前回の上越国境、平標山・仙ノ倉山の高山植物観賞登山に続き、今回は中アの名峰木曾駒ケ岳へロープウェイ利用で、咲き誇る高山植物に会いに行ってきました。同地区へは過去2回、自分の脚で登りました。夏に木曽側の上松(あげまつ)から5,6名のパーティーで登り、頂上直下で幕営する為テントを担ぎ上げました。午後から天候が急変、一度設営したテントを急遽撤収し山小屋泊に変更した苦い経験がありました。もう一回は今回同様駒ケ根高原から、10月末に空木岳ピストン単独登山を試みました。生憎朝からの雨が一日中振り止まず往復12時間、ずぶぬれでようやく麓に戻り「早太郎温泉・こまくさの湯」で安堵の深いため息をついたのが忘れられません。
今回は迷うことなくロープウェイを利用しました。念願が叶い3度目の正直、ようやく天候に恵まれ最高の景色と数多くの美しい高山植物に出会う事が出来ました。少々興奮気味でシャッターを押した為、手ぶれのせいでピントが合っていない写真が多いかも知れません。お許しください。また、登山経験は少々長いのですが、高山植物に関しては”初心者/素人”なので、挿入した花名が間違っている場合もあると思います。遠慮なくご指摘頂ければ嬉しい限りです。
木曾駒ケ岳 登山基地駒ケ根へのアクセス
【JR利用】
新宿駅→岡谷駅乗り換え 特急あずさ(南小谷行) 、岡谷駅→駒ケ根駅(飯田線天竜峡行)
岡谷駅で1回乗り換え、所要時間約4時間、料金7060円(片道)
※JR駒ケ根駅から駒ケ根ロープウェイ乗場(しらび平駅)までは路線バスが運行されています。所要時間45分、料金1050円(片道)
【高速バス利用】
パスタ新宿→駒ケ根バスターミナル、直通、所要時間約4時間、料金3700円前後(便数は多い)
【車利用】
自宅のある千葉県M市から269㌔、首都高・中央高速利用で3時間20分
自家用車の場合は直接ロープウェイ乗場であるしらび平駅までは行くことは出来ません。木曽駒ケ岳山麓の『菅の台バスセンター』駐車場に車を停めて、路線バスでしらび平に向かう必要があります。駐車料金1日800円を支払い、菅の台バスセンター→しらび平ロープウェイ乗場へのバス料金830円(片道)が必要です。
わたしの前泊地は菅の台バスセンターのある『駒ヶ根高原』内の『駒ヶ根ユースホステル』でした。ユースホステルからは『駒が池』バス停が最寄り駅でした。(菅の台バスセンターのひと駅手前の停留所)
【駒ケ岳ロープウェイ】超ハイライト!
しらび平駅(標高1662㍍) → 千畳敷駅(標高2612㍍)所要時間7分30秒
料金 往復2540円、片道1370円。
登山「素人」でも3000㍍級の驚きの景観を目の当たりにする事が出来てしまう素晴らしさ。 2540円は絶対お値打ち!
前後泊地 駒ケ根高原 駒ケ根ユースホステル
大沼湖の西岸に佇むユースホステル。ナビでも検索が難しいのでスマホ・グーグルマップで検索しました。
駒ケ根駅駅か、高速道路IC近くのビジネスホテルに宿泊しようと思いましたが、何となくホテルの狭い部屋というのもわびしさを感じた為、ネットで偶々見つけたユースホステルに予約を入れ泊まってみました。(学生時代はかなり頻繁に利用しました)
幸い宿泊客は非常に少なく、2日間とも10人部屋を一人で独占して使用できました。夕食は提供はありません。
出発当日女将より中岳付近に「クロユリ」が咲いているという情報を頂き、中岳付近でクロユリを探したところ、見事に満開のクロユリの群落を見つける事が出来ました。
ロープウェイ行きバスの最寄り停留所までは徒歩10分程度、この時期の始発のバスの定刻は7:11だったのでそれを目指してユースを出発しました。
バス亭まで愛犬2匹と見送りに来てもらいました・・・珍しい犬種、聞いたけど忘れました。
木の実を取って食べているサルを見掛けました。頻繁にサルには会うようです。また、千畳敷から戻りのバスの車窓からはニッポンカモシカの子供の姿を見掛ける事が出来ました。前列の女性も喜びの声を発していました。野生動物の姿が濃厚な雰囲気が漂います…
人気の千畳敷〜木曽駒ヶ岳コース(ロープウェイ利用)
平日にも関わらず、満員でバスは増便が運行されていました。立ち席の方はいなかった様です。
【実際の行動時間】
7:11 駒が池バス停乗車
8:00 しらび平ロープウェイ乗場出発(7分30秒で標高差1000㍍を上る≒歩いたら5,6時間以上掛かります!
