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おすすめ映画|『トレーニング デイ』(2001/アントワーン・フークア監督)デンゼル・ワシントン、イーサン・ホークが”タッグ”を組む刑事ドラマ

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『トレーニング デイ』のあらすじと概要

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ロサンゼルス市警の麻薬取締課に自ら希望し配属となった新人刑事ジェイク(イーサン・ホーク)は、ベテラン刑事のアロンソ(デンゼル・ワシントン)とコンビを組み、麻薬捜査のいろはを徹底的に教え込まれる。しかし、普通のバディームービーと全く異なり、二人の緊張ある関係は時間と共に深まり、越え難い深淵にぶち当たって最後に破局を迎えます。

数々の大事件を解決し、麻薬犯罪に絡むあらゆることを熟知しているカリスマ刑事アロンソは、ジェイクの手本であり憧れの存在でした。。「かよわい子羊でいるのか。獰猛な狼になるのか。それを選べ!それが嫌なら交通取締課に戻れ」と忠告するアロンソは、犯罪摘発のためにはいともたやすく自ら法を犯します。ジェイクはアロンソの”刑事の領域”を逸脱した行動に、徐々に我慢の限界を超える様になっていきます。アロンソの行動は刑事として許容範囲を遥かに超えてエスカレートしていきます……。

ワシントンは本作でアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。

『トレーニング デイ』のスタッフとキャストについて

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アントワーン・フークア監督:1998年に香港映画の大スター チョウ・ユンファ(周潤发)主演のアクション映画『リプレイスメント・キラー』で映画監督としてデビュー。

デンゼル・ワシントン:1989年、『グローリー』で、アカデミー助演男優賞を受賞。アカデミー主演男優賞に最も近い黒人俳優として、その日はいつかと期待されていたが、遂に2002年本作品『トレーニング デイ』で、アフリカ系アメリカ人ではシドニー・ポワチエに続いて2人目となるアカデミー主演男優賞を受賞した。今回は汚れ役に徹してオスカー獲得!

イーサン・ホーク:2001年公開の『チェルシーホテル』で映画監督デビューを果たした。同年公開の本作品『トレーニング デイ』でアカデミー助演男優賞にノミネートされた。

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『トレーニング デイ』のネタバレ感想

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ネタバレご注意!

本作品のストーリーは衝撃的な内容です。信頼のおける刑事が麻薬仲介人だという理由で、打ち殺してしまい、隠し持っていた金の一部を自分の配下の捜査官と皆で横取りしてしまうという不法行為を新米刑事ジェイクの前で堂々とやり遂げる。ジェイクは良心の呵責に苛まれ、上司のアロンソの指示には従えず、金を受け取ろうとしないし、麻薬バイヤーを殺す事も出来ない。

ラストではアロンソは自分達の行動の一部始終を知るジェイクが邪魔になり、彼の“処分”を自分達への情報提供者一味の黒人グループの手に委ねるが、ひょっとした切っ掛けが縁で危機一髪命拾いします。

怒り心頭に達したジェイクはアロンソへの仕返しをする為、彼の愛人宅を訪れ二人の激闘が開始されますが、中々勝負が付かない。

最後に、アロンソはロシアマフィアの手によって最期を遂げる。

麻薬捜査官と言えばフランスでも映画『レオン』でも取り上げられていますが、麻薬グループの犯人以上にたちの悪い刑事(スタン刑事)の存在というのは必要悪なのかも知れません。『トレーニングデイ』のアロンソは犯罪捜査では確かに腕利きで、刑事としてはかなり優秀そうですが、人間性という点から見れば、ほぼ0点で人間のゴミの様な人格なのではないかと思われます。

こんな上司に、犯人から奪った金の一部なみんなで山分けしてしまえ、生かしておいても価値のない人間は殺してしまえという倫理観は全く理解出来ないのですが、、、

デンゼル・ワシントンの名演技で、この人非人である刑事を常時落ち着いた、自信たっぷりの態度で、また、自分達の行動は100%正しいという価値判断に基づき、行動するところはやはり、アカデミー賞主演男優賞受賞に相応しい名演技と頷けるもの。但し、彼なりにこの汚れ役を演じるにあたり心の葛藤はあった様に思われます。そうまでして、獲得したオスカー!この価値は非常に重い!

最後に

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本作の脚本家、デヴィッド・エアーは、少年期から黒人系とメキシコ系ギャングが生活する、ロサンゼルスのサウスセントラルに住んでいたそうだ。自然とギャングたちと仲良くなっていたエアーは、彼らから「警官が俺たちから搾取している」と聞き、警察の汚職とギャング・バイオレンスについての脚本を書こうと決ていたそうだ。

エアーは、アメリカ海軍を除隊した後ロサンゼルスに戻り、この『トレーニング デイ』の脚本を仕上げましたが、脚本を読んでも誰も信じず、映画製作に踏み切って貰えなかったという。1997年頃からロスのランパート署絡みで起きた事件が徐々に明らかになり、1998年には、ノートリアス・B.I.G.殺人事件など多くの事件に関与の疑惑があるラファエル・ペレス警官が逮捕され、疑惑のランパート署の悪事の全貌が明らかになりました。そこからデヴィッド・エアーの脚本への風向きが変わり、大手ワーナー・ブラザーズが製作に踏み切ったという経緯があったようです。「事実は小説より奇なり」を地で行くドラマが漸く陽の目を見る事ができました。

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