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おすすめ映画『ナポリの隣人』(2017/ジャンニ・アメリオ監督)感想‣孤独な老人を痛ましいまでのリアルさで描出するヒューマンドラマ…

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『ナポリの隣人』のあらすじと概要

「小さな恋人」「家の鍵」「最初の人間」などで知られるイタリアの名匠ジャンニ・アメリオが、母の死が原因で不仲になっていた父と娘が、父の隣家の家族に起こった事件をきっかけに、関係を見つめなおしていく姿を描いた人間ドラマ。

南イタリアのナポリで、かつて家族と暮らしたアパートに、いまはひとりで暮らす77歳の元剛腕の弁護士のロレンツォ。娘のエレナはアラビア語の法廷通訳で生計を立てるシングルマザーですが、母の死が父の浮気のせいだと信じ、いまも父を許せずにいました。ロレンツォは気難しいところがあるものの、最近は隣家の若い夫婦と彼らの子どもと仲良くなり、擬似家族のような関係になっていました。しかし、そんな平穏な日々が、ある事件によって突然幕を閉じてしまいます。ロレンツォ役の主演レナート・カルペンティエーリが、イタリアのアカデミー賞と呼ばれるダビッド・デ・ドナテッロ賞などで主演男優賞を受賞。日本では「イタリア映画祭2018」で「世情」のタイトルで上映されています。

2017年製作/108分/イタリア
原題:La tenerezza

じいさんと隣人家族の交流を描いた映画➢

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『ナポリの隣人』のスタッフとキャストについて

ジャンニ・アメリオ監督:35年以上のキャリアで長編作品12作と寡作ではあるが、ヨーロッパ映画賞で最優秀作品賞を3度にわたり受賞するなど、ヨーロッパを代表する名匠の一人。

レナート・カルペンティエーリ(引退した元弁護士ロレンツォ):

ジョバンナ・メッツォジョルノ(娘エリナ アラビア語の法廷通訳をするシングルマザー):

ミカエラ・ラマゾッティ(隣人の妻ミケーラ、孤児だった過去がある。事件に巻き込まれてしまう):

『ナポリの隣人』のネタバレ感想・見どころ

ナポリの街の雰囲気とか伝わって良い雰囲気の映画なんですが、77歳の孤独な元弁護士ロレンツォがちょっと悲しい。唯一の楽しみが、学校帰りの孫(長女エリナの子供)を連れてアイスクリームを食べさせる事位でした。二人の娘と息子は同じナポリに暮していますが、疎遠となっています。原因はロレンツォの以前の浮気が原因で、妻が亡くなった事にある様です。そんな彼にもたまたまイタリア北部から最近越して来た隣人の妻ミケーラやその家族と心を開き交流し、あたかも血の繋がった家族同然と思われる関係が始まりま。しかしながら、それも束の間、隣人に突然の不幸が襲い掛かる事になります…ミケーラは重体となり生死を彷徨いますが、とうとう回復する事も無く世を去ります。

本編ストーリーの主軸はあくまでもロレンツォと娘エリナとの微妙な関係の”快復”を描いているのだろうと思います。父娘の心理描写は言葉でははっきり語られる事は無いので、両者の心理を想像するしかありませんが…主演のレナート・カルペンティエーリは本作でイタリアのアカデミー賞と呼ばれるダビッド・デ・ドナテッロ賞などで主演男優賞を受賞している程の名演を確かに見せていました。しかしながら、焦点である父親と娘との心の交流が上手く描かれていたかどうかは正直ちょっと疑問が残りました。

ひとつとても気になったロレンツォの言葉に「子供の時は可愛かったが、成長してからは娘・息子にまったく愛情を感じない…」と隣人の妻ミケーラに告白していました。確かに幼い時と大人になってからは接し方は異なりますが、「愛情を感じない!」と言い切る程のわだかまりとかは何なんでしょう!個人的には親子の情愛はいくつになっても本来変わらぬものと思いたいところ…

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