ジュディ・デンチの知名度を上げた代表作『007』シリーズ、その中で、17年間で7作品に出演し続け「Mといえばジュディ・デンチ」を強く印象付け、知名度を世界的なものにしています。その他にもエリザベス女王、ヴィクトリア女王役などもこなしています。イギリス王室は英国を代表する大女優ジュディ・デンチの役者としての功績を讃えて、1988年に『デイム』という最上級の称号を与えています。数多くの名作に出演していますが、その中の10作品につき紹介します。参考にしてみてください。
『ヴィクトリア女王 最期の秘密』(2017/スティーブン・フリアーズ監督)
「あなたを抱きしめる日まで」のジュディ・デンチとスティーブン・フリアーズ監督が再びタッグを組み、英国女王とインド人使者の交流を描いたドラマ。本作は2010年に発見された実在のインド人従者の日記が題材となっています。
1887年、ビクトリア女王の在位50周年記念式典(英国史上最長の在位期間、63年と7ヶ月を誇る)、記念硬貨の贈呈役に選ばれたアブドゥルは、英領インドからイギリス・バッキンガム宮殿へとやってくる。最愛の夫と従僕を亡くした孤独から心を閉ざした女王ビクトリアは、王室のしきたりなどにも臆することなく、まっすぐな笑顔を向けるアブドゥルに心を開き、何よりも孤独を癒やしてくれる親友のような存在であったことが、2人の間には身分や年齢なども超越した深い絆が芽生えていきます。
そんな女王と従者アブドゥルをこころよく思わない周囲の人びとが2人を引き離そうと動き出し、やがて英国王室を揺るがす大騒動へと発展してしていきます。
デンチが1997年の「Queen Victoria 至上の恋」に続き、2度目のビクトリア女王役を演じ、ゴールデングローブ賞の主演女優賞にノミネート。「きっと、うまくいく」のアリ・ファザルがアブドゥル役を演じる。
なお、映画として初めてカメラが潜入した英国王室離宮のイギリス南部・ワイト島にあるオズボーン・ハウス(ヴィクトリア女王の夫アルバートが、設計から内装まで手掛け、女王が最も愛した場所という)や世界遺産タージ・マハルなど、本物を映したこだわりのロケ地映像に注目。
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『あるスキャンダルの覚え書き』(2006/リチャード・エア監督)
アメリカで実際に起こった事件を基に、41歳の陶芸教師と15歳の教え子の禁断の愛を描いたゾーイ・ヘラーによる同名小説の映画化。2人の愛とその終焉が、事件の当事者で逮捕された41歳の美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット)の同僚で親友のバーバラ(ジュディ・デンチ)によって語られていきます。
厳格な女教師バーバラは、新任の美人教師シーバのクラスの騒ぎを治め、彼女と親しくなります。ところが、人妻であるシーバと15歳の生徒の密会を目撃してしまいます。彼女の弱みを握ったバーバラは、シーバが打ち明けた情事を克明に記録しはじめますが、その日記は後々シーバの目に留まる事になります..家族も親しい友人もおらず、飼っている猫だけが心のよりどころだった孤独な年配女性の屈折した愛情が、徐々に明らかになっていくストーリー展開から一瞬も目が離せません。
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『NINE』(2010/ロブ・マーシャル監督)
フェデリコ・フェリーニ監督の『8 1/2』のトニー賞受賞の同名ブロードウェイ・ミュージカルを、『シカゴ』のロブ・マーシャル監督が映画化。
主人公の映画監督グイドに『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のダニエル・デイ=ルイス、彼を取り巻ずけく豪華絢爛たる女優陣にマリオン・コティヤールやニコール・キッドマン、ペネロペ・クルスらアカデミー賞受賞者がきらびやかに華を添える。目を見張るゴージャスなステージで繰り広げられる迫力ある歌とダンスに目が釘づけです。
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『プライドと偏見』(2005/ジョー・ライト監督)
ジェーン・オースティンの同名小説を「パイレーツ・オブ・カリビアン」のキーラ・ナイトレイ主演で映画化。英国の上流社会を背景に、“結婚”という切実な問題に直面したヒロインの心の葛藤をつづる。
