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中国五岳のひとつ南岳衡山登山 湖南省 

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 南岳衡山については中国旅行サイトC-Trip(携程)の利用を開始する前だったので、交通機関、入場券購入、現地のルート選定等はすべて自力で行いました。また、住んでいた湖南省内の観光地とはいえ、初めて行く土地なので不安はありましたが、思い切って出掛けてみました。新幹線停車駅からのアクセスが非常に便利なので、もし、長沙を訪問する機会があれば、途中下車して日帰りで訪れることも十分可能です。

湖南省の主な観光地、

中国湖南省 中国で一番美しい町と言われる「鳳凰古城」に行ってみた回想録

中国世界自然遺産 「中国丹霞」(湖南省崀山)に現地バスツアーで行ってみた回想録

世界遺産 武陵源 湖南省張家界 個人旅行

などがある。

南岳衡山への行き方(新幹線衡山西駅から)

長沙からのアクセス (新幹線)

(行き) 長沙東駅 (新幹線30分)➢ 衡陽西駅 (路線バス) ➢ 南岳衡山山麓駅

(帰り)南岳衡山山麓駅(路線バス) ➢ 衡陽西駅(新幹線) ➢ 長沙東駅 

  新幹線は長沙南駅から衡山西駅まで乗車時間はわずか30分(距離150㌔)と近く、料金は64.5元です。席に座り、少し寛ぎ始めたと思ったら、直ぐに衡山西駅の到着を伝えるアナウンスに促され慌ただしく下車準備をします。尚衡山西駅には停車しない新幹線があるので要注意!

 車内放送をうっかり聞き逃すと、衡山西駅を乗り過ごし、隣の広東省まで行ってしまう恐れがあるので、乗ったら直ぐ下りる準備をし、乗り過ごしに十分注意するが必要があります。

 長沙から乗車してくる登山姿の乗客は同じ車輛内には見掛けませんでした。一般的に南岳衡山の登山客(観光客)は車か観光バスを利用してやって来るので、新幹線利用での登山客は新幹線車内では殆ど見掛けないのかもしれません。

 新幹線駅衡山西駅の改札口を出ると客待ちのタクシーが待機しています。タクシー運転手のしつこい客引きを振り払うのに苦労します。ほとんどが衡山登山口に向かう登山客を乗せようとするタクシーの客引きです。数十㍍先には衡山登山口まで行くバスが停車しているのが見えますが、運転手は必死に乗客を車に引っ張り込もうとして呼び込んできます。

 タクシー運転手を振り払い、バスまで辿りつく必要があります。衡山登山口バスは本数が少ない為、大変に込み合います。新幹線車内には衡山登山をするような人はほとんど見掛けませんでしたが、駅に降り立つと、登山客、観光客が溢れ返っていました。やはり新幹線で長沙や反対方面の広州から集まってきたのだと思います。

 路線バスはわたしが乗車した時は幸いにも、前のバスが出発したばかりだったか、空席が目立ち、すぐ席に座ることが出来ました。しかし、次の新幹線が到着すると、あっという間に座席は埋まり、立ち席もすし詰め状態になっていきました。

 バスは定刻にならないと出発しないと見え、運転手は車外でゆっくりと煙草を吸っていました。運転手にとって時間厳守が鉄則なのは理解できますが、時と場合によっては乗客が満員になり次第、定刻前でも出発させる様な臨機応変な対応も必要だと感じました。

 教訓としては新幹線を降りたら一目散にバス乗り場まで走り、まずバスの座席を確保する事が肝心。座席に座れないと超満員ですし詰め状態で30分以上立ちっ放しで揺られることになります。これでは登山前に体力を消耗してしまいます。

 バス料金は片道わずかの5元でした。出発時刻まで10分以上待ちましたが、目の前に立っているおばさんの膝が私にごりごり当たるほど満員状態になっても出発しません。

 辛うじて席を確保出来ていたので、多少は楽でしたが、もし席が無いようであれば、迷わずタクシーを選ぶべきかも知れません。

何人か同行者がいる場合は、迷わずタクシーで衡山登山口まで利用すべきです。

路線バスは登山口が終着駅なので終着駅まで乗っていれば、間違いなく目的地に到着します。

 下車地点には目印の「南岳衡山牌坊」が立っています。ここから登山口まではすこし距離があるので、観光客の流れに沿って土産の売店の立並ぶ道をしばらく歩かなければなりません。

南岳衡山になぜ登ったか?