8:19 千畳敷駅登山開始
10:13 木曾駒ケ岳山頂着
11:30 乗越浄土から伊那前岳ピーク往復
12:30 乗越浄土から下山開始
13:30 下りのロープウェイ乗車 (山での総行動時間約5時間)
最初の千畳敷駅から乗越浄土あたりまでの上りが少し辛い感じはしましたが、(上りよりも下りの方が歩き辛いと思います)稜線に出れば、景色を見乍ら稜線歩き、お花畑が目に入り愉しい散策を楽しむ事が出来ました。
まず、中岳を目指します。途中左には宝剣山の岩稜を眺める事が出来ます。何名が挑戦している登山客の姿を見掛けましたが、非常に手強そうです。
中岳に登った後は、一旦木曾駒ケ岳方面に鞍部まで下り、駒ケ岳は再度上り直す事になります。しかしながら、あまりに多い高山植物の数、群落に圧倒されて山登りの疲れはまったく感じる事はありません。
かなりの急勾配で一挙に高度を稼ぎます。
7分30秒であっという間に到着しました。天気の期待は高まります。
ロープウェイ下の急峻な滝、如何に山が急峻か感じる事が出来ます。
千畳敷カール〜木曽駒ヶ岳周遊でのすばらしい出会い
千畳敷駅は目前!空の青さが断然違います。
ロープウェイを下りた瞬間この景色驚愕しました。新緑、雪渓、青空、白い雲!
雲の動きが激しい
迫りくる岩稜‼猛烈な勢いで雲が晴れ上がって行きます。
登山ルートは四通八達、山小屋も多数あるので万一の場合安心です
ハクサンイチゲの大群落
キバナノコマノツメ? いきなり難題。ロープウェイ下りて目の前に咲いていました。
ミヤマキンバイ? 基本的に良く聞く名前ですが確信がありません。
ミヤマキンポウゲ!
新緑と青い空、白い雲のコントラストが素晴らしい。ピークはまだかなりの標高差があるように見えました。
岩肌は花崗岩の為真っ白でとても美しい。時々ガスってきて真っ白になりますが、あまり気になりません!心はとても軽やか…
ショウジョウバカマ?
開花前なので花名がよく分かりません
ロープウェイ千畳駅方面を振り返る。まだ、駅付近でウロウロしている登山客多数?
ハクサンイチゲ
全山ハクサンイチゲだらけといった感じでした!
ハクサンイチゲとミヤマキンポウゲ?
ツガザクラの群落
どこにいてもとても目立つハクサンイチゲ
やや湿った所に生えるヨツバシオガマ
イハカガミの可憐なピンクの花
中岳、木曾駒ケ岳方面を眺望する。素晴らしい岩稜の眺め!
中岳方面を望む
可憐なイハカガミ 岩の合間に必ず…
大勢力を誇るハクサンイチゲ軍団
負けじとイハカガミ
真正面に中岳。
ミヤマダイコンソウ?の群落
ヨツバシオガマ
イワツメクサ 5枚の花弁が切れ込んで10枚に見えるのが特徴
チングルマ 草に見えますが、バラ科の落葉低木!
