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おすすめ映画『ブラック・クランズマン』(2018/スパイク・リー監督)感想‣警察と白人至上主義団体の戦いを笑いとスリルで描いた社会派刑事アクション

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『ブラック・クランズマン』のあらすじと概要

Free-PhotosによるPixabayからの画像

黒人でありながら白人至上主義の過激派団体KKKを潜入捜査するという困難なミッションに挑んだ元刑事ロン・ストールワースによる回顧録「ブラック・クランズマン」を、「マルコムX」のスパイク・リー監督が映画化。

1979年、コロラド州コロラドスプリングスの警察署で、初の黒人刑事として採用されたロン・ストールワース(ジョン・デビッド・ワシントン)。署内の白人刑事たちから冷遇されながらも捜査に燃えるロンは、新聞広告に掲載されていた白人至上主義団体KKKのメンバー募集に勢いで電話をかけ、黒人差別発言を繰り返して入団の面接にまで漕ぎ着けてしまいます。

しかし黒人であるロンはKKKと対面できないため、同僚のユダヤ系刑事フリップ(アダム・ドライバー)に協力してもらうことに。電話はロン、対面はフリップが担当して2人で1人の人物を演じるという信じられない手法で、KKKの潜入捜査を進めていきますが……。

白人訛りを見事に使いこなすロンと、現場でのトラブルにも全く動じないフリップの演技は優秀で、KKK支部長ウォルターや全国指導者デビッド・デュークからも信頼を得て、次期支部長に推挙されるまでになります。過激派支部員のフェリックスだけが、新入りのロンに懐疑的な目を向け続け、ロンの正体を暴こうとします。

主人公ロンを名優デンゼル・ワシントンの実子ジョン・デビッド・ワシントン、相棒フリップを「スター・ウォーズ」シリーズのアダム・ドライバーが演じています。

第71回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。第91回アカデミー賞では作品、監督など6部門にノミネートされ、脚色賞を受賞しています。

2018年製作/135分/G/アメリカ
原題:BlacKkKlansman

ロッテントマト批評家支持率:96%

『ブラック・クランズマン』のスタッフとキャストについて

Hans BraxmeierによるPixabayからの画像

スパイク・リー監督:出身地アトランタの大学とニューヨークのニューヨーク大学映画学科で映画制作を学び、在学中からジャーナリスティックな短編や中編で頭角を現す。1986年、「シーズ・ガッタ・ハヴ・イット」の商業的なヒットをきっかけに大手スタジオからオファーがかかるようになる。

ジョン・デビッド・ワシントン(ロン・ストールワース):父は俳優のデンゼル・ワシントン。9歳の時に、父デンゼル主演のスパイク・リー監督作「マルコムX」(92)に端役で出演する。アフロヘア―が似合う。

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アダム・ドライバー(フリップ・ジマ―マン):11年の「J・エドガー」で長編映画に初出演後、12年に始まった人気TVシリーズ「Girls ガールズ」でレナ・ダナム演じる主人公の相手役を演じ米国内で徐々に知られるようになる。15年から始まった「スター・ウォーズ」の3部作ではカイロ・レン役に抜てきされ、世界的に名を知られるようになる。

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ローラ・ハリアー(パトリス):米シカゴ出身。17歳でファッションモデルとしての活動を始める。2014年に、オフブロードウェイで大ヒットを記録したミュージカルを映画化した「ラスト5イヤーズ」でスクリーンデビューを果たす。その他、ルイ・ヴィトンやブルガリの広告塔も務めている。

アフロフアーが似合っていました。

ポール・ウォルター・ハウザー(アイヴァンホー/KKK構成員)過激な集団の中で、少し息の抜ける感じの人物が存在していました。

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『ブラック・クランズマン』のネタバレ感想

mjthomas1によるPixabayからの画像

米国国内の人種差別という歴史が長く、根深く重たい社会問題を取り上げている映画です。スパイク・リー監督により、人種差別は良くない、止めようという主張の軸はまったくぶれませんが、それに加え映画にエンターテインメント性を持たせ、観客も見て楽しく、生命に関わる危険な潜入捜査の現場では、臨場感たっぷりのハラハラドキドキの見せ場もあり、更に恋愛も花咲く映画に仕上げている技量は本当にお見事です。

KKKに新規加入をする為、黒人であることを隠し電話で応募し、ロン・ストールワースは差別発言をまくし立て、面接まで漕ぎつけます。任務の為口先だけとは言うものの、心情的にそんなことが簡単に口から出まかせでもスラスラ出てくるものなのか、さすがにこれには少し驚きました。

一方、フリップ・ジマ―マンもユダヤ人であるにもかかわらず、正式な入会審査で、自分はユダヤ人では無いときっぱり否定し、ユダヤ人の罵詈雑言をぶつけるシーンにも驚きました。(白人至上主義団体はユダヤ人も差別することを知りませんでした)その前にも嘘発見器に掛けられそうになったり、数々のピンチがありますが、常に落ち着いた対応で冷静に切り抜けて行く演技は(演技とは言え)大変な緊迫感があり見応え十分でした。

 

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