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おすすめ映画『エレファント・マン』(1980/デビッド・リンチ監督)感想‣奇形した外見から”エレファント・マン”と呼ばれたジョン・メリックの生涯と、彼を取り巻く人々

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『エレファント・マン』のあらすじ概要

19世紀末のロンドンを舞台に実在した奇形の21歳の青年ジョン・メリックの悲劇の人生を、「イレーザーヘッド」のデビッド・リンチ監督が描き、鬼才リンチの名を世界にとどろかせた名作です。

見世物小屋で「エレファント・マン」として暮らしていた青年メリックの前に、ある日、外科医のトリーヴスという男が現れる。メリックの特異な容姿に興味を持ったトリーヴスは、メリックを研究材料にするため、自分が勤めるロンドン病院に連れ帰ることに。何も話さず怯え続けるメリックを、周囲は知能が低いと思っていました。しかしある時、メリックが知性にあふれた優しい性格であることが判明します。さらに芸術を愛する美しい心の持ち主だということに気付きますが……。やがてジョンの存在がマスコミによって広く世間に知られることになります。トリーヴスや病院長、師長などの加護により病院内で平穏に暮らしていましたが、ある夜悪意ある人間に病院から連れ出され、悲劇に遭遇するものの、何とか無事保護され病院に戻されます。

日本では1981年に初公開。作品誕生25周年を記念した2004年にはニュープリント版、本国公開から40年を迎えた2020年には4K修復版でそれぞれリバイバル公開されている作品です。

1980年製作/124分/アメリカ・イギリス合作
原題:The Elephant Man

yeison buenoによるPixabayからの画像

『エレファント・マン』のスタッフとキャストについて

デビッド・リンチ監督・脚本:アメリカン・フィルム・インスティテュート(AFI)で絵画から映像制作にいたるまで広く学び、5年かけて完成させた映画「イレイザーヘッド」(1977)で鮮烈な監督デビューを果たす。

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アンソニー・ホプキンス(フレデリック・トリーヴス ロンドン病院の外科医):外科医としてジョンに興味を持ち、病院で彼を保護することに。最初は医師と患者という関係だったが、ジョンの本来の人柄に接し、人間として彼を守りたいと思う気持ちに変化して行きます。ジョンの悲しい人生に深く同情している。

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ジョン・ハート(ジョン・メリック=エレファント・マン):奇形の姿形から「エレファント・マン」と名付けられ、サーカスの見世物にされていました。そこでは興行主によってひどい虐待を受けてきたため言葉を発しなくなっていました。フレデリック外科医と知り合う事で、人間性を取り戻す事が出来る。

78年の映画「ミッドナイト・エクスプレス」でアカデミー助演男優賞にノミネート、ゴールデングローブ賞で助演男優賞を受賞すしています。リドリー・スコット監督のSFホラー「エイリアン」(79)では宇宙船ノストロモ号の乗組員ケインを演じており、その死亡シーンは映画史に残るショッキングな瞬間として有名となっています。

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Claudio KirnerによるPixabayからの画像

『エレファント・マン』のネタバレ感想・見どころ

日本公開時の1981年に映画館で見て以来、久々の再観賞です。当時はアンソニー・ホプキンスもデビッド・リンチ監督も全く知らず、『エレファント・マン』という題名のみに引かれて映画を見に行ったの覚えています。内容はすっかり忘れ去られており、今回は初回観賞したような気分で見ました。

動物園にいる象の様に長い鼻を持っているのかと勘違いしていました。想像を絶するような大きな奇形を抱えた実在の人物ジョン・メリックが描かれているということで大変驚きました。彼はサーカスの見世物小屋に出演させられており、あこぎな興行主に理由も無く体罰を受け、散々虐げられている様子はとても気の毒でした。

善意あるフレデリック医師に見出され保護を受ける事になります。彼も、当初は研究材料として”利用”しようと考えていましたが、徐々にジョンの”人間性”に触れる事で、彼が単なる奇形の”化け物”ではなく優秀な知性と優しい感情を持っていることに気付いて行きます。

その後は、病院長、婦長、自分の妻、友人らの輪に彼を取り込んでいこうという努力をしていきます。最初はかなりの勇気が必要だったのではないかと思います。善意のある人間には素直に受け入れられていく一方、まだまだ興味本位、好奇心のみで彼に興味を示す心無い人が絶える事が無い様子も描かれていきます…

本作は外見、第一印象だけでその人物を判断してしまう事の非を強く訴えたかったのだと思います。

それにしてもジョンを生んだ美しい母親はさぞ驚き、悲しんだことを想うとやはり気の毒でなりません。

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