18世紀末のイギリスの田舎町。5人の姉妹が母親と暮らすベネット家の近所に、資産家ヒングリーが引っ越してくる。次女エリザベス(キーラ・ライトレイ)はヒングリーの親友ダーシーに出会い、その高慢な態度に反感を抱くが、、、エリザベスはそのダーシーに求婚されるが、彼の高慢な性格に反発してそれを拒むが、ある事件をきっかけに彼の意外な一面を知ることになる。何と彼は二度目の求婚をする。
オール・イギリス・ロケで撮った由緒ある豪邸の数々も、豊かな田園風景と共に見どころのひとつとなっている。
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『J.エドガー』(2011/クリント・イーストウッド監督)
2011年の伝記映画。巨匠クリント・イーストウッド監督の32作目の作品、ダスティン・ランス・ブラック脚本(『ミルク』でアカデミー賞を受賞)で、名優レオナルド・ディカプリオがジョン・エドガー・フーヴァーを演じた。
1924年、29歳でアメリカ連邦捜査局FBIの局長に就任し、死去するまで48年間にわたって局長を務め上げた、まさに”FBIの顔”。現場検証、指紋採取、筆跡鑑定、そして捜査情報のデータ化と、現在の犯罪捜査の基礎を築いた功績を残し、国民的英雄と賞賛される。
また、J・エドガーは、カルビン・クーリッジからリチャード・ニクソンまで8人の大統領に仕え、FBIを犯罪撲滅のための巨大組織へと発展させていった功労者。しかし、多くの功績を残した一方で、圧倒的な権力と情報収集力で政治家や活動家の言動を監視。そうした秘密情報を”ファイル”にまとめ、ハリー・トールマン、ジョン・F・ケネディ、リチャード・ニクソンなど、実に8人の大統領に向かってファイルの存在をちらつかせて、”Mr.アンタッチャブル”として彼らを従えるまでの存在にのし上がる。時に強引な手腕が物議をかもしました。また、その私生活は完全に謎に包まれていました。アメリカ史のタブー、そして誰もが恐れたフーヴァーという”怪物”を、初めて真正面から取り上げた本作品では数々の秘密が暴露され、目の当たりにする事が出来ました。
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『ショコラ』(2000/ラッセ・ハルストレム監督)
1959年冬のある日、フランスの小さな村に謎めいた女性ヴィアンヌが私生児であるアヌークを連れて越してきました。母娘は村人が見たこともないような美味しそうなチョコレートであふれた店を開きます。客の好みにピタリと合わせて勧められるチョコレートは、その不思議な作用から村人達を惹きつけ、村人はカトリックの断食期間にも厳格な教義に反しチョコレートを食べていました。村の指導者レノ伯爵はその事実に愕然となり、ヴィアンヌを村から追放しようと画策します。そんな時、ジプシーの青年ルーの船が村にやってきました。
宗教と人間関係の複雑な絡み合い、そして大人の事情に飲み込まれている子供たち、また、愛する人を遠くから思い続ける大人たちの感情等が随所に秘められた映画となっています。
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『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』(2016/ティム・バートン監督)
「チャーリーとチョコレート工場」「アリス・イン・ワンダーランド」のティム・バートン監督が、ランサム・リグズによるティーン向け全米ベストセラー小説「ハヤブサが守る家」を映画化し、人とは異なる奇妙な能力を持った子どもたちが織りなす物語を描いたファンタジー映画。
フロリダに住む主人公の少年、周囲になじめない孤独なジェイクは、唯一の理解者だった祖父エイブの遺言(「ケインホルム島へ行き、1943年9月3日のループへ行け。そうすれば鳥が全てを教えてくれる」)をジェイクに言い残した為、それに従いウェールズのケインホルム島の森の奥にある古めかしい屋敷を見つける旅に出ます。そこには、美しくも厳格な女性ミス・ペレグリンの保護のもと、1943年9月3日から同じ一日の時間のループを生き続けている子供たち、植物を魔法のように育てられる、空中浮遊能力を持つ少女や透明人間の男の子、常に無口な双子といった、奇妙な子どもたちが暮らしていました。しかし、彼らは、モンスターに付け狙われて「安全な時間の繰り返し」という閉ざされた世界に生きるしかありませんでした。
