映画『シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声』のあらすじ・概要
「フル・モンティ」のピーター・カッタネオ監督が、英BBCの人気テレビ番組「The Choir」でも特集された“軍人の妻”合唱団の実話を、基に描いた見る人全員をハッピーにするハートフルヒューマンドラマに仕上げました。
愛する夫を戦地へ送り出し、無事を願いながらイギリス軍基地で暮らす女性たち。イギリス軍兵士としてアフガニスタンに派遣された配偶者たちは、半年間は帰ってこないという。戦場から悪い知らせが届かないことを祈ることしかできない毎日の中、互いに支え合って苦難を乗り越えるため合唱団を結成します。
年長者のケイトやアクティブなリサが中心となり、メンバーの心と歌声は徐々にまとまっていきます。しかし、ケイトとリサは方針の違いで衝突を繰り返すばかりだったり、とても美しい声を持っているのに人前で歌うことができないひと、音程をまったく無視して歌い出すひとなど、多くの問題を抱えていました。
しかしながら、心情を吐露するように共に歌い続けるうちに、同じ気持ちを持つ仲間として互いを認めあう様に纏まって行きます。そして心が一つになっていくにつれ、次第に美しい歌声を響かせるように大きな変化が現れて行きます。
そんなある日、彼女たちのもとに大規模な戦没者追悼イベントへの招待状が届きます。これは、エリザベス女王らイギリス王室も臨席する国家的な行事で、全世界でテレビ中継もされるビッグイベントからのオファーが飛び込んで来ます。しかし、そこに心配されていた最悪の知らせが戦場から舞い込みます…
ケイト役に「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマス。1980年代を中心とする人気ポップソングの数々や、実際の合唱団メンバーの手紙から作られた楽曲など、劇中で歌われる曲が女性たちの心情を表現する。
なお、劇中で合唱団が歌うのは、監督をはじめ製作チームが探しに探し、検討を重ねた結果選んだ80年代を中心とした有名ポップ・ソングの数々だそうです。(わたし個人的にほとんど知らない曲ばかりでしたが、軍人の妻たちの心情を吐露した歌詞に注目です)
2019年製作/112分/イギリス
原題:Military Wives
映画『シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声』のスタッフとキャストについて
ピーター・カッタネオ監督:大ヒットコメディ『フル・モンティ』(97)でアカデミー賞®監督賞にノミネートされ、『DEAR ROSIE(原題)』では最優秀短編映画賞にノミネートされたています。
クリスティン・スコット・トーマス(大佐の妻・ケイト):ハリウッドの「ミッション:インポッシブル」(96)にも出演。「イングリッシュ・ペイシェント」(96)ではアカデミー賞、ゴールデングローブ賞などで主演女優賞にノミネートされた。以降、実力派女優として「モンタナの風に抱かれて」(98)
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シャロン・ホーガン(女性達のまとめ役・リサ):アイルランド出身。
映画『シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声』のネタバレ感想
戦場に夫を送り出した妻たちの不安が一杯の心情がひしひしと伝わってきました。一度戦地に赴くと半年間も帰りの日々を待ちわびる事になります。小さな子供、あるいは年頃の娘を抱えるそれぞれ異なる家庭環境も描かれていました。
軍事基地内という特殊な環境内で心を平静に保ち生活するというのも大変な気がしました。その意味では本作品で描かれている「合唱団」の意義は本当に大きいのだろうと感じました。オリジナル曲をエリザベス女王らイギリス王室も臨席する国家的な行事である戦没者追悼イベントで披露する様子が描かれれています。その歌詞の内容はズバリ戦地に着いた夫たちの『遺書』(詳しく語られていませんでしたが、多分、戦地に出陣前に『遺書』を妻や家族に書き残して行くのだと思います。まさに真実を吐露した心の叫びであると思います)の一部を、転用していました。ポピュラーな名曲を歌い、美しい歌声を轟かせるのもいいですが、このオリジナル曲の歌詞には正直驚きました。
大佐の妻ケイトと女性達のまとめ役リサとの対立がかなり目立ち過ぎで、多分に演出効果があるものと思われました。しかし、実際の『軍人の妻』は、やはり戦地に夫らを送り出している心情、不安、重圧感などは一般人の常識を遥かに超えていると思うと、実際、妻たちの感情の吐露の激しさ深さは映像の中の内容どころでの騒ぎではないのかもしれません。(あくまでも想像ですが…)
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