『未来を花束にして』のあらすじと概要
実話をもとに、1910年代のイギリスで参政権を求めた女性たちの姿をキャリー・マリガン主演で描いた感動のヒューマンドラマ。
1912年、イギリス・ロンドン。幼い頃から、劣悪な環境の洗濯工場で働く24歳のモード（マリガン）は、同じ工場で働く同僚の夫と幼い息子の3人で暮らしていた。ある日、ひょんなことから、女性参政権運動活動家である友人に代わって公聴会で証言し、「今とは異なる生き方があるのでは？」という疑問を持つようになる。それがきっかけとなり、モードはWSPU（女性社会政治同盟）のリーダーであるエメリン・パンクハースト（メリル・ストリーブ）の演説を聞き、デモにも参加するようになります。
そこに、アイルランドでテロ対策に辣腕をふるったスティード警部（ブレンダン・グリーソン）がロンドンへ赴任してきます。彼は歴史上初となるカメラによる市民監視システムを導入し、その時は無関係だったモードもターゲットの1人として認識されてしまうことになります。
しかし、女性の政治活動を不満に思う男性も多く、夫からは家を追い出され、息子と会うことも禁じられ、さらに工場長からもクビを宣告されてしまいます。マリガンが主人公モードを演じ、実在の人物エメリン・パンクハースト役のメリル・ストリープのほか、ベン・ウィショー、ヘレナ・ボナム＝カーターが出演します。
2015年製作／106分／イギリス
原題：Suffragette
『未来を花束にして』のスタッフとキャストについて
サラ・ガブロン監督：1970年、ロンドン生まれ。ロンドンの英国国立映画テレビ学校在学中から多くの短編作品を手がけ、数々の国際的な賞を獲得する。TV映画「This Little Life」（03）でBAFTA（英国アカデミー賞）賞TV部門の最優秀新人監督賞を受賞している。テレビ・ドキュメンタリー出身で、サンダンス映画祭で「目が離せない10人の監督」に選ばれた。
「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」のアビ・モーガンが脚本をつとめた。
キャリー・マリガン（主演 モード・ワッツ）：映画出演4作目にして主演を務めた「17歳の肖像」（09）でBAFTA主演女優賞を受賞、アカデミー賞にもノミネートされ、一躍注目を集めた。以降「わたしを離さないで」（10）や「華麗なるギャツビー」「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」（ともに13）などの話題作でヒロインを演じる。
24歳のモードが女性社会政治同盟のリーダー・エメリンたちに感化されて参政権運動に身を投じていくさまがつづられていく。
主な出演作品投稿記事：
映画感想｜『華麗なるギャッツビー』（２０１３／バズ・ラーマン監督）レオナルド・ディカプリオ／キャリー・マリガン共演
ヘレナ・ボナム・カーター（イーディス・エリン）：マリガン演じる主人公モードを導く運動グループの中心人物
出演作：映画感想｜『天才スピヴェット』（２０１３／ジャン＝ピエール・ジュネ監督）10歳の天才少年スピヴェットが企てた壮大な家出！
映画感想｜『ファイト・クラブ』(１９９９／デヴィット・フィンチャー監督）チャック・パラニュークの同名小説の映画化
ブレンダン・グリーソン（アーサー・スティード警部）：ハリー・ポッターシリーズに出演。
『未来を花束にして』のネタバレ感想
か弱い一人の女性が徐々に強い意思を持ち、婦人参政権活動の運動の先頭に立つまでの変化と心の葛藤の描写が非常に優れています。自分の子供を里子に出され、手元から奪い去られてしまう場面がやはり世の中の理不尽を象徴していました。
彼女たちが行った郵便ポスト、電話線或は政治家ロイド・ジョージの別荘の破壊活動が、決して正しい行為とは思えませんが、そうやって自分達の存在感をアピールして行かざるを得なかった時代だったと思われます。
そういった過去の多くの犠牲や先達の方々の献身によって婦人参政権が獲得された事実を再認識することは非常に重要な事です。
「おかしい」と思えることをはっきり声に出し、異議を唱え、正しい方向に変えていく努力をする事がやはり重要であることを、この映画を見て強く感じさせられました！
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