『ヴォイス・オブ・ラブ』のあらすじと概要
アルバム総売上2億5000万枚を超え、グラミー賞を5回受賞、映画「タイタニック」の主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」などで知られる音楽史上最も人気のあるアーティストの一人、世界的歌姫セリーヌ・ディオンの半生をモチーフに描いた音楽映画です。
1960年代、カナダ。ケベック州に暮らす音楽好きな一家の14人目の末っ子アリーヌは、5歳の時に人前で歌いはじめ、その並外れた歌唱力で町の話題を集める。やがてアリーヌは歌手を夢見るようになり、母は娘の夢をかなえるため地元の有名音楽、後に夫となるプロデューサー、ギィ=クロードにデモテープを送ります。
彼の尽力で12歳にしてデビューを果たしたアリーヌは、すぐに天才少女としてもてはやされるように。しかしギィ=クロードは彼女を世界的な大歌手にするため数年間の活動停止を決め、英語の特訓やダンスの授業、八重歯の矯正などに専念させる。そしてついに、世紀の歌姫への階段を駆けあがる旅が始まります。それはアリーヌとギィ=クロードにとって、真実の愛と出会う旅でもありました。
セリーヌ・ディオンの楽曲は、今回世界中から集まった50人の歌手から選ばれたフランスで活躍中の歌手ヴィクトリア・シオが絶妙にカバーしています。
映画監督としても活躍するフランスの女優バレリー・ルメルシエが監督・脚本・主演を務め、セリーヌ・ディオンの軌跡をフィクションも含め忠実に再現しています。
製作費は恋愛映画としては破格のなんと30億円、日本でもヒットを記録した名作「最強のふたり」の仏ゴーモン社が製作を担い、総力を上げて映像化されています。作品中にふんだんに登場する多くの迫真のライブパフォーマンスや豪華な舞台、そしてきらびやかな衣装の数々に費やし、目も心も耳も全五感を楽しませてくれる極上の映像世界が創出され、とても豊かな気分に浸る事ができる作品です。
➢おすすめ映画|『THE UPSIDE/最強のふたり』(2019/ニール・バーガー監督
英題『Aline the VOICE of love』
『ヴォイス・オブ・ラブ』のスタッフとキャストについて
ヴァレリー・ルメルシエ(ディオンをモデルにしたアリーヌ・デュー役)主演・監督・脚本:フランス国内で1,300万⼈の動員記録を誇ったコメディ映画『おかしなおかしな訪問者』(93)の演技でセザール賞助演⼥優賞。テレビ・舞台・映画のどの分野でも活躍するフランスを代表するマルチ・タレントの⼀⼈/12才以降50才まで、劇中のあらゆる年代のアリーヌをルメルシエがたった1人で演じ上げているところは驚きです。
シルヴァン・マルセル(ギィ=クロード):1964年生まれのカナダの俳優/優秀な音楽プロデューサー、12才の彼女の音楽的才能を即座に見抜き、大歌手に育てあげて行く手腕は見事。後に26歳の年の差を乗り越えアリーヌと結婚し、彼女を支え幸福な結婚生活を送る。
ダニエル・フィショウ(アリーヌの母親):カナダの⼥優として多くのドラマや映画に出演、俳優養成所を設立している/14人もの子供を産み育てた肝っ玉お母さん。子供らへの愛情に溢れている。
『ヴォイス・オブ・ラブ』のネタバレ感想
ネタバレ有り。
カナダ・ケベック州の一般家庭で、14人兄弟の末っ子に生まれたアリーヌは特別な歌唱力がありました。愛情溢れる両親や兄弟に囲まれ育った様子が微笑ましく描かれています。12才で当然の様に歌手デビューを果たしますが、その時、将来の夫となる音楽プロデューサー・ギィ=クロードと運命的な出会いを果たしています。
多くの視聴者は「波乱万丈」の人生を”期待”しているかもしれませんが、アリーヌの人生は順風満帆そのものの様な気がします。ずば抜けた才能の芽は、本領を思う存分発揮して大木に育ったストーリー展開は圧巻そのものです。強いて言えば26歳の年の差婚を母親は面白く思っていなかった事はありますが、時間が過ぎてしまえば大した問題ではありませんでした。また、二人にはなかなか子供が授からず苦労していましたが、暫く時間が経過すると3人もの子供に恵まれる事になります。
どんなに成功して大スターになろうと、歌を聞きに来てくれる観客に喜んでもらう、楽しんでもらう事をアリーヌがいつも大事にしている事が描かれていました。
また、びっくり仰天した「婚約指輪」(アリーヌが大好きなチョコレートアイスを食べているとアイスの中から指輪)を発見するシーンがありました。こんな素敵な方法は思いもつきませんが、後で解説を読んだらフィクションだと説明がありました(ちょっと残念!)
12才でギィ=クロードと初めて面会した時、アリーヌは母親の大きな靴を履いていましたが、もしかするとこれは事実かも知れません!? 色々散りばめられているちょっとしたエピソードの数々、素朴なアリーヌの一面を良く表現しているのも見どころの一つでは…
何度もあるステージのシーンでは、ヴァレリー・ルメルシエ自身が歌っているのかと思いましたが、これはヴィクトリア・シオが絶妙にカバーしていた様です。これら素晴らしい楽曲の数々、大迫力の歌唱シーンには思わず引き込まれてしまいます。
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