『サウスポー』のあらすじ概要
「トレーニング デイ」などを手がけたアントワン・フークア監督が、ボクシング元世界チャンピオンの再起と家族の絆を描いたジェイク・ギレンホール主演の熱血スポーツドラマ。
ニューヨーク、ヘルズ・キッチンの養護施設出身、怒りをエネルギーに相手を倒すというスタイルでボクシング、ライト・ヘビー級世界チャンピオンにまで上り詰めたビリー・ホープ。しかし、自身が起こした乱闘騒ぎの結果、最愛の妻を死なせてしまい、この事件が原因でボクシングに身が入らなくなったビリーは無残に敗れ続け、しまいには自暴自棄になり自殺未遂まで引き起こしてしまいます。さらにはボクサーライセンスまで剥奪されてしまい、住む家まで失う事になり、ついには最愛の娘とも引き離されてしまうことになります。失意のどん底にあったビリーでしたが、過去に自身を苦しめた対戦相手のトレーナー・ディックの下町のボクシングジムを訪れ、かつてのプライドを捨て去り、過去の自分と向き合いながら、再びリングへ上がる道を模索していきます。
本作出演のため、6カ月におよぶトレーニングにより見事なボクサー体型を作り上げたギレンホールが主人公を演じ、フォレスト・ウィテカー、レイチェル・マクアダムスらが共演します。
原題:Southpaw
『サウスポー』のスタッフとキャストについて
アントワン・フークア監督:ミュージック・ビデオの監督となり、プリンスやアッシャー、クーリオ、スティーヴィー・ワンダーなどのミュージック・ビデオを手がけている。何と監督自身も元ボクサー。
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ジェイク・ギレンホール(ビリー・“ザ・グレート”・ホープ):映像専門パパラッチを演じた「ナイトクローラー」(14)では14キロ減量、ボクサーを演じた本作品「サウスポー」(15)では21キロ増量するなど、徹底した役づくりにも定評がある。
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レイチェル・マクアダムズ(モーリーン・ホープ):カナダ・オンタリオ州出身。
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フォレスト・ウィテカー(ボクシング・トレーナー/ティック・ウィルズ):。06年、「ラストキング・オブ・スコットランド」でウガンダの独裁者イディ・アミンを演じ、アカデミー賞をはじめ各映画賞で主演男優賞を総なめにした。
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『サウスポー』のネタバレ感想
ネタバレ有りご注意!
ギレンホールは本作品撮影開始前に、毎日2回、休みなしで6ヶ月間トレーニングを続けた結果、スタントなしでボクシングシーンを演じたという情報がありました。すっかり鍛え込まれた筋骨隆々のボクシング体形には惚れ惚れしますが、6か月で21㌔の減量に成功し、ここまで仕上げるというのも素晴らしい。恐らくもともとある程度基礎体力は鍛えられていたものと思われますが…フークワ監督も一緒に汗を流したというも、映画作りの凄まじい執念が感じられます。それにしても全シーン、プロのボクサー相手に、スタント無しの撮影とは驚きでした。さらにギレンホールの形相がとてつもなく恐ろしいのでびっくり仰天しました。
突発短気で余り自制が効かないという少し残念な性格ですが、妻と子供の温かい愛に囲まれながら、無類の世界チャンピオンに上り詰めます。ほんの少しの油断があったのか、最愛の妻を亡くしてから、急転直下どん底の暮らしに逆戻りするペースの早さには驚かされました。何もかも亡くした元世界チャンピオンの復活劇ですが、人生の指南役となった名トレーナーとの運命的な出会いは、人生の分岐点だった事が良く分かります。
最終ラウンド、判定に持ち込まれた勝負の結果は最終ラウンドのダウンシーンで既に勝敗は明瞭でした。それでもビリー・ホープの勝利を100%確信していた誰もが、最終結果を待つ間ハラハラドキドキさせられた演出は本当に見事!
なお、序盤30分早々に残念ながら姿を消してしまうレイチェル・マクアダムズの魅力溢れる演技も実に素晴らしかったと思います。その後、映画の中での「喪失感」から立ち直るには私も相当な時間を要しました。また、愛娘レイラからのきつい一言「ママの代わりに、パパが死ねばよかった…」これには本当に凍り付きますね!
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