『トゥルー ロマンス』のあらすじと概要
クエンティン・タランティーノが監督デビュー前に執筆した脚本をもとに「トップガン」のトニー・スコット監督がメガホンをとり、マフィアと警察から追われるカップルの破滅的な愛と逃避行を描いたロード・ムービー、バイオレンス&ロマンス。
プレスリーとカンフー映画を愛する青年クラレンスは、勤め先の上司が差しむけた妖艶なコールガールのアラバマと瞬く間に恋に落ち、翌日結婚します。アラバマの元ヒモで麻薬の密売人(ドレクスル・スパイビー)を成りゆきで殺してしまったクラレンスは、彼女のものと間違えて持ち帰ったスーツケースから、大量の麻薬を発見します。ふたりはその麻薬を売って新生活を始めようとしますが、マフィアと警察に狙われるハメになってしまい、さらに地元のワルも絡む大騒動になります。
クリスチャン・スレイターとパトリシア・アークエットが主人公カップルを演じ、共演にもブラッド・ピット、ゲイリー・オールドマン、クリストファー・ウォーケン、デニス・ホッパーら豪華キャストが大集結。
原題:True Romance
『トゥルー ロマンス』のスタッフとキャストについて
トニー・スコット監督:イギリス出身の映画監督、映画プロデューサー。7歳年上の次兄リドリーも映画監督兼プロデューサー。「トップガン」(86)が世界的に大ヒット。同作で注目のフィルムメーカーになったばかりでなく、主演のトム・クルーズをスターの座に押し上げた。
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クウェンティン・タランティーノ脚本:本作の主人公にタランティーノ自身を投影させており、漫画雑誌の店員である主人公は「Sonny Chiba (千葉真一)の熱狂的ファンで、『激突! 殺人拳』をアラバマと映画館で観賞し、部屋に『カミカゼ野郎 真昼の決斗』と『東京-ソウル-バンコック 実録麻薬地帯』のポスターがそれぞれ貼ってある」という設定となっている。
ハンス・ジマー音楽:これまでに計11回のアカデミー賞ノミネート経験(内受賞1回)や計14回のゴールデングローブ賞ノミネート経験を持つ、最も著名な映画音楽作曲家の一人。
クリスチャン・スレイター(クレランス):ニューヨーク出身。子役として7歳でTVドラマに初出演し、80年代初頭にはブロードウェイの舞台でも活躍する。16歳のとき「ビリー・ジーンの伝説」(85)で映画デビューしている。
最近の出演作
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パトリシア・アークエット(アラバマ):ショーン・ペンが監督した「インディアン・ランナー」(91)あたりから注目を集め、本作「トゥルー・ロマンス」(93)でブレイク。リチャード・リンクレイター監督の「6才のボクが、大人になるまで。」で主人公の母親役を12年にわたり演じ続け、アカデミー賞・助演女優賞に輝いています。
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ゲイリー・オールドマン(ドレクスル):ジョン・ル・カレ原作のスパイ映画「裏切りのサーカス」(11)で、アカデミー主演男優賞初ノミネートを果たした。伝記映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」(17)では、特殊メイクでチャーチル英元首相になりきり、アカデミー主演男優賞を初受賞している。
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ブラッド・ピット(フロイド):マフィア一味にクレランスとアラバマの居場所を教えてしまう役。
『トゥルー ロマンス』のネタバレ感想
本作作品はゲイリー・オールドマンが出演しているという事で見てみました。彼は悪役が似合い過ぎます。余りに貫禄があり過ぎて、当初見た限りではこのポン引きを誰が演じているのか全くかわからず、映画鑑賞後ネットで検索して漸くゲイリー・オールドマンがどの役を演じていたのか確認出来ました。なんとアラバマのヒモ役/ポン引きで、正体不明のおぞましい悪人面した演技にびっくり仰天しました。確かに、翌年出演している94年公開の映画「レオン」の麻薬捜査官に相通じる雰囲気を匂わせていましたが…。
クウェンティン・タランティーノの脚本らしく、かなり強烈なバイオレンスシーンの連続に息を呑みました。ブラッド・ピット扮する麻薬常習者フロイドはアラバマ達が宿泊しているモーテルの名前を、突然訪ねて来たマフィアに安易に教えてしまいます。このマフィアに襲われ、所持していたコカインを奪われそうになります。アラバマは散々痛めつけられ大怪我をしながらも、絶対絶命のピンチを辛くも逃げ切り一発逆転、まんまとこの間抜けな大男をやっつけとしまいます。女性恐るべしです!
ラスト、警察とボディガードのドンパチの真っ最中に執念深いマフィア一味もなだれ込み、三つ巴の銃撃戦が始まります。ハチャメチャで、何が何だかまったくわかりませんでした。あの凄惨なシーンの中から幸運にも命からがら生き延びた二人は、メキシコへ逃げます。今後どうなったのか少し気になりました。
映画の題名「トゥルー ロマンス」とは裏腹に、破滅的な逃避行に終始してしまいました。タランティーノの元々の脚本では二人は死んでしまう結末だったそうです。確かにその方が「トゥルー ロマンス」の深い響きが感じられそうな気がします。
パトリシア・アークエットのお色気、超充実した脇役陣の素晴らしさ、タランティーノの脚本等々魅力満載!間違いなく必見の映画の一つです。
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