チョコレートドーナツ の作品情報
製作:2012年、アメリカ 上映時間 97分 原題: Any Day Now
監督・脚本・製作:トラヴィス・ファイン
主演:アラン・カミング (ルディ・ドナテロ役)1965年スコットランド出身、グラスゴーで演技を学んだ後、舞台・テレビで活躍。舞台俳優・映画俳優・映画監督・脚本家・執筆家など、その活動は多岐にわたる。特に有名なのが舞台『キャバレー』で、トニー賞を始め、数々の賞を受賞。映画ではゲイ・変人・オタク等の変わった役が多いが、どれも出てくるだけで主役が霞んでしまうような存在感がある。
出演:ギャレット・ディラハント(弁護士ポール役)1964年 アメリカ カリフォルニア州出身。映画「ジェシー・ジェームズの暗殺」「ノー・カントリー」に出演した07年ごろからスクリーンの仕事も増え、以降「ザ・ロード」(09)、「ウィンターズ・ボーン」(10)、「LOOPER ルーパー」(12)などに参加した。数々の映画祭で観客賞を受賞
アイザック・レイヴァ(マルコ役)自身と同じくダウン症候群をもつ少年役で出演した本編「チョコレートドーナツ」(12)で俳優としてデビューを飾る。
クリス・マルケイ
チョコレートドーナツ のあらまし
1970年代アメリカの実話をもとに製作されたドラマ映画。薬物依存症で危険薬物所持により懲役3年の刑で服役している母親に見捨てられたダウン症の少年と一緒に暮らすため、司法や周囲の偏見と闘うゲイカップルの姿を描いた人間ドラマ。
ふたりがゲイであるがゆえに法の壁に阻まれる苦悩を、テレビドラマ「グッド・ワイフ」シリーズなどアラン・カミングと、『LOOPER/ルーパー』などのギャレット・ディラハントが熱演する。
メガホンを取るのは、『17歳のカルテ』などのトラヴィス・ファイン。
1979年カリフォルニアが舞台。歌手を目指しているショーダンサーのルディ(アラン・カミング)と弁護士のポール(ギャレット・ディラハント)はショーパブで知り合って一緒に住むようになったゲイカップル。
母親に見捨てられたダウン症の少年マルコ(アイザック・レイヴァ)と偶々出会った二人は彼を保護し、一緒に暮らすうちに家族のような愛情が芽生えていく。 しかし、ルディとポールがゲイカップルだということで法律と世間の偏見に阻まれ、マルコと引き離されてしまう。
血のつながりはなくとも、少年を守るため奔走する主人公たちの純粋な無償の愛が人々の胸を打つ。しかしながら、最終的には法と当時(或は現在でもほとんど変わらないのかもしれない)の「偏見」の厚い壁に阻まれ、少年と一緒に暮らすことは阻まれてしまい、最後に少年は哀れな悲劇的な結末に導かれてしまう。
チョコレートドーナツ の見どころ
(ネタバレ注意!)
70年代ごく普通の一般人から見れば、少々ショッキングな二人の男の関係である。しかし、彼らから無償で手を差し伸べられている15歳のダウン症の少年は、薬物依存の実の母親から見捨てられ、施設に引き取られようとしていました。
知的障害を抱える為、ちびで太っちょで彼ら以外に誰も養子として引き取ろうとするものもいない状況でした。しかし主人公のルディがたまたまマルコ母子のアパートの隣人であった事を切っ掛けに心を通わせる切っ掛けとなりました。
合法的に服役中の母親から「養育の権利」を引き継ぎ、マルコもそれを喜び、彼ら二人は標準的な「親」以上に面倒をみて、マルコを順調に育てていました。しかし、「法律」と「世間の一般常識≒偏見」の壁が大きく立ちはだかることになります。結局無理やりマルコとふたりは引き離されてしまい、早期に刑務所から戻った母親に引き取られるものの、実態はやはり母親のマルコ養育の放棄に等しい状態は続き、悲劇的な結末を招いてしまう事に、すべての観客はやるせない憤りを感じると思います。そんな結果になるならば、たとえゲイのカップルの「親」でも養育を任せるべきではなかったのかと…
ゲイカップルにまともに子供を育てる事は出来ないと思う世間の「偏見」がそもそも間違っているという結論は短絡的過ぎる一方、ふと自分の立場になった場合、自分の子供が何らかの事態、理由によりゲイ夫婦に育てられようとなった場合、「よろしく頼みます」という「勇気」があるだろうかと問うてみたが、、、やはり、正直なところ、普通の男女の「両親」を探してしまうと思います。
原題は『Any Day Now』にもかかわらず、邦題が『チョコレートドーナツ」!もう少しどうにかならないか考えてもいいのではないか。内容的には結末を考えるとxxドーナツというのは誤解を招いたのではないでしょうか? 結論が余りにも哀れ過ぎました。
裁判官や州検察官にレターが送られ、マルコの末路を知らされることにより、関係者は顔を曇らせる様子が映像に表現されます。.
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