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【北海道】一度は登りたいトムラウシ山、途方もない距離、格別の美しさを日帰りで体感する山旅

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トムラウシ山登山に関しては3年前の2020年8月同様ルートで登りました。しかし、大雨・強風の悪天候に阻まれ、六合目あたりの『前トム平』(稜線に出たところでトムラウシの頂上らしきものも見えたものの、呼吸も難しい程の強烈な風に吹かれる)付近から「勇気ある撤退」をした悔しい経験がありました。しかも、更に以前の2010年には国民宿舎東大雪荘に到着したところで、宿舎のフロントで「トムラウシ山は最近降った大雨の影響で登山ルートが崩壊している」為、天気は大変良いものの現在登山は閉鎖、復旧の見込みが立たないと告げられ、結局登山道を一歩も歩かず空しく帰るという大変な不運に見舞われていました。国民宿舎大雪荘の脇を流れる渓流に雷の様な音が鳴り響き3,4㍍はある巨岩がゴロゴロ流れている様子を見て鳥肌が立つ恐怖を覚えました。その音は一晩中続きました。

今回「三度目の正直」準備万端で臨みました。ところが、折角1万円余を出費してアマゾンで購入した『熊撃退スプレー』は飛行機では運べない事が判明(機内への持ち込み、荷物託送両方共に不可)更にはバーナー用の『ガス缶』も同様に持ち込み不可であることが搭乗日前日に判明しました。『熊撃退スプレー』に関しては、今回山中で『ヒグマ』の目撃もあった事から、やはり外せないアイテムではないかと感じました(北海道内のホームセンターで購入は可能らしいですが、今回は不携帯…、なお、ガス缶については空港内の「お土産屋」で購入)

前回『前トム平』から撤退したことから(大雨の中、登山を敢行したことが大失敗。レインウェアと綿パンが汗と雨水でずぶずぶ、歩行に大きな負担となる)、前トム平到着時には体力の相当部分を消費していました。この経験より、今回は山頂登頂までほぼ5時間と考え、前半ペースをかなり抑え気味に歩いた為山頂まで6時間、下りは7時間。結果的に大幅なスローペースとなってしまいました。山中往復時間は合計13時間(休憩時間を含む)。何とか日没前に登山口着。好天に恵まれた為登頂・下山を予定通り果たす事が出来ました。

なお、7月31日にトムラウシ入り、8月4日のフライトで帰京とし、1日から3日まで(3日間)のいずれか1日、天気が良い日をアタック決行日と考えていました。(勿論3日間の内1日が絶好の登山日になるという保証は全くありませんが…)残り2日は「予備日」としました。幸いな事に8月1日の天気がタイミング良く「快晴」に恵まれた事も、今回の登頂成功の大きな要因となりました。体力もさることながら、天候に大きく左右される山であると実感しました。

首都圏からは通う山は1日の行動時間が6,7時間程度の活動が多いです。今回はその約2倍、2回分の山行の時間・体力を使った事になります。また、普段は水2㍑程度を持ち込みますが、今回は遥かに上回る4㍑を飲み尽くしました。

羽田空港からトムラウシ山登山口までのアクセス

(行き)

10:30羽田空港発→12:05新千歳空港着(JAL511)

13:00新千歳空港発⇒17:00トムラウシ温泉国民宿舎東大雪荘着(レンタカー)190㌔約4時間 道東自動車道を利用、十勝清水ICより下道にてトムラウシ温泉を目指します。

【公共交通機関】の場合

新千歳空港⇒南千歳
南千歳⇒新得  特急とかち
新得駅から東大雪荘までは新得駅13:00発の東大雪荘送迎バス(無料・約1時間の乗車/要事前確認)

※新得・東大雪荘間の公共バスは車運転中に何台かすれ違いました。但し一日2往復程度、且つ非常に限定された期間のみの運行となっているので、事前確認が必須です。

(帰り)

