>

映画『ダブル・サスペクツ/ルーベ、嘆きの光』(2019/アルノー・デプレシャン監督)感想‣地味で渋い作品でありながら、一人の警視ダウードの眼差しは慈愛に満ちていた!

スポンサーリンク
絶対見逃せない映画 おすすめ
スポンサーリンク

映画『ダブル・サスペクツ』のあらすじ概要

「そして僕は恋をする」のアルノー・デプレシャン監督が、自身の故郷であるフランス北部の町ルーベを舞台に殺人事件の顛末を描いたサスペンスドラマ。

ベルギー国境に近いフランス北部ベルギーに隣接する小さな町ルーベ、中東系の警視ダウードが署長を務めるルーベ中央警察の管内は強盗・麻薬密売など凶悪犯罪が多発、75%が問題区域に指定され、45%が貧困にあえぐ、フランスで最も貧しい町となっていました。ある日、放火事件を奏している最中、新たに83歳の年老いた女性が他殺体となって発見されます。

捜査に乗り出したダウードらは、被害者の近所に住む貧しい女性クロードとマリーを逮捕し、容疑者として入念な取り調べを始めます。警察の厳しい取り調べ、正確な現場検証、生々しい犯行の再現など、緊迫するシーンが連続して映し出されます。警察はクロードとマリーを容赦なく追い込んでゆき、遂に事実が明らかにされることになります…

また、全編でいぶし銀の様な輝きを見せるダウード署長の人間に対する優しい眼差しと語り口がとても印象に残る映画でした。

出演は「007」シリーズのレア・セドゥ、「チャップリンからの贈りもの」のロシュディ・ゼム、「ゲンスブールと女たち」のサラ・フォレスティエ。2019年・第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。WOWOWでは「ルーベ、嘆きの光」のタイトルで放映された。

 

2019年製作/119分/フランス
原題:Roubaix, une lumiere

 

同じような犯罪が集中するフランス・パリのある地域(パリ郊外のモンフェルメイユ)の病巣を抉ったドキュメント映画

おすすめ映画『レ・ミゼラブル』(2020年公開・仏新鋭監督ラジ・リ)現代フランスの病巣を描出 

Dimitris VetsikasによるPixabayからの画像

映画『ダブル・サスペクツ』のスタッフとキャストについて

アルノー・デプレシャン監督:フランス・ルーベ出身の映画監督

ロシュディ・ゼム(警察署長ダウド):モロッコ系のフランスの俳優/映画監督

レア・セドゥ(クロード):『スペクター(2015)』でボンドガールのマドレーヌスワンとして出演したことでさらに国際的な注目を集め、『ノータイムトゥダイ(2021)』で再演し大活躍しています。

立川キノシネマで見られる新規公開映画『潜水艦クルスクの生存者たち』(2018/トマス・ビンターベア監督)潜水艦クルスクに運命を翻弄された名もなき男たちの実話

おすすめ劇場公開中 最新映画|『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021/キャリー・ジョージ・フクナガ監督)6年振りとなる007シリーズ最新作公開!

サラ・フォレスティエ(マリー):

sharkolotによるPixabayからの画像

映画『ダブル・サスペクツ』のネタバレ感想・見どころ

【ネタバレ有り、ご注意!】

フランス北方の町ルーべはベルギーと国境を接しています。強盗・麻薬密売など凶悪犯罪が多発する他、放火、窃盗、喧嘩なども頻発していました。前半部分は大忙しで捜査を繰り広げる警察官たちの様子をカメラが追う映像が連続します。まるで犯罪都市の24時間のドキュメント映画を見ている様でした。

レア・セドゥー演じる若い女性クロードが犯罪にどう関わって行くのまったく見えてきませんでした。しかしながら、突如83歳の老女が他殺体で発見された事から、事件は急転直下クロード及び一緒に暮す女性マリーが重要な容疑者として浮かび上がってきます。

刑事らの緩急取り交ぜた厳しい取り調べが続き、徐々に犯行の真相が明らかになって行きます。警察での二人の尋問は個別に行われ、各人の言い分に明らかな食い違いが見られます、しかし、正確な現場検証、生々しい犯行再現シーンなど、たぶん実際に行われるものに近いであろう「取り調べ」が行われていく状況を、映像を通じて目の当たりにする事になります。

わたしには、当初小さな子供がいるクロードが長期(殺人罪で最長20年ともいわれる)の懲役刑を恐れ、相方のマリーが計画した犯行だったと、罪を擦り付けるような供述をしていたように見えました。しかし、刑事らの追及で自らの犯行の関与を徐々に認めていく心理状態に変化して行く様子を読みとる事が出来ました…育ちの違い、容姿の違いなどの細かい点が二人の心理状態に微妙な影を落としていることも理解出来ました…

特質すべきは本作品の主人公である中東系の警視・警察署長のタウドの存在感の大きさです。そして、犯人や被害者、同僚に接する態度が頗る紳士的で、温厚で慈悲深く、絵に描いた様な「良い人」でした。まったく希望の見えない見捨てられた様な犯罪都市でありながらも、治安を守る為に働く警察官の存在こそが唯一の希望の光なのではないかと思われました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました