『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』のあらすじ・概要
「ノーカントリー」「トゥルー・グリット」のコーエン兄弟が、2013年・第66回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した作品。1960年代のフォークシーンを代表するミュージシャン、デイブ・バン・ロンクの生涯を下敷きに、売れない若手フォークシンガーの1週間をユーモラスに描いた。
60年代の冬のニューヨーク・グリニッジ・ヴィレッジ。シンガーソングライターのルーウィンは、ライブハウスで歌い続けながらも、なかなか売れることができず、金がなく、友人や知り合いの家のカウチで寝ている生活を続けていました。音楽で食べていくことをあきらめかけていましたが、それでも友人たちの助けを借り、なんとか日々を送っていくようすが繊細に描かれていきます。
また、一匹の猫を特徴的なシーンでとても上手に使っているところが印象に残り、本作の特徴となっています。
「ロビン・フッド」「ドライヴ」などに出演したオスカー・アイザックがルーウィン役を演じ、歌声も披露。音楽に「オー・ブラザー!」「クレイジー・ハート」のT=ボーン・バーネット。
2013年製作/104分/アメリカ
原題:Inside Llewyn Davis
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』のスタッフとキャストについて
コーエン兄弟監督・脚本・編集:『ファーゴ』(96)は批評家たちに絶賛され、兄弟に初のアカデミー賞(脚本賞)をもたらした。海外での評価も高く、この作品で兄弟は二度目のカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。
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オスカー・アイザック(ルーウィン・デイヴィス):ボブ・ディランにも影響を与えたデイブ・バン・ロンクをモデルにした物語となっているという。音楽映画である本作は、ジュリアード音楽院卒業の実力を発揮し、実際に劇中で歌とギターの生演奏を披露している。映画初主演作品となっています。
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キャリー・マリガン(ジーン・パーキー):2009年公開の『17歳の肖像』で英国アカデミー賞 主演女優賞を受賞し、アカデミー主演女優賞に初ノミネートされた。更に2020年には『プロミシング・ヤング・ウーマン』で二度目のアカデミー主演女優賞ノミネートを果たした。
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ジャスティン・ティンバーレイク(ジム・パーキー):2002年、ソロデビューアルバム『ジャスティファイド』を発表すると世界中で700万枚以上を売り上げる大ヒット。
ジョン・グッドマン(ローランド・ターナー):
アダム・ドライバー(アル・コーディ):
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』のネタバレ感想
最後の一シーンに、ルーウィン・デイヴィスの次の舞台でボブ・ディランが歌い始める横顔らしき姿が映っていたように思われました。ディランにも影響を与えたというところは何となく曰くありげな感じもありました。
売れないフォーク歌手の一週間の様子を切り取ったコメディドラマですが、”コメディ”と言うにはちょっと画面が暗過ぎはしないかと感じてしまいました。シカゴのライブ・ハウスに売り込みに行きますが、そこのプロデューサー(バド・グロスマン)からは「金の臭いがしない」と言われ冷たくNYへ返されてしまいます。とうとう歌手の道を断念して、父親と同じように商船の『航海士』として再び生計を立てる覚悟を決めたものの、航海士の『資格証』を姉に捨てられてしまった為、船に乗る事も出来ず、再度、歌手に戻らざるを得ないことになります。その後、歌手として一人前に売れたのかどうか結論は出ずに映画は終わっていまいます。勿論、年代的にやがてフォークの大ブームのやって来る前夜60年代という時代背景もあります。
映画観客は彼の将来についてまったく想像の域を出ない事になります。その判断は彼の歌が上手いと感じたかどうかだ、はたまたやがて時代の波に乗る事になるのかだと思いますが…
また、フォーク女性歌手ジーンとして出演していキャリー・マリガンも従来の彼女とは一味違った味のある演技を披露してくれました。ライブを聴きに来る男性客の大半は単純に彼女の歌を聴きに来るというよりは他の目的(女性としてのジーンの魅力に魅かれているという指摘がありました)があるというセリフがありました。
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