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おすすめ映画|『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』(2018/ダン・フォーゲルマン監督)ボブ・ディランの名曲に乗り、運命の赤い糸に翻弄されるヒューマンドラマ

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「ライフ・イットセルフ」の概要

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大ヒットテレビシリーズ「THIS IS US 36歳、これから」の企画・脚本・製作総指揮を担当したダン・フォーゲルマンが監督・脚本を手がけ、ボブ・ディランの数々の名曲に乗せて描くヒューマンドラマ。「スター・ウォーズ」シリーズのオスカー・アイザック、「her 世界でひとつの彼女」のオリビア・ワイルド、「マスク・オブ・ゾロ」のアントニオ・バンデラス、「20センチュリー・ウーマン」のアネット・ベニングが共演する。

ある1つの交通事故をきっかけに数奇な運命に翻弄されていく2つの家族ニューヨークとスペインを細い糸で結んで描くヒューマンドラマ。どんな運命も受け入れ、力強く前向きに生き、命を繋ぐ尊さに感銘を受ける作品。

「ライフ・イットセルフ」のネタバレ感想

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ストーリーとテーマについて

ニューヨークに暮らすウィル(オスカー・アイザック)とアビー(オリビア・ワイルド)は大学時代に知り合い、そのまま結婚し、ついには子供を授かるが、生まれてくる娘の出産を直前にして悲惨な交通事故に遭遇する。ストーリーは残された娘か、今後関連する、全く異なるスペインのオリーブ農園で働く家族と奇妙な縁が生じることから、更に発展していきます。冒頭のシーンでは車中よりフロントガラス越しに、茫然と立ち尽くし事故現場を覗き込む少年の姿が捉えられていました。

これは、アビーがバスと衝突して轢かれて亡くなるバスに偶々乗り合わせた一人の少年ロドリコは、この日スペインから両親と3人で家族旅行にニューヨーク旅行をしている時、バスの車内から事故を目撃していました。帰国後、その少年は事故を目撃してしまったトラウマが原因で、毎晩うなされて精神的に衰弱していきます。父親ハビエルの雇い主サチオーネの支援でマドリッドの医者の治療を受ける事が出来、なんとか元気を回復します。

一方、農園主のサルチオーネは父親から相続した莫大な財産を保有する大富豪です。ただし、ひとり孤独な生活をしており、幸福そうなハビエル一家を何かと面倒を見てくれていました。ハビエルはそんなサルチオーネの家族への執拗な好意を余り快く思っておらず、最終的には自ら身を引き、妻と子供を残し家出をしてしまいます。

息子コンザレスは無事に成長し、ニューヨークの大学に進学します。そこで、なんと以前自分が旅行中に遭遇した事故で母親が亡くなる直前に出産し、一命を取り留め、やはり成長していた娘ディラン(オリビア・クック)と運命的な出会いがあり、恋に落ちる事になります。

登場人物たちには幸福や不幸が次々とあざなえる縄の如くにやってきますが、それに負けることなく生命を繋いでいく喜びと逞しさが表現され、大きな感銘を与える作品となっています。

ニューヨークとスペインアンダルシア地方のオリーブ畑がいつの間にかストーリーとして繋がってくる大胆な脚本です。「真実は小説よりも奇なり」という様に、素直に納得してもいいのではないかと思いえます。

また、音楽にはボブ・ディランの曲が使用されていると聞いていましたが、流れる曲も詩も、わたしの余り聞いたことが無いディランのものばかり、少し残念なところもありました。娘の名前を母親が生前に愛していたボブ・ディランの名前をそのまま取って、「ディラン」と名付けてしまったのには少々驚きました。大体ディランは苗字なのに、名前にディランと付けることは海外ではよくあることなのでしょうか?

もう一つ不可解な点は、働き者で家族思いの父親ハビエルは農場主サルチオーネが妻に好意を寄せている事を覚り、余りにも潔く、自ら身を引くところが全く理解できません。自分が身を引けば妻も子供もずっと幸せになると勘違いしているとしか思われません。伝統的なスペイン、アンダルシア地方では雇用主・雇用人の立場の古風な考え方が未だに残っているのでしょうか? 実に不可思議です!

 

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キャラクターとキャストについて

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ダン・フォーゲルマン監督・脚本:アル・パチーノ主演作「Dearダニー 君へのうた」(15)で長編映画監督デビュー。16年には、TVシリーズ「THIS IS US 36歳、これから」で企画原案・製作総指揮を手がけ、同ドラマはエミー賞やゴールデングローブ賞などで受賞する大ヒット作となった。

オスカー・アイザック(ウィル役):グアテマラ出身。映画初主演作「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(13/ジョエル&イーサン・コーエン監督)に出演。カンヌ国際映画祭のグランプリを受賞したほか、アイザック自身も全米映画批評家協会賞の主演男優賞を受賞し、一躍有名になる。「スター・ウォーズ フォースの覚醒」(15)では、ポー・ダメロン役を演じた。

オリビア・ワイルド (アビー役):「ガール・ネクスト・ドア」(04)でスクリーンデビューと果たし、「The O.C.」「Dr.House」など人気TVシリーズで注目を集め、「トロン・レガシー」「カウボーイズ・アンド・エイリアンズ(原題)」と話題の大作映画へ立て続けに出演。「リチャード・ジュエル」にも出演。

リチャード・ジュエルの投稿記事はこちら:リチャード・ジュエル 映画 レビュー 

まとめ

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ばらばらに展開していた2つのストーリーがある瞬間ピタリと合致する瞬間が気に入った。注意深くスクリーンを見ていていれば登場人物に気が付くのだが、、、

非常に惜しいのは、妻は事故で命を失うが長女は無事出産することが出来たにも関わらず、そのショックで精神的に自分を失い、本当の娘に逢う事が出来ないまま、自ら命を絶ってしまう。このシーンはやはり相当ショックでした。

そんな苦難を乗り越えていくひとり娘の姿に人間の強さを感じる事は出来ます。

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