 衡山は道教・仏教の中国五岳(東岳泰山、西岳華山、中岳嵩山、北岳恒山、南山衡山)の一つに数えられています。長沙市内より約150㌔と比較的近い為、長沙市民の家族連れ、グループ同士で良く登られています。

 夏には標高が高い為涼しく、避暑地として利用されています。通常長沙でハイキングと言えば、市郊外西部にある人気の山、岳麓山(標高300㍍)によく登りました。一方、長沙から少し離れた標高1,000㍍超の山に登る機会はありませんでした。

 岳麓山はわたしの脚でも往復2時間程度で登る事が出来ました。低い標高にも関わらず、緑は多く、山中には”岳麓書院““愛晩亭”等々の見所も多く、ゆっくり楽しむことが出来ます。 季節が良くなる春先、遊歩道は数多くの市民ハイカーで溢れます。園内の表示板では昭和32年まで野生の「湖南虎」が目撃されたとという新聞記事(写真付)の記載がありました。野生の虎がいた!

 岳麓山の標高は300㍍(!)と低く、遊歩道が頂上まで全てアスファルト道路である為、「登山」の気分とは程遠く、物足りなさを常に感じていました。

 標高1,300㍍の南岳衡山登山は、脚力維持には絶好の訓練場所と考えていました。新幹線に乗れば30分と近い距離にあり、今回の訪問を機に、今後何度も登る決心をしましたが、結果的に3年間の中国滞在中登ったのはたった1度きりの思い出となりました…

南岳衡山登山ルートについて

  山麓の街は日本で言う門前町で、多数の土産物屋、食堂が立ち並んでいました。中でも目立つのが線香を売る多くの店舗です。

 沿道は多種多様大小様々な線香を束で販売する店舗で埋め尽くされていました。その線香は70-80㌢を超える巨大な長さの太い線香が大きな箱入りや束で売られています。

 一つの箱が百連発のロケット花火のような大きさです。色はかなりけばけばしい赤、黄、ピンク、青、緑など色とりどり紙で包装されています。

 参拝者(登山者)はリュックに線香の大束をくくり付けている人、手でぶら下げている人など様々でした。中には剣豪の刀のように、背中に線香の束をたすき掛けしている人もいます。登山というよりは、お寺に参拝に行く目的で衡山の頂上を目指す人が大部分なのかもしれません。

中国にはこんなにも信心深い人が多いこと再認識しました。

 わたしは南岳衡山の登山には興味はありましたが、山中に散在する各お寺の参拝にはそれ程興味がありませんでした。特別に“願”を掛ける予定もなかったので線香を山麓の土産屋では購入しませんでした。

 買う必要があれば、山頂でも売っているのでわざわざ重たい線香を買ってまで担ぎ上げる事も無いと考えていました。

 ちなみに旧正月などお祝いごと等で盛大に鳴らす、爆竹の生産量は湖南省が中国一という新聞記事を読みました。線香の消費量ももしかすると憶測ですが湖南省が中国国内で、かなりの量を捌いているのではないでしょうか。老若男女すべての中国人登山者が大量の線香を山頂にせっせと担ぎ上げていました。

 わたしの想像ですが、昔は中国の線香の大きさも日本の線香の様に手の平サイズで、20-30㌢程度の線香を使用していたものが、面子を重視する中国人は見栄えのする線香を使い初め、ついに1㍍にも及びお化け線香が売られる様になったのではないかと考えます。

 面子を何よりも重んじる中国人は先祖の供養の為に少しでも大きく、長時間長持ちする線香をとの思いが嵩じて現在の大きさになったのではないかと想像します。

 山頂の廟で焚かれる線香の煙の排出は凄まじい量です。この煙は天に昇って雲となり、その為山頂付近は常に雲に覆われ、雨が多い理由ではないかと思われるほどです。山頂の焼香の「釜」からは、まるで噴火口から噴煙が上がる様な勢いでした。

   衡山登山口の目印は「勝利坊」という門が立っています。ここをくぐり直進すればまもなく登山口です。ここで入場料80元を支払いました。冬場の入場料金と夏場の入場料金が違いました。これはロープウェイ、カート乗車料金も含まれている価格です。

 初めから徒歩での登頂を目指していたので、ロープウェイ代は無駄になりました。後でわかったことですが、入場チケットは登山用、下山用の二種類があり、それぞれロープウェイ、カート代も含まれて45元とのこと。もともとロープウェイ、バスを利用せず自力で上る予定の登山の場合は、行きの45元のみ購入すれば入場は出来たのかもしれません。次回個人で登山を計画される方は是非これを参考にしてください。

 カート・バスの運行時間帯は06:00-18:00、運行頻度は20-30分、何カ所かある指定された昇降地点での乗り降りは自由で、山頂直下まではこの環境バス等を利用すれば、ほとんど苦労して歩く事なく到達は可能です。

 また、途中にある寺へ参拝をしたければ、随時下車して参拝後、再びバスを乗り直せば、ほとんど脚で登らずに頂上近くまで移動することも可能です。

 但し、頂上直下の南大門から山頂までの短い区間だけは自分の脚で登らなければなりません。この距離は若干ありますが、高低差は少なく、ゆっくり歩いても30分位で山頂に到着可能だと思います。

