『わたしに会うまでの1600キロ』のあらすじと概要
人生の再出発のため1600キロに及ぶパシフィック・クレスト・トレイル(PCT)を踏破した実在の女性シェリル・ストレイドの自叙伝を、オスカー女優のリース・ウィザースプーンが製作・主演、「ダラス・バイヤーズクラブ」のジャン=マルク・バレ監督がメガホンをとって映画化したドラマ。脚本は「ハイ・フィデリティ」「アバウト・ア・ボーイ」のニック・ホーンビィ。
母の死に耐え切れず、優しい夫を裏切り薬と男に溺れて結婚生活を破綻させたシェリルは、母が誇りに思ってくれていた自分を取り戻すため、人生を一からやり直すために1600キロ踏破の旅に出る。極寒の雪山や酷暑の砂漠に行く手を阻まれ、命の危険にさらされながらも、その過酷な道程の中でシェリルは自分と向き合っていく。
第87回アカデミー賞でウィザースプーンが主演女優賞に、ローラ・ダーンが助演女優賞にノミネートされました。
パシフィック・クレスト・トレイル(Pacific Crest Trail、略称PCT):アメリカ=メキシコ国境からアメリカ=カナダ国境まで、アメリカ西海岸を南北に縦走する。 総延長距離は2,650 mi (4,260 km)にも及ぶ長距離自然歩道。
原題:WILD
『わたしに会うまでの1600キロ』のスタッフとキャストについて
ジャン=マルク・バレ監督:カナダ・モントリオール出身。エイズ治療薬をめぐる実話をもとにした「ダラス・バイヤーズクラブ」(13)では、大幅に減量して役に挑んだ主演マシュー・マコノヒーと助演ジャレッド・レトに数々の賞をもたらす。同作ではアカデミー監督賞ノミネートは逃したが、ジョン・マック・マクマーフィの名義でマーティン・ペンサとともに編集賞の候補になった。
監督作品投稿記事:
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リース・ウィザースプーン(シェリル・ストレイド):1976年生まれ、米国ニューオリンズ出身。「カラー・オブ・ハート」(98)や「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ」(99)などに出演し、01年の「キューティー・ブロンド」と02年の「メラニーは行く!」が連続して大ヒットを記録しスター女優となる。見事な歌声を披露した「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」(05)で、アカデミー主演女優賞、ゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル)などを受賞。
ボロボロになった自分を奮い立たせる為、主人公シェリルは自分を変えたい、変わりたいと奮起します。そのために自らに課した試練は、アメリカ西海岸に伸びる過酷な山道と砂漠の踏破だった。山歩きの経験も知識もないシェリル、単独行でやり遂げます。
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ローラ・ダーン(ボビー):近年の主な出演作に「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」(17)、TVシリーズ「ツイン・ピークス The Return」(17)、「ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏」(18)、「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」(19)など。Netflix映画「マリッジ・ストーリー」(19)では、主人公ニコールをサポートする女性弁護士を演じ、アカデミー助演女優賞を受賞した。
ボビーはどんなにつらい境遇でも、常に前向きで、人生の明るい面を見ていました。子育てが一段落したボビーは大学に入学し、娘と同じ大学に通います。第二の人生を楽しもうとしていましたが、45歳の若さで、がんで亡くなってしまいました。
出演作投稿記事:
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『わたしに会うまでの1600キロ』のネタバレ感想
【ネタバレ有り】
1600㌔、94日間という気も遠くなる過酷な”旅”に出ますが、彼女は以前に登山や長距離ウォーク、キャンプの経験も一切無かったにも関わらず、見事にやり遂げてしまいます。今までの自分と決別する為に旅に出る人は少なくないと思いますが、何をここまで過酷な思いをしなくても良いのにと思ってしまいます。
本作品は単純に”旅”をするものではなく、映像の半分以上が過去の思い出のフラッシュバック映像になっています。それらにより、なぜ、ストレイドが旅に出ざるを得なかったのか、その理由を視聴者は次第に理解していくことになります。更に、彼女は途中で絶対に諦めることはありません。数々の試練が降り掛かります(燃料を間違えてガスバーナーが使用不能になる、シューズのサイズが合わず途中で谷底に投げ捨てる、給水タンクに水が残っていない等)これらの困難を強靭な精神力で難なくクリアして行きます。常に前向きに一歩一歩踏みしめて行くのですが、それらは、ちょっと間違えば無謀な冒険とも思われ、一歩間違えば命取りになりかねない”冒険”に思われました…
彼女の心の中に、大きく変化したものがあるに違いありません。しかし、それは体験した本人しか本当は感じることが出来ないのかも知れません!
アメリカにはこんなにもスケールが大きく、雄大な景観の総延長距離4,260 kmにも及び自然歩道があり、現在も旅を続けている人々がいることを初めて知りました。本当びっくり仰天です!
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