稿記事:
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『ゲッティ家の身代金』のネタバレ感想
大富豪は巨万の富を持ちながら自分の孫の身代金の支払いを拒否します。他に14人いる孫が全員誘拐される様な事があったら困るというのが言い訳です。一般庶民の感覚とかなり違いがあるように思えました。本編中にもある通り、誘拐の4か月後に届いた脅迫状の入った封筒には、なんと一房の髪の毛と切り落とされた人間の耳が入っているという異様な事件だったようです。
お金を湯水の如く使い骨董品・美術品・絵画を買いまくり、別荘を建てまくっている大富豪ゲティ氏が、何故これ程までにお金を出し渋るのか大変理解に苦しみます。
犯人の莫大な身代金の要求と身代金を出し渋る義父ゲティの間に立ち、非常に苦しい立場に立たされる母親ゲイルの強さには驚きました。子供の遺体が発見されたと言われ警察に呼び出され赤の他人の遺体を実見させられたリ、息子の耳を送りつけられたリ、義父からは身代金は支払うが親権は放棄しろと迫られたりします。
また、身代金の支払いが滞ると人質を他のマフィアに売ってしまうというのも、如何にも”イタリア”らしい話でびっくり仰天の展開でした。なお、誘拐犯側の交渉役チンクアンタは中々良い奴で、彼の助けがなかったら、人質ポールは耳どころではなく腕の一本切られていたかも知れません。
非情な義父と気丈な母親との対峙がたいへんな見所となっています。
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