>

おすすめ映画感想『バルカン超特急』(1938/アルフレッド・ヒッチコック監督)‣ユーモアとサスペンスに溢れる、ヒッチコックのイギリス時代の傑作

スポンサーリンク
絶対見逃せない映画 おすすめ
スポンサーリンク

『バルカン超特急』のあらすじ概要

列車という密室を舞台に、主人公の男女が孤立無援に陥る心理サスペンス。欧州の架空の国バンドリカの山奥からロンドン行きの列車に乗り込んだアイリスは、ミス・フロイという老夫人と知り合います。しかし一眠りしたあと気がつくと彼女の姿がこつ然と消え失せ、乗客のみんなが存在を否定します。魔術師や尼層、脳外科医など疑わしい連中ばかりの四面楚歌の状況下、1人の青年ギルバートと共に彼女の捜索を始めますが……。イギリス時代を代表するヒッチコックの傑作の一つで、公開当時批評家たちから絶賛を浴びた作品だという。

1938年製作/97分/イギリス
原題:The Lady Vanishes

『バルカン超特急』のスタッフとキャストについて

アルフレッド・ヒッチコック監督:イギリスの映画監督。映画史上最も影響力のある映画監督のひとりと見なされています。ほとんどの作品がサスペンス映画やスリラー映画であり、革新的な映画技法や独自の作風を使用し、「サスペンスの巨匠(Master of Suspense)」や「スリラーの神様」と呼ばれた。

本作のエンディング近くシーン、ヴィクトリア駅で、黒のコートをまとってタバコをふかしながら通り過ぎる場面に登場。

マーガレット・ロックウッド(アイリス・ヘンダーソン、結婚を間近に控えたアメリカ富豪の娘):1940年代、ゲインズバラ・ピクチャーズを代表するスター女優として活躍しました。

マイケル・レッドグレイヴ(ギルバート クラリネット奏者):列車車内で孤立無援のアイリスを手助けし、消えたフロイ夫人探しに加勢する。イギリス・ブリストル出身の俳優

メイ・ウィッティ(ミス・フロイ):リヴァプール出身のイングランドの女優。

『バルカン超特急』のネタバレ感想・見どころ

ネタバレ有り

サスペンス映画という緊張した中に、ユーモアと笑いが散りばめられた作品です。最初はずかずかと若い女性アイリスの眠る部屋に、遠慮会釈なく勝手に入り込み、ベッドの隣に自分の寝る場所を確保しようとする図々しい男ギルバートにびっくり仰天!登場シーンが横暴を極めた不届き者そのもの、まったく気に入りませんでした。しかし、のちの列車内ではアイリスの唯一の味方として大活躍をしていました。高感度アップ!

アイリスが知り合ったフロイと称する音楽教師の老夫人が忽然とコンパートメントの中から姿を消してしまい、更に居合わせた全ての人間が元々彼女の存在を否定するという驚きの展開、自分だけが幻想を見ていたのではないかという自己不信に陥りそうになります。また、何故フロイが姿を消す事になったのかさえ理由が分からず、頭の中はもやもや状態が続く事になります。フロイはある重要な情報を持っていた為、命を狙われていた事が後々分かって来ます…

列車に乗り合わせた他乗客はマジシャン、全身を包帯でぐるぐる巻きにされた患者、それに付き添ういわく有りそうなハイヒールを履いた゛尼僧”、怪しそうな脳外科医、クリケットの試合結果ばかりを気にしている英国人紳士二人連れ等々誰もが犯人に見えてしまいそうです。確かにこの中に”犯人”はいるのですが・・・

マジシャンとは荷物置き場となっている車両の中で3人三つ巴の大乱闘を演じているシーンもナイフなども飛び出し極めて物騒ですが、何故か笑えるシーンがふんだんに盛り込まれています。

1938年のヨーロッパ、第二次世界大戦勃発直前のバルカン半島、関係各国のスパイ合戦も熾烈を極めていた事が想像されます。映画全般の雰囲気はそのよう暗雲垂れ込め時代の緊張感を見事に反映していました。アイリス、グルバート、フロイらが乗った車両は急遽本体と切り離され、支線に入り込み、゛敵”の待ち構える場所で停車させられ、突然予期せぬ銃撃を受け、応戦はするものの間一髪の危機に見舞われます。

機転を利かせ運転手のいなくなった蒸気機関車を走らせ、命からがら国境線を越え、無事ロンドン・ヴィクトリア駅に辿り着きます。

緊迫したシーンの連続と笑いのエッセンスの塩加減が絶妙で楽しめる97分でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました