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おすすめ映画感想『リコリス・ピザ』(2021/ポール・トーマス・アンダーソン監督)‣“世界中の映画ファンが愛してやまない”監督の軽快な新作青春映画

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『リコリス・ピザ』のあらすじ概要

「マグノリア」でベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞したほか、カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界3大映画祭の全てで監督賞を受賞しているポール・トーマス・アンダーソン監督が、自身の出世作「ブギーナイツ」と同じ1970年代のアメリカ、サンフェルナンド・バレーを舞台に描いた青春物語。

主人公となるアラナとゲイリーの恋模様を描く。ハリウッド近郊、サンフェルナンド・バレー出身の3人姉妹バンド「HAIM(ハイム)」のアラナ・ハイムがアラナ役を務め、長編映画に初主演。また、アンダーソン監督がデビュー作の「ハードエイト」から「ブギーナイツ」「マグノリア」「パンチドランク・ラブ」など多くの作品でタッグを組んだ故フィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマンが、ゲイリー役を務めて映画初出演で初主演を飾っている。主演の2人のほか、ショーン・ペン、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディらが出演。音楽は「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」以降のポール・トーマス・アンダーソン作品すべてを手がけている、「レディオヘッド」のジョニー・グリーンウッドが担当。2022年・第94回アカデミー賞で作品、監督、脚本の3部門にノミネート。

2021年製作/134分/アメリカ
原題:Licorice Pizza 嘗てカリフォルニア州南部で店舗を展開していたレコードチェーンの名前から取られたものとの解説有り。

『リコリス・ピザ』のスタッフとキャストについて

ポール・トーマス・アンダーソン製作・脚本・撮影・監督:高校時代に制作した短編「The Dirk Diggler Story」を長編リメイクした「ブギーナイツ」(97)にはリッジリーらが出演し、アカデミー脚本賞にノミネートされています。

 

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アラナ・ハイム(アラナ・ケイン/撮影助手25才):3姉妹でポップロックバンド「ハイム」を結成。13年にファーストアルバム「Days Are Gone」を発表し、 15年にはグラミー賞最優秀新人賞にノミネートされるなど高い評価を得ています。本作で俳優デビューしています。映画初主演にしてゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞にノミネートされています。モットーは「ノーと言わない」

 

クーパー・ホフマン(ゲイリー・ヴァレンタイン/子役出身の若手俳優。高校生15才):監督の盟友だったフィリップ・シーモア・ホフマンの息子。幼少期から映画の世界に親しんでいたが、監督業に興味をもつ一方で演技の経験はなかった。アラナ・ハイムと同じく俳優デビュー作となった同作で、ナショナルボード・オブ・レビューのブレイクスルー・パフォーマンス賞を受賞、ゴールデングローブ賞最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル部門)にもノミネートされています。

ショーン・ペン(ジャック・ホールデン/ベテラン俳優)

ブラッドリー・クーパー(ジョン・ピータース/映画プロデューサー)

『リコリス・ピザ』のネタバレ感想・見どころ

ネタバレ有り

1970年代、主人公ゲイリー・ヴァレンタインはかなり成熟した高校生である事に衝撃を受けました。初っ端かな10才も年上の女性アラナ・ケインを一目見た瞬間恋に落ち、将来の結婚相手と一人決めてしまいます。確かに恋心を抱く事は否定しませんが、その後のストーリーの展開は、舞台が大どんでん返しでどんどん変わっていきます。目にも止まらぬスピード感、矢継ぎ早に目まぐるしく新たな展開へ移っていきます。

ゲイリーは15才です。彼は、子役時代から実績を積み重ねている映画俳優でした。そして、突如ウォーターベッドの販売に興味を持ち代理店となり、従業員(仲間)を雇い、広告宣伝まで手掛け大人顔負けのマーケティングにまで精を出すという恐るべきビジネスの才覚を発揮します。何故か分からない内にショーン・ペン扮するベテラン俳優やブラッドリー・クーパーがこれも怪演するバーバラ・ストライサンドの恋人である映画プロデューサーらの”乱入”などもあり映画をひときわ盛り上げていました。更に暫く営業を禁じられていた”ピンボール”が解禁されると聞くや即座にゲームセンター開業をやってのけるというフットワークの抜群の俊敏性にも驚きました。

一方、アラナも新市長候補の選挙ポスターに目が留まるや否や選挙事務所でのボランティア活動に応募するという変わり身の早さに驚き!

ストーリー展開は何でもありのごった煮状態の様相を呈しています。特に、丘の上でガス欠になったトラックを坂道の傾斜を利用して”後退”運転させるアラナの素晴らしい高等運転技術の披露。しかし、これは何の意味があるのか、正直良く分からない点でもありました。そして、アラナとゲイリー二人の関係は距離感こそ変化していますが、常に変わらない固い運命の糸で結ばれ決して途切れる事はありません。この先の長い人生も波乱万丈は続きそう・・・

自分自身振り返ってみても、自分の経験した時代感覚(日本の70年代)と余りにも遠く懸け離れた(最近はやりの言葉でいうと”異次元”の)”青春”の1ページを垣間見せられ、甘酸っぱいノスタルジーに浸る気分にはまったくなれなかったのがちょっと残念な映画という気がしました。

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