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おすすめ映画感想『ブギ―ナイツ』(1997/ポール・トーマス・アンダーソン監督)‣ポルノ業界に集まる、世間をドロップアウトした男と女の群像劇!

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『ブギ―ナイツ』のあらすじ概要

ポール・トーマス・アンダーソン監督の長編第2作目で出世作、1970年代末~80年代アメリカのポルノ業界に逞しく生きる人々の葛藤を描いた群像劇。

1977年、ロサンゼルス郊外のサンフェルナンド・バレー。監督自身が幼少期を過ごした場所であり、成人映画やアダルトビデオの製作スタジオが多数存在する。ディスコクラブで皿洗いのアルバイトをしている17歳の高校生エディ・アダムスは、その巨根を見込まれポルノ映画の人気監督ジャック・ホーナーにスカウトされ、ポルノ男優として華々しくデビューすることになります。エディは個性的なスタッフや俳優たちに囲まれながら、“ダーク・ディグラー”の芸名で瞬く間に数多くの主演作品に出演、スターの座に駆け上がり名声を手に、贅沢な生活を楽しみますが、次第にドラッグに溺れるようになっていきます。やがて、監督との確執や転落という憂き目、更にはポルノ映画の衰退、アダルトビデオの台頭という時代の転換期を生きる辛辣なドラマとなっています。

マーク・ウォールバーグが主演を務め、ポルノ映画監督ジャックをバート・レイノルズ、驚きのベテランポルノ女優アンバー役をジュリアン・ムーアがそれぞれ好演しています。

1997年製作/155分/アメリカ
原題:Boogie Nights

『ブギ―ナイツ』のスタッフとキャストについて

 ポール・トーマス・アンダーソン監督・脚本:カリフォルニア州ロサンゼルス出身。『ブギ―ナイツ』はアカデミー脚本賞にもノミネートされたことで、若干20代ながらも映画監督としての評価を確立させています。

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マーク・ウォールバーグ(エディ・アダムス / ダーク・ディグラー、母親から毎日のようにダメ息子とののしられている):「バスケットボール・ダイアリーズ」(95)で共演したレオナルド・ディカプリオの推薦で、本作「ブギーナイツ」(97)に主演し、その演技力を認められます。なお、本作品の主演はレオナルド・ディカプリオが当初予定されていましたが、彼は『タイタニック』の撮影と重なり出演を断ったそうです。そして、後に本作に出演しなかったことを後悔していると述べています。

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バート・レイノルズ(ジャック・ホーナー/ポルノ映画の監督):ポルノ業界を舞台にした人間ドラマ本作「ブギーナイツ」(97)でゴールデングローブ賞助演男優賞などを受賞、第70回アカデミー助演男優賞にもノミネートされています。不遇の状態にあったバート・レイノルズも多くの賞を獲得して復活しています。しかしながら、アンダーソン監督とは反りが合わなかったという。

ジュリアン・ムーア(アンバー・ウェイブス/ポルノ界の大物女優、麻薬に溺れて前夫との息子の親権を手放したジャックの妻):本作『ブギーナイツ』では、ポルノ女優というリスクのある役柄を堂々と演じ、初のアカデミー賞候補となっています。

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ウィリアム・H・メイシー(リトル・ビル):96年、コーエン兄弟監督作「ファーゴ」でアカデミー助演男優賞にノミネートされてハリウッドの注目を浴びます。

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 ヘザー・グラハム(ローラーガール):米ウィスコンシン州ミルウォーキー出身。近年は大ヒットコメディ「ハングオーバー!」シリーズ1作目(09)と3作目(13)に出演

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『ブギ―ナイツ』のネタバレ感想・見どころ

ネタバレ有り!

ポルノ業界という極めて異色な業界で生きる男女の生き様を描く人間群像が描かれています。長編映画作り第二作目にして、20代で本作を仕上げている実力は驚異的です。マーク・ウォールバーグは本作が出世作となりますが、『タイタニック』の撮影に忙しいレオナルド・ディカプリオに代わって本作の主演を演じています。嘘か本当はディカプリオは本作に出演したかったと後で悔やんでいたそうです。

それにしても、業界が業界だけに一筋縄ではいかない面白い人物のるつぼという印象を受けました。17歳でこの業界に入り、若さというのも強力な武器になったとは思いますが、それにしてもカメラが回っている目の前で”演技”出来るというのも特殊な”才能”だと思いました。マーク・ウォールバーグは比較的硬派のイメージの映画出演が多いのですが、本作では人気ポルノスターとしての熱演ぶりは素晴らしく中々の物でした。最後に彼は見事なイチモツを鏡に映して眺める事で自信を取り戻すシーンをカメラが捉えます。(ボカし入りなのでご心配無用)本当に●●CMもあるのかびっくり仰天!しかしながら、本人曰く「敬虔なカトリックのキリスト教徒であり、「『ブギーナイツ』出演は、人生におけるキャリア選択の最も大きな失敗の一つだった」と、このコメントはちょっと意外な気もしましたが本音なのかも知れません…

本作は、主人公エディ・アダムスらが人生の頂点を極めた後、お決まりのように絶頂から凋落へと転がり落ちる展開が描かれていきます。その後、何とか業界で再生して行く人、まったく異なる世界に転じて成功を納めようとする人、一か八かの捨て身の一発勝負に出てしまう人、世間から『見下らされる』ことを嫌いせめて高校卒業資格を必死に取得しようと勉強する人などそれぞれの破滅あるいは再生への物語が綴られます。

20代でこれだけの完成度の高い傑作映画を撮るポール・トーマス・アンダーソン監督の才能は本当に驚きです!

 

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