主人公ジェイク役は「ヒューゴの不思議な発明」で知られるエイサ・バターフィールド、ミス・ペレグリン役は「007 カジノ・ロワイヤル」「ダーク・シャドウ」のエバ・グリーンが務めている。
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『ジョーンの秘密』(2018/トレバー・ナン監督)
スパイ容疑で逮捕された80代の老女の数奇な実話をもとにしたジェニー・ルーニーのベストセラー小説『Red Joan』を「恋におちたシェイクスピア」のオスカー女優、ジュディ・デンチ主演で映画化。
2000年、夫に先立たれ、仕事も引退し、イギリス郊外で穏やかな一人暮らしを送っていたジョーン・スタンリーが突然訪ねてきたMI5に逮捕されてしまう。彼女にかけられたのは、半世紀以上も前にロシアのKGBに核開発の機密情報を漏えいしていたというスパイ容疑だった。
ジョーンは無罪を主張するが、外務事務次官のW・ミッチェル卿の死後に見つかった資料などから、彼女の驚がくの過去が次々と明らかとなる。
ジョーン役をデンチ、若かりし頃のジョーン役を「キングスマン」のソフィー・クックソン、ロシア人の恋人レオ役をテレビシリーズ「女王ヴィクトリア」のトム・ヒューズがそれぞれ演じる。監督はデンチの舞台作品の演出を数多く手がけたトレバー・ナン。
なお、映画批評サイト・Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「魅力的な実話を当惑するほど退屈な形でドラマ化した『ジョーンの秘密』は、その物語の驚くべきストーリーを、そしてジュディ・デンチの圧倒的な才能を無駄にしている。」と酷評されているのは少し残念な気がします。皆さんのご覧になった、ご意見は如何でしょうか?
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『マリリン7日間の恋』(2011/サイモン・カーティス監督)
36歳でこの世を去り、2022年で没後60年となる世界のセックス・シンボル、マリリン・モンローの秘めた恋をミシェル・ウィリアムズ主演で描いたラブロマンス。なお、原作は同作のスタッフであったコリン・クラークの回想録に基づいています。
1956年、名優ローレンス・オリビエが監督・主演を務める映画「王子と踊子」の撮影のためロンドンを訪れたモンローは、初めて体験する海外での撮影のプレッシャーと、夫アーサー・ミラーとの確執により仕事に集中することができずにいました。
さらに演技方法で、マリリンは緊張と不安に重なって、撮影にしばしば遅刻したり、オリビエらとの演技メソッドの違いによりNGテイクを連発してしまいます。そして、反りが合わないオリビエ監督とも対立し孤立してしまったモンローは、ただひとり的確な助言をくれた第3助監督のコリン・クラークと親密になっていきます。ひとりの女性が悩みながら、青年との恋と仕事に身を投じていく等身大の姿を追ったピュアな物語として描かれるモンローの素顔は、これまで彼女に感じていたイメージを大きく覆す作品になっています。
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『恋におちたシェイクスピア』(1998/ジョン・マッデン監督)
若き日の文豪シェイクスピアの秘められた恋の行方を、虚実織り混ぜながら描いた恋愛歴史劇。
16世紀末のロンドン、ペストが蔓延し劇場の閉鎖が相次ぐロンドン。人気劇作家シェイクスピアは漸く長いスランプから抜け出そうとしていました。ある日、彼の新作のオーディションにトマスと名乗る若者がやって来ました。実はトマスは、裕福な商人の芝居好きな娘ヴァイオラが女人禁制の舞台に立つために男装した姿だったのです。逃げるように去ったトマスの後を必死に追って商人の屋敷に潜り込んだシェイクスピアは、そこでヴァイオラと出会い恋に落ちます。
しかし彼女には既に、親によって定められた貧乏貴族の婚約者がいました。燃え上がる恋心に創作意欲を刺激され、新作「ロミオとジュリエット」を書き上げていくシェイクスピアでしたが…
主演は「エリザベス」のジョセフ・ファインズ。本作品は第71回アカデミー賞で作品賞など7部門を受賞し、ヴァイオラ役のグウィネス・パルトロウが主演女優賞、エリザベス女王役のジュディ・デンチが助演女優賞に輝いています。
おすすめ映画感想|『恋におちたシェイクスピア』(1998/ジョン・マッデン監督)【U-NEXTで視聴】
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