『密航者』のあらすじと概要
火星でのミッションのため、宇宙船にて2年間に及ぶ宇宙の旅に出発した宇宙飛行士3人。彼らは、出発後に予定外に宇宙船に乗り込んでしまった一人の密航者を見つけます。しかも、宇宙船の生命維持装置(二酸化炭素除去装置)を誤って破損してしまい、このままでは人数分の酸素を確保できない事態に陥ります。命の危機が迫り、彼らは究極の決断を迫られることになります。
本作品が問い掛けるの問題は、狭い宇宙船を舞台に他人の幸せのために何を犠牲にするかという問題です。
(原題:Stowaway)
『密航者』のスタッフとキャストについて
ジョー・ペナ監督・脚本:ブラジル・サンパウロ出身33歳、ミュージシャン兼映画製作者。長編映画は、サスペンス映画「残された者ー北の極地ー」に続く2作目です。
監督は、本作品で、全員を救うには物資が足りない場合にどうするかという古典的なストーリーを宇宙を舞台に作ってみたかったと説明しています。製作に当たっては宇宙飛行士に話を聞いたり、実際に宇宙船に積まれた物をセット向けに博物館から借り受けたりしたという。
また、リサーチの過程では、宇宙旅行の脆弱さが見えてきたとも話し「宇宙では多くのことが『これは多分うまく行きそうだ』という考えで、試されていることに最も驚いた」と雑誌インタビューで語っています。
アナ・ケンドリック(医学研究者のゾーイ):1985年生まれ、米メイン州ポートランド出身。09年公開の『マイレージ、マイライフ』で、ジョージ・クルーニー演じる主人公の部下役でナショナル・ボード・オブ・レビュー助演女優賞を受賞、アカデミー助演女優賞やゴールデングローブ賞 助演女優賞などにノミネートされた。
ダニエル・デイ・キム(生物学者のデイヴィッド):1968年韓国プサン出身。1990年代初めからテレビシリーズに多く出演しており、最近ではヒットシリーズ『LOST』でキム・ユンジンの夫を演じている。 また、2010年より人気テレビドラマ『HAWAII FIVE-0』チン・ホー・ケリー役でレギュラー出演した。
新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出たことを、現地時間3月19日、Instagramで公表しています。現在は休養と薬で回復に向かっているそうです。
トニ・コレット(船長):1972年オーストラリア出身。1994年の『ミュリエルの結婚』では、太目の主人公を演じるために体重を18キロ増やしたという。この作品でオーストラリア映画協会賞主演女優賞を受賞、ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされた。その後ハリウッドに進出し、1999年の『シックス・センス』ではアカデミー助演女優賞にノミネートさている。
シャミアー・アンダーソン:密航者役
『密航者』のネタバレ感想
【ネタバレ有り】全く予期せぬ闖入者にはびっくり仰天!まず、絶対にあり得ない設定だと思います。更に、生命維持装置に支障が出た為に酸素が不足してしまうと事態を招きます。船長は地上の基地と連絡を取り合い解決策を色々探し出す努力をします。結論としては予期せぬ追加メンバーを宇宙船から追い出してしまうというものでした。
映画のシーンそのものは、実にリアルに作られている為、宇宙飛行士と一体感を持ちながら、宇宙旅行をしている気持ちになります。しかし先にも述べた通り、余りにも奇抜な事件・事故?による「密航者」の唐突な”出現”は少し受け入れ難い印象を受けました。他の視聴者の感想もこの点を多く指摘している様です。
地上との交信も一部の音声のみで、ほとんど映像には登場してきません。登場人物は密室の宇宙船内部の4名だけの世界です。音も極力抑え、孤独な宇宙の”旅”を演出する効果は抜群。それと宇宙船外に出て、液体酸素を取り出す緊迫したシーンの演出は圧巻でした。こんな事が実際出来るのかと感心しましたが、非常に緊張させられるシーンの連続でした。
ラストは非常に残念な結果となってしまいます。責任感の強いゾーイ医師は自分を犠牲にして、密航者の命を救う行動に出ます。そこまで一人で責任を感じる必要があるかとも思いますが、仕方の無いことなのかも知れません。生き残った3名も何となく辛い旅の継続となりました。
宇宙空間では地球上では想像できない事態が発生することは常に心の覚悟が必要です。その事態は直ぐに死と隣り合わせというのも非常に怖いなと感じます。もはや地球上でも絶対安全という場所はなくなりつつありますが…
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