ほぼ40年振りとなる安達太良山登山に挑戦してきました。前回は奥岳登山口からのピストンコースを利用しました。今回はゆっくりと沼尻高原ロッジに2連泊し、温泉と食事を楽しみながら登る事が出来ました。(源泉掛け流しのあるくろがね小屋は現在建て替え工事中で利用出来ません)11月中旬だったで既に紅葉は終了かと思いましたが、まだまだ、至る所に色鮮やかな紅葉(黄葉)が残り目を楽しませてもらいました。(本日11月24日の山頂は既に降雪があり雪景色に一変していました)なお、本来沼尻口から安達太良山登頂後、鉄山、鉄山避難小屋の周回コースを取るつもりでしたが、看板表記を勘違いした為、頂上ピストンで同じコースを引き返すことになりました。
沼尻高原ロッジの魅力
周辺の環境
交通アクセス ■東北自動車道 福島西I.Cより国道115号線で約40分 ■東北新幹線 郡山駅下車 JR磐越西線に乗り換え、猪苗代駅下車、タクシーで約25分です。東京方面からは若干遠いのが難点となりますが、抜群の自然環境に出会えます。安達太良山周辺からは会津磐梯山、吾妻連峰などの名峰を間近に眺める事が出来ます。多くの有名温泉地も点在しています。登山口から宿に戻る途中の車道で猿の大家族の一群に出会う事が出来ました。また、翌日の朝食時には食堂窓辺に狐が訪ねてきました。自然に溢れる環境を十分堪能する事が出来ます。
予想以上の素晴らしい景観にうっとり、憧れの「沼尻高原ロッジ」にようやく来ることが出来ました…
ロッジ周辺の紅葉
駐車場からロッジを見上げる
3時頃ですが、かなり太陽は傾いていました…
部屋からの高原風景(一枚の絵のよう…)
宿の佇まいと温泉
沼尻高原ロッジは女性として初めてエベレストに登頂された田部井淳子さんがオーナーをされていたロッジです。記念の写真、登山靴などの展示品が飾られています。宿の魅力は洗練されたセンス抜群の佇まい、快適な居住空間だと思います。部屋にはTVや時計が置いてありません…更に、安達太良山、標高1250㍍地点に湧出する天然温泉(源泉)を引き入れている源泉掛け流しの温泉(露天風呂、内風呂)が素晴らしい。単一の源泉としては日本一の湧出量を誇るそうです。(とは言え、それほど大量の源泉が湯船に注ぎ込まれるわけでもありませんが…)Hp2.1の酸性硫黄泉。
無垢材を使用した床板が敷き詰められ木のぬくもりがいっぱい…
玄関入り口正面にあるソファ(チェックインは午後3時〜)
部屋の前の広いベランダ 素晴らしい紅葉
ラウンジは広く、雰囲気は抜群です。ウイスキー、ワイン、珈琲等はフリードリンク制となっています。オーストラリア産の赤ワインは美味し過ぎ…チェックイン時から夜中24時までの利用できるというのは嬉しい。ちょっとしたおつまみも有り…
エベレスト登頂時の田部井淳子さんの記念写真
フロントの受付カウンター
玄関で出迎える薪ストーブ、まだ、出番はありませんでしたが…
食事処。客が多い時はゆっくり2時間位掛けて料理が給仕されます。宿の方もとてもフレンドリーで色々な質問に、手を止めて応対してくれました…
内風呂は3人入れば満員のこじんまりしたサイズ。しかしながら、宿泊員数も限定的で浴室内が混雑する事は無く、いつも一人でのんびり利用する事が出来ました…
外の紅葉を眺めながら、最高の気分の露天風呂・硫黄泉ですが、独特の硫黄臭はまったく気になりませんでした…
極楽露天風呂♨
源泉が高温の為、温度を下げる工夫がされています
2泊目に温泉の色が一夜で激変、前日透明感のあった酸性泉が突然乳白濁の強い白色に変化、湯船の底には大量の「湯の花」が沈殿…一か月に何度か温泉が突然変化する事があるらしいです(事前に猪苗代町役場から連絡はあるとの事…)余計な心配かも知れませんが、源泉を運んでくるパイプが詰まりはしないか心配?
温泉湧出口付近の湯船底には2,3センチの湯の花が沈殿
試しに泥パックしましたが、一旦顔に塗り込めると温泉で洗っても色が落ちません。石鹸を着け、タオルでごしごし擦る必要があります
地産地消にこだわる絶品の会席料理
月替わりの会席料理メニュー、デザートを含めて10品が提供されました。この季節付近で収穫されるきのこ類がふんだんに提供されました。丹精込めた料理人の一品一品を十分堪能する事が出来ました。前半的に薄味で素材本来の味を十分味わう事が出来ました。また、料理の食器の素晴らしさにも目が留まりました。
前菜 茄子の花椒煮、鰊山椒漬
鮪、アオリイカ
猪苗代ヒラタケと伊達鶏
原木なめこ蕎麦の実浸し
朝食膳
ロッジ前庭・畑の朝採れ新鮮野菜サラダ
食事処から朝の前庭を望む、わたしは見るチャンスを逸しましたが、超食事狐が窓の外を歩いていたそうです…
安達太良山 沼尻登山口コース 概況
本来の周回コースは所用時間:6時間20分 距離:11.3km、沼尻高原ロッジから沼尻登山口まで車で10分弱と非常に便利、広い駐車場があります。(トイレも完備)頂上直下にある看板の表記を誤解してしまい(「沼の平」経由の沼尻コースは有毒ガス発生の恐れがある為立入禁止!)、火口付近に近づかなければ問題は無さそうです。登山途中も鉄山避難小屋付近を歩く登山者の姿を見掛けました…
早目の朝食(7:30)をロッジで取り、登山口から歩き始めたのが8:45、ロッジに戻ったのが15:30前後でした。下山時泥濘の悪戦苦闘が無ければもう少し早く下りられたと思います。
※白糸の滝/屏風ヶ岩間の登山道は雨後は大変なぬかるみとなる為、登りは比較的問題ありませんが、下りに利用した場合悪戦苦闘の連続でした。靴底に泥がべったり付着し、靴底のグリップがまったく聞かなくなり何度も尻餅をつきました…正解は鉄山避難小屋経由下山の周回路!
朝の登山道(沼尻登山口付近)
稜線に出ると火口周辺の荒々しい光景が目に入ります
小さな池(水溜り…)
クレーターの様相の噴火口、火口付近のガスが噴出する場所まで下りなければ安全!?
鉄山方面を見上げる
勘違いして、「周回コース」を諦めて、来た道をそのままピストンで戻ってしまった看板表記!
稜線上は痩せ尾根、左手は断崖絶壁などもあり要注意の箇所が連続します。
一時的にガスっていましたが、前方奥に見えているのが安達太良山山頂付近
赤く色ずくナナカマドの実
最後に
今回改めて安達太良山の雄大さを思い知らされました。恐ろしい様相の噴火口を眺めながらの登山はちょっと怖い気がします。一方、以前利用した奥岳登山コースとは全く異なる山の印象を受けるので不思議なものです。また、福島県三春出身の田部井淳子さんが最初に登った山が安達太良山だったという話も聞きました。安達太良登山が切っ掛けでエベレストの頂点を目指す事になった…
次回は違う季節に沼尻高原ロッジと安達太良山をセットでもう一度楽しめたらと思います。
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