13:50新千歳空港発→15:25羽田空港着

トムラウシ山登山歩程 往復約18km(参考タイム)

3:50 短縮コース登山口出発(駐車場) (登り6時間)

5:00 カムイ天井着

6:40 コマドリ沢着

7:35 前トム平着

8:45 トムラウシ公園の看板を大分過ぎたあたり

9:45 トムラウシ山頂着

10:15 トムラウシ山頂出発

11:48 トムラウシ公園着

12:31 前トム平着

13:43 コマドリ沢着

15:47 カムイ天井着

16:48 国民宿舎東大雪荘への分岐点

17:05 駐車場着 (下り6時間50分)

登山ルート画像及び状況説明

早朝4時前に駐車場を出発、薄っすらと明るくなってきたので懐中電灯は不要でした。出発時間を考慮し、起きたら直ぐに出発できるように駐車場にて車中泊としました。周囲には登山客の車が10台程度駐車されており、半数以上は既に出発している様に思われました…

登り始めは緩やかで道もそれ程ぬかるんではいません。昨日夕方近くに小雨が降っていましたが、今日は朝から素晴らしい快晴となりました

ミヤマアキノキリンソウ 結構大型な植物です

出発後1時間10分でカムイ天井着、日差しも強くなり始めました

トムラウシ山頂方面がはっきりと見えています

木道がしっかり設置されている為、幾分泥濘も歩き易く改善されています。この辺りはまだ泥濘になっていません。更に進むとかなり苦労することになる泥濘が・・・・

しばらく行くと泥田の様な泥濘が続きます…初めは靴の汚れを気にしていますが、段々どうでも良くなっていきます…登りはまだ良いですが、下山での泥濘は手に負えません。わたしは滑り何回か滑り尻もちをつきました。靴底のグリップが効いていないのか、それとは関係無く滑るものなのか分かりません。

後から来る”健脚”勢に次ぎ次に追い抜かれていきます。超丁場なのでわたしは体力の温存第一…自分のペースをいじすることも大事・・・

エゾウサギギクも笑顔でお出迎え

エゾホソバトリカブトの美しい花、コマドリ沢へのルート上に多数の高山植物がみられます

名前不明

出発から3時間を要しコマドリ沢分岐に到着。こちらで一息入れました。清流が流れる沢沿いは非常に涼しい

雪渓は全く無く、ルートの表示は明確であり、道迷いする心配はほとんど無いでしょう

チシマノキンバイソウ 沢筋ルートの両側に大きな花の群生、非常にめだっていました

早朝はまだ日が当たらず涼しげな沢ルートを登り高度を稼ぎます。フラワーガーデンの中を歩くようです…

イワギキョウ?

ヨツバシオガマ

コマドリ沢を登り切り、いよいよ大きな岩のごろごろした岩稜帯の始まり。ここから右方向大振りの枝が張り出し門番の様に構えているので、頭上要注意です。前回もぶつけ、今回2回目…

ルート上しっかりロープの目印があり分かり易いですが、荒天時は分かりづらいかも知れないので要注意・・・慎重に歩きましょう

「ジージー」と鳴き声のする方角を見るとまるまると肥えた茶色の「ナキウサギ」を発見しました

岩にへばりついて咲いているチシマギキョウ?

今度は愛くるしいシマリス あちこち飛び出して来るので写真に収めるのが忙しい…漸く写真を撮る事ができました

前トム平到着! 右手にトムラウシ山、左手に十勝岳(オプタテシケ山)がはっきりと…

一瞬山頂付近がガスに覆われます…心配無用すぐに晴れ渡りました…

わずかに残る雪渓も鮮やか

「ロックガーデン」よりトムラウシ公園を見下ろす 池塘が点在し美しい

トムラウシ公園着。「ロックガーデン」と言われる溶岩帯を抜けて暫し安堵感!前トム平から1時間ですが、結構な岩稜帯のアップダウンがあり少し緊張させられる部分もあります。慎重さが要求されます。荒天時は更に要注意! ルートマークが有りますが、見落としがちな部分もあり、おかしいなと思ったら元のルートに戻って再度確認しましょう…

トムラウシ公園もお花畑 ヨツバシオガマ

ミヤマアキノキリンソウ

エゾツツジ 体は小さいですが、花は間違いなくツツジの顔をしています

群生するアオノツガザクラ

山頂が目の前に現れました!しかし、まだまだ遠い…

ヨツバシオガマとミヤマリンドウ?