 この区間は眺望も素晴らしく、頂上が間近に見えている安堵感、高低差が無く、売店で食べ物を買いながらの立ち食いをし、みんなのんびりと頂上付近の散策を楽しみ、大自然の雄大な眺望を満喫していました。

   登山前に中国国内のHPで登山ルートを検索しましたが、詳細なルートの地図やコースタイムの情報は一切得られませんでした。ルートの正確な地図、登山ルートの概念図も入手出来ず、登った経験のある、他の人に聞いても情報検索で得られる登山ルート以外の情報は入手困難の為、仕方なく判り易い地図、コースガイドを持たずに頂上を目指ざしました。

 実際はこれだけ中国国内でインターネットが発展しているので、良く調べれば、詳細なルート地図はあったと思いますが、わたしの力では当時検索が出来ませんでした。

 基本的にはバスが通る山岳道路が上部まで通じているので、ひたすらそのバス道を登れば間違いなく目的地に到着します。登山口から山頂(祝融峰1300.2㍍)まで徒歩による往復には大体4,5時間程度を要します。

 但し、所々登山者用の遊歩道がバス路に並行したり、バス路を交差したりして整備されているので、その遊歩道を丁寧に辿れば、多少の時間短縮も出来き、バス道路ではない、森林の中の遊歩道を登る事が出来ます。

 注意点は一部区間だけ遊歩道の分岐があやふやな個所がある為、ルート確認に慎重さが必要だと思います。

  参拝客の多さに圧倒されました。参拝客はほとんど徒歩で登らず、山中を巡回するバス、ロープウェイを利用しながら各寺を参詣する人々でした。それでも登山口から全てのルートを徒歩で往復する登山目的の人も、わずかながら見掛けましたが、それらは少数派でした。いかにも登山という身支度の人は少なく、中国人参拝客は普段着にスニーカーという姿で登って来ています。

  祝融峰1,300.2㍍の山頂からの眺望は、周辺に遮る高山がまったくない事から、雄大な景観を楽しむことができます。山頂は足の踏み場もない程の参拝客(登山客)でごった返していました。(4月末)

  下山時、南天門からの一部遊歩道は、徒歩で登る客の姿が少なくなることと、ルートも少し複雑になっています。 登ったルートをそのまま下ればいいのですが、途中分岐点が多く、迷う箇所があります。但、総じて常に前方に他の登山者の背中が見える為、道に迷う心配はありません。

 もちろんアスファルトのバス路をそのままひたすら下れば間違いはありませんが、車道から逸れた遊歩道を選ぶと人影の少ないルートに入り込む事になります。

 注意するべき点が一区間です。下山の際、民家前の畑の中の途を通り過ぎ、登山ルートを見誤った為、暫く下山した後、道に迷った事を自覚し、もう一度同じ道を登り直した区間がありました。

 そのまま真っ直ぐ下に向かう道を辿る事も出来たのかもしれませんが、登山客が全くいない小道をどんどん突き進む勇気はありませんでした。

 後日同じ様に徒歩で南岳衡山に登った会社の同僚も下山時に、やはり「一カ所道に迷った」と言っていたので、全行程を徒歩で歩く登山者には迷いやすい場所が1カ所あるでこの部分は注意が必要です。

  この山は長沙在住の日本人で山登りに多少興味がある人が日帰りで登るには手頃で良いかも知れません。しかしながら、わざわざ日本からこの山の登山を目指してやってくる価値があるかというと少し疑問です。勿論中国五岳の全山制覇などの目的で登るならば是非登って頂きたいものですが、、、

  本によると衡山は仏教、道教の歴史と共に発展しており、千年余の大変に悠久な歴史を有しており、中国人の深い信仰を集めています。山中に散在する宗教的建築物もそれなりの歴史・風格があり貴重なものです。しかし、今回ガイド無しの、個人旅行及び目的は山頂までの登頂のみを目指す日帰り登山であった為、寺、廟への立ち寄りは2,3か所のみでした。

  鬱蒼とした緑、清らかな渓流の流れは日本の山の風景と全く変わりません。登山ルートも一部車道だったり、車道を跨ぐ階段道であったりしますが、日本のハイキングコースと異なり親切に頂上まできちんと道標が設置されている訳ではありません。  

   また、遊歩道として山頂まで後どのくらいの距離が残っているのか、どの位の距離を既に登って来たのかわかる表示板なども一切無かったので、この点は今後の整備などを期待したいと思います。

 南岳衡山は3年連続して願を掛けて登れば願い事が必ず叶うという霊験あらたかな霊山との話も聞いてます。これを信じて連続して何回も登る人が多い様でした。

◆主な見所 : 南岳大廟(南岳山麓)、半山亭、南大門、祝融峰(主峰・頂上)等

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