ミヤマキンバイ 直径2㌢程の五弁花
ヨツバシオガマ?
山がでかい!
イワギキョウ?ピンボケでよく分かりません…あるいはチシマギキョウ?
同じく
ヨツバシオガマの大群落
中岳の上り
中岳を越して、木曾駒ケ岳に向かう鞍部の岩場のしたにミヤマクロユリの見事な大群落
緑色のロープで仕切られており、2-3㍍以内には近づけません。ピンボケ残念!
駒ケ岳より中岳を振り返る。青い屋根は立派な宝剣山荘
ミヤマキンバイ?
木曾駒ケ岳山頂からの大展望
雲の上を歩いている様な登山者
色々な花々が点々と
上見たり足元見たりとても忙しい山歩き!
ヨツバシオガマもかなり目立ってました
帰りに再びタカネクロユリ
帰り道 右手前方に宝剣岳を望む、乗越浄土(2870㍍)に建てられた宝剣山荘、雲が無ければ南アルプス、八ヶ岳を一望可能
イワベンケイの大群落!
イワベンケイとハクサンイチゲの勢力争い
ハイマツ帯に咲くキバナシャクナゲ (高嶺の花と言われる)
前伊那岳に向かう途中にきれいな声で鳴くイハヒバリを見掛けました
前伊那岳への稜線から後ろを振り返る
前伊那岳は予想以上に距離がありました
こんなん所にもイハカガミ
緑・青・白の見事なコントラスト 光が眩しい!伊那前岳(2883㍍)は目の前
帰り道のルートがはっきり見えていました
岩場に張り付く高山植物群
恐ろしい山容の宝剣岳、頂上に人の姿が目視出来ました!
礫地を好むミヤマキンバイ
一瞬にして湧き上がる雲
宝剣岳の大絶壁を望む
ハクサンイチゲの大勢力
ロープウェイ駅がすぐそこに見えています。ホテル千畳敷が併設されている
厳しいルートにはハシゴが取り付けられています
ハクサンイチゲ
ミヤマキンポウゲもお忘れなく
アオノツガザクラ スズランに似て花は下向きに咲きます
千畳敷カールを望む
千畳敷カールの絶景
花名不明?
開花期を迎えたばかりのタカネザクラ 日本に自生する桜の野生種の一つ 非常に瑞々しい艶やかな桜 あまりの美しさに目が釘付け! 遅い春に遭遇!
ロープウェイ千畳敷駅付近で見ることができます
立ち寄りスポット
信州駒ヶ根高原 早太郎温泉 こまくさの湯
場所:長野県駒ヶ根市赤穂759-4 TEL:0265-81-8100
大人700円、小学生300円、小学生以下無料
泉質 アルカリ性単純泉、泉温30.8度(加温)
アルカリ性の為ぬるっとした感触があります。内湯の大風呂に加え、展望露天風呂、サウナ室、ジャグジー、薬湯、水風呂など豊富。水温が感触15,6度と低温の為1,2分で手足の指の先がしびれて来る感触が堪らない。2階に大広間の休憩室があります(冷房無し)
その他長野地区の日帰り温泉施設紹介記事➢
長野の超おすすめ「温泉」(絶景・秘境) 15湯 旅の疲れも人生の悩みもぶっ飛び!
かんてんで有名な伊那食品工業のかんてんぱぱガーデンも近くの為、帰りに立ち寄りお土産を購入しました。かんてんを使った健康に良い食事がとれるレストラン、観葉植物等の販売店なども併設。工場の一部もガラス越しに見学する事も出来ます。全体が落ち着いた庭園の中にある為、森林浴などができます。
最後に
首都圏からは約300㌔と距離は多少ありますが、雲上の楽園、高山植物の宝石箱は一見の価値は大いにあると思います。徒歩で登るには覚悟が要りますが、ロープウェイで気軽に行く事が出来ます。是非、天気の良い日を選んで行かれる事をお勧めします。花の名前が分かっていれば更に楽しい山歩きになるでしょう。
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