チングルマの群生地 そろそろ花期の終焉…

愈々分岐点到着。トムラウシ山頂までの最後の登り!あと一息!

はやる気持ちを抑え、確実に一歩一歩踏みしめて登っていると後方から中年おっさんのグループが猛烈な勢いで追い付いてきます!

あっという間に追い抜かれる…

悲願のトムラウシ山に到達!最高の気分でした

湧き上がる白雲・・・

山頂でトムラウシの大展望を満喫する多くの登山客

山頂から北沼を遠望、雪渓の落ち込む左端の水は綺麗なブルーに輝いていました…

名残り惜しくも愈々下山開始。南沼が遥か下方に見えています。その先は十勝岳方面、急峻な岩稜地帯の下降は慎重に・・・と自分に言い聞かせながら

正面の大きい山はオプタテシケ山?

チシマギキョウの大群生

風に靡いている様なチングルマ…

日本庭園とも言われる美しい自然景観

「あっと驚く!」日本庭園のど真ん中に草を食べている大きなヒグマ一頭を確認。登山ルートから近い距離80-90㍍、こちらを睨んでいる様だったので、睨み返し、足早に立ち去りました…の後もトムラウシ山方面に向かう登山者が続々登って行ったので、擦れ違う人ごとに「ヒグマがいました」と報告をしました。今回熊撃退用のスプレーは持参していませんでした。やはり、万が一、襲われる可能性がある場合に備えの必要を痛感しました…相当デカい熊

※熊除けスプレーは内地で購入すると、飛行機利用の場合は持ち込めないので要注意です。北海道現地のホームセンター(ホーマック他)で購入するか、専門店でレンタルする必要があります。

時々後ろを振り返りながら下山を続けます

ミヤマアキノキリンソウ

ミヤマリンドウ

ヨツバシオガマ

再び溶岩地帯へ。ここも登りも下降の方が細心の注意が必要です。高低差の大きい部分は脚の着地点を明確に見極めないと滑って滑落の恐れがあります。また、浮石も多くゆっくり時間を掛けざるをえません。

イワブクロ?

前トム平に到着、ここから更に4時間半掛かるとは思いもよらなかった…

チシマノキンバイソウ、朝方よりも更に元気そう!

東大雪荘への分岐を過ぎたあたりで、あっと驚くエゾシカと遭遇

出発点に無事戻ってこられて、本当に一安心!感謝!

下山後は国民宿舎大雪荘から短縮登山道への道を1㌔程度戻った所にある「トムラウシ自然休養林野営場」にてテント泊としました

レンタカーとテント 広大な敷地、水道・電灯・トイレ完備で快適なキャンプ場。利用者は5,6組程度(250円/泊・人)今晩はこのテントで熟睡・・・

付録(雌阿寒 山の宿・野中温泉、足寄他)トムラウシ山登山後の立ち寄り先

オンネトーより雌阿寒岳・雄阿寒岳の雄大な景色を展望する

大人気の日帰り温泉「野中温泉」宿泊も可能ですが、ハイシーズンは予約確保が難しい。日帰り入浴500円

雌阿寒岳の山麓の地中から湧き出す源泉100%(源泉から直接湯船に入っている様に見える)硫黄臭あり〈ちょっと石油の臭いを感じます〉、内湯の雰囲気も超抜群!石鹸・シャンプーは各自準備する必要あり…

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