『ハモンハモン』のあらすじと概要
スペインの田舎町を舞台に男女6人が繰り広げる恋愛模様をユーモアを交えて描き、ペネロペ・クルスの映画デビュー作となった恋愛ドラマ。
売春宿を営むカルメンの娘シルビアは、男性用下着メーカーの社長マヌエルの息子ホセの子を身ごもります。ホセはシルビアとの結婚を望みますが、息子を溺愛するホセの母コンチータは2人の仲を引き裂こうと画策し、シルビアのもとへ若くたくましい青年ラウルを差し向けて誘惑させることに…しかしコンチータの方がラウルの肉体に溺れ、一方、ラウルは本気でシルビアを愛するように。最初はラウルを嫌っていたシルビアも、強気な彼に徐々にひかれていきます…
クルスがシルビア役を体当たりで演じ、後にパートナーとなるハビエル・バルデムもラウル役で出演しています。6人の男女が入り乱れる展開に驚かされます。また、ちょっと後味の悪い幕切れとなっています。1992年・第49回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した作品です。
1992年製作／94分／スペイン
原題または英題：Jamon Jamon ハモンはスペイン語でハムを意味します。
『ハモンハモン』のスタッフとキャストについて
ビガス・ルナ監督・脚本：スパニッシュ・エロスの名手監督
ペネロペ・クルス（シルヴィア ）：下着工場で働く少女。買春宿を経営する母親の元、ふたりの妹と共に暮らしています。街道沿いの片田舎の家に暮し、何故か大きな豚と子豚も飼っています。町中までは田舎道を徒歩で往復しています。
出演作品➢おすすめ映画『コレリ大尉のマンドリン』（２０００／ジョン・マッデン監督）感想‣ペネロペ・クルス、本作でゴールデンラズベリー賞の最低女優賞にノミネート！そんな馬鹿な！？
アンナ・ガリエナ（カルメン ）： シルヴィアの母。バー（売春宿）を営む。女手ひとりでシルヴィア他2人の妹を育てる。
ジョルディ・モリャ（ホセ・ルイス） ： シルヴィアの恋人。男性用下着工場を経営する両親と暮らす息子。自分の事は一切自分で決められず、母親の指図を受けています。
ステファニア・サンドレッリ（コンチータ）- ： ホセ・ルイスの母。息子を溺愛しています。
ハビエル・バルデム（ラウル）： ハムの配達員。闘牛士を目指す成り上がり志向の青年。
出演作品➢映画『悪の法則』（感想）２０１３／リドリー・スコット監督、『一度手を染めると、二度と元に戻れない』鬼気迫る驚愕の心理描写！
『ハモンハモン』のネタバレ感想・見どころ
さすがスパニッシュ・エロスの大御所監督ビガス・ルナの作品だけあってかなりエロいシーンが多いのには驚きました。とても好きな女優であるペネロペ・クルス映画デビュー作品ということで、今回漸くDVDで初観賞。”恋愛ドラマ”ということで、真面目に見ていたらどんどん脱線していくところは留まるところを知りません。その後ペネロペと結婚する事になるハビエル・バルデムがかなりキモイ、チンピラ（ラウル）の様な役柄で出演しているのも驚きでした。なんと、ハムの配達をする傍ら、闘牛士を目指して夜中に牧場に潜り込み本物の牡牛相手に（何故か素っ裸で）練習をしていました。
ペネロペ扮するシルヴィアの恋人ホセ・ルイスは何となく不甲斐なく、社長夫人である母親に言われるがままのとても情けない男でした。シルヴィアの母親は女手一つで娘達を育てる為、売春宿を営んでいます。なんとホセ・ルイスもその売春宿の常連客のひとりでした（しかも彼の父親もかつての常連）
そんな女の娘と結婚させるわけにはいかない考えたホセ・ルイスの母親コンチータは浅はかな思案を巡らせます。事もあろうにハムの配達人ラウルに、欲しいものは何でも買い与えるので、娘シリヴィアを横取りして貰えぬかと相談します…一方で何とこの母親自身が若いラウルに恋をしてしまうという驚きの展開！？
さらに、ラウルはあの手この手でシリヴィアに近づこうとしますが、何も知らない彼女は初めは恋人がいるので（しかも彼の子を妊娠している）、ラウルの横恋慕を頑なに拒否続けていました。しかしながら、母親にすっかり牛耳られているホセ・ルイスの煮え切らない態度に嫌気を感じ、いつしか強引ではあるものの、逞しいラウルに好感を持ち始めています。（女心とは分からないものです）
その後の展開は説明するまでも有りません。六人六様の摩訶不思議な思いもよらない恋模様で、開いた口が塞がらない展開となります。ラブロマンス（コメディ）がいつの間に恐ろしいサスペンス映画の様相へ…本作はラブロマンスというよりは、大爆笑コメディ映画を観る覚悟で臨んだ方が正解かもしれません。真面目に見ているととても疲れそうです…
ビガス・ルナ監督の他作品も気になり「おっぱいとお月さま」「裸のマハ」の予約を入れてしまいました…
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