『ウーマン・イン・ザ・ウインドー』のあらすじと概要
「つぐない」「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」のジョー・ライト監督が、エイミー・アダムス、ゲイリー・オールドマン、ジュリアン・ムーアら豪華実力派キャストを迎えて描いたサスペンススリラー。
A・J・フィンの同名小説…全世界100万部突破、を原作に、広場恐怖症を抱えた主人公が、隣家で起こった恐ろしい出来事を目撃したことをきっかけに、不可解な出来事に翻弄されていく姿を描きます。
“サスペンスの帝王”と称されたアルフレッド・ヒッチコック監督作品へのオマージュを感じ、60年以上も前の傑作「裏窓」を想起させられる映画となっています。
広場恐怖症のため外に出られない心理学者のアナ・フォックス(エイミー・アダムズ)は、夫と娘と生活を別にして、ニューヨークの高級住宅地の屋敷に十カ月もひとりこもって暮らしていました。また、大量の薬を服用し、アルコールに浸っている彼女の慰めは古い映画とアルコール、そして窓から隣近所を覗き見ることでした。
向かいの家に越してきたジェーン(ジュリアン・ムーア)と知り合った彼女は、ジェーンと夫アリステア(ゲイリー・オールドマン)の生活を覗き見るようになる。ある日、ジェーンが恐ろしい暴力に遭遇している場面を目撃したアナは警察に通報するが、アリステアは何も起きていないと主張。警察も、病を抱えるアナの言うことを信じてくれません。さらに、ジェーンを名乗る別の女性も現れることから、アナは自分自身が信じられなくなっていきます…
『ウーマン・イン・ザ・ウインドー』のスタッフとキャストについて
ジョー・ライト監督:ジェーン・オースティン原作の「プライドと偏見」(05)で長編映画監督デビューし、続く「つぐない」(07)はBAFTA作品賞を受賞、アカデミー賞では作品賞を含む7部門にノミネートされた。
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エイミー・アダムズ(アナ・フォックス):1974年生まれ、イタリア/ベネト州出身。当初はTVドラマ中心に出演していたが「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(02)でレオナルド・ディカプリオと共演して注目され、「ジューンバッグ(原題)」(05)でアカデミー賞助演女優賞に初ノミネートされて以来、アカデミー賞に5度ノミネートされている実力派女優。
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ジュリアン・ムーア(ジェーン):02年度には「エデンより彼方に」で主演女優賞、「めぐりあう時間たち」で助演賞と2部門で同時ノミネートされた。前者ではベネチア国際映画祭の女優賞、後者ではベルリン国際映画祭で共演のメリル・ストリープとニコール・キッドマンとともに銀熊賞(女優賞)を受賞している
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ゲイリー・オールドマン(アリステア):リュック・ベッソン監督の「レオン」(94)や「フィフス・エレメント」(97)では悪役で個性を発揮。「ハリー・ポッター」シリーズ(04~11)のシリウス・ブラック役や、「ダークナイト」3部作(05~12)のジム・ゴードン役を好演。
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『ウーマン・イン・ザ・ウインドー』のネタバレ感想
【ネタバレ有り】
主人公アンは自分の自動車の運転操作の不注意で家族を死なせてしまうという悲劇に見舞われます。その結果、精神的に病み、広場恐怖症という病気に掛かってしまいます。家から一歩も外に出られない為、引きこもり生活を余儀なくされていました。
アンは心理学者であり元々小児専門カンセラーでした。この職業も重要な伏線になっていました。ネタバレになりますが、突然引っ越しの挨拶に来た15歳の少年イーサンの屈折した心は読み通すことが出来なかったようです。それと大量の安定剤を常用している事から、アンは幻想を見たのではないかと誰もが思ってしまいます。途中からはアン自身も実は幻覚だったのではないかと思い始めます。また、イーサンの父親役ゲイリー・オールドマンも家庭内暴力を振るっているシーンを何度も見せられたことから、みんなの嫌疑は彼に集中したのではないでしょうか。「レオン」の悪役という固定観念はなかなか抜けるものではありません。
まったく予想もしなかった真犯人に、わたしはすっかり騙されてしまいました。アンの粘り強さにも大変恐れ入りました。恐怖心で足も手もすくんでしまいそうな場面で、犯人に対して、とても抵抗出来ないような極限の場面で激しい抵抗を見せます。そして見事に撃退してしまいます。思わずエイミー・アダムズに拍手喝采、女性の秘めた強靭さに心底圧倒されるシーンに驚き!
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