『国境ナイトクルージング』のあらすじと概要
中国と朝鮮半島の国境に位置する吉林省の街・延吉を舞台に、偶然出会った男女3人が街をぶらぶらと観光するなかで起こる心情の変化を、繊細な映像美と抒情的音楽でつづった青春映画。
友人の結婚式に出席するため冬の延吉にやって来たエリート社会人のハオフォンは、上海へ戻る翌朝のフライトまでの暇つぶしに観光ツアーに参加した際に、スマートフォンを紛失してしまいます。観光ガイドの女性ナナはお詫びとしてハオフォンを夜の延吉に連れ出し、料理人である男友達シャオも合流して飲み会で盛り上がります。翌朝、寝過ごしたハオフォンは上海行きのフライトを逃し、シャオの提案により3人でバイクに乗って国境クルージングに出かけます。
「少年の君」のチョウ・ドンユイがナナ、「唐人街探偵」シリーズのリウ・ハオランがハオフォン、「流転の地球」のチュー・チューシャオがシャオを演じた。「イロイロ ぬくもりの記憶」で第66回カンヌ国際映画祭カメラドールを受賞したシンガポール出身のアンソニー・チェンが監督・脚本を手がけ、シンガポールと日本を拠点に活動するアーティストのキン・レオンが音楽を担当しました。
2023年製作/100分/中国・シンガポール合作
原題または英題:燃冬 The Breaking Ice (意訳には原題ほどのインパクトが無いような気がします)
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『国境ナイトクルージング』のスタッフとキャストについて
アンソニー・チェン(陳哲藝)監督・脚本・製作:1984年生まれ。シンガポール出身の脚本家、監督、プロデューサー。2007年に短編映画『AH MA(原題)』でシンガポール人として初めてカンヌ国際映画祭で特別賞を受賞しています。
周冬雨(チョウ・ドンユイ):観光ガイドナナ、中国国内ではフィギュアスケート大会で優勝するなど華々しい過去の経歴があるものの、怪我の為現在失意の中で観光ガイドとして独り暮らしを続けている/チャン・イーモウ監督の『サンザシの樹の下で』(2011)で7000人のオーディションの中で主演に大抜擢され、一躍スターダムにのし上がっています。
刘昊然(リュウ・ハオラン):河南人ハオフォン、上海の金融機関に勤務するエリート、何らかの大きな悩みを抱えている様で、常に感傷的な表情を浮かべる。延吉滞在中の2人の男女の交流を通じて徐々に心を解放していく様子が覗える。
屈楚萧(チュー・チュウジャオ):四川人シャオ、伯母さんの食堂経営支援の為、引越して来て手伝っているが、余り仕事に身が入っている様子は覗えない。
『国境ナイトクルージング』のネタバレ感想・見どころ
多分多くの映画視聴者の方とはまったく角度の違う感想を持ったかもしれません。数年前定年退職直前まで中国に滞在していた時の楽しみの一つが、本作の冒頭で紹介されていた大変懐かしい、現地「一日バスツアー」への参加でした。安価、安全、安心で実に便利でした。アプリの操作に慣れてしまえば、参加申し込み完了後(料金は事前にNETから振り込み)、指定された日時に集合場訴に来たバス・バスガイドの指示に従いさえすれば、ほぼ一日確実に観光出来ます。前日の晩20時頃、担当するガイドから携帯電話に電話かメールがあるので安心です。朝昼あるいは三度の食事代、宿泊代、交通費、観光施設の入場料すべて込みで超格安でした。中国内のひとり旅は食事場所を探す事、メニューを注文することに大変苦労します。この手間暇が一切省けます。しかし、これもある程度の中国語会話能力は必須となるので、その点注意が必要です。わたしの良く利用したアプリは「携程」でした。
わたしのブログの中に、中国世界遺産を巡った記事が20本近くありますが、その大半が「一日観光バス旅行」に参加したものなので、御興味があれば是非参考にしてみてください。
吉林省は延吉は残念乍ら訪問する機会がありませんでした。業務上の出張でも訪問する機会はありませんでした。当時中国国内の自動車販売拠点の開発業務をやっていたので、当然ながら延吉にも販売店は指定していましたが…人口50万人そこそこの小都市で販売店を指定することは珍しいケースでした…(中国国内には人口4,5百万人を超える都市で、日本人が名前を初めて聞く様な都市は多数あります…)
希望通り、もし延吉を訪問し「一日観光バスツアー」に参加する機会があったなら、長白山(朝鮮名白頭山)の「天池」に行っていたかもしれません。映像を見る限り真冬の景色はとてもきれいです。しかし、標高も高いので観光バスの冬季ツアーで行くのは無理そうです。
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