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映画『イカとクジラ』(2005/ノア・バームバック監督)感想/ノア監督の鋭い人間観察眼を通じて、人間の本音の赤裸々な表現に驚く!

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映画『イカとクジラ』のあらすじ概要

「ライフ・アクアティック」の脚本家ノア・バームバックが、86年のニューヨーク・ブルックリンを舞台に、ある家族の崩壊を滑稽に描いた自伝的悲喜劇。ニューヨーク・ブルックリンに住んでいる落ち目のインテリ作家である父親バーナードと「ニューヨーカー」誌でデビューを飾ることになっている新進気鋭の流行作家である母親ジョーンの間に生まれた16歳の兄ウォルト、12歳の弟フランクは、ある日両親から離婚することを告げられる。ウォルトは父親に、フランクは母親についていくが、2人とも学校で問題を起こすようになる……。

 

2005年製作/81分/アメリカ
原題:The Squid and The Whale

 

他にも離婚に纏わる映画は多い➢

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AdrianaLuによるPixabayからの画像

映画『イカとクジラ』のスタッフとキャストについて

ノア・バームバック監督・脚本:2005年、自身の両親を描いた本編『イカとクジラ』でアカデミー脚本賞にノミネートされています。「ウッディ・アレンの再来」といわれている。

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ウェス・アンダーソン:制作

ジェフ・ダニエルズ(小説家バーナード・バークマン):「愛と追憶の日々」(83)、「カイロの紫のバラ」(85)、「サムシング・ワイルド」(86)で演技派として活躍し、94年には日本でも大ヒットしたアクション大作「スピード」に出演、全米大ヒットコメディ「ジム・キャリーはMr.ダマー」ではジム・キャリーの相棒役で新境地を開拓しています。

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ローラ・リニー(元妻/ジョーン・バークマン):「ユー・キャン・カウント・オン・ミー」(00)でアカデミー主演女優賞に初ノミネートされています。

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ジェシー・アイゼンバーグ(ウォルト・バークマン):デビッド・フィンチャー監督作「ソーシャル・ネットワーク」(10)でFacebookの創業者マーク・ザッカーバーグを演じ、アカデミー主演男優賞にノミネート。以降「グランド・イリュージョン」等に出演しています。

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オーウェン・クライン(フランク・バークマン):

Pete LinforthによるPixabayからの画像

映画『イカとクジラ』のネタバレ感想・見どころ

ネタバレ有り

主人公の小説家バーナード・バークマンの兎に角勝気な性格には驚きます。女房だろうと息子相手だろうとテニスで絶対に負けたくないという闘争本能丸出しで立ち向かっていきます。また、離婚して引越した家には卓球台があり、そこでも息子との真剣勝負に興じる姿は”滑稽”以外の何ものでもありません。

昔は売れっ子作家だった様ですが、現在はスランプに陥り、書き上げた原稿は出版社から出版を断られていました。一方、彼の影響で小説を書くようになった(元)妻は「ニューヨーカー」でのデビューが決まっている新進気鋭の作家へと成長を果たしていました。これについても(元)夫は内心あまり面白く思っていないようでした。口に出して表現していませんが、『小癪に障る』感情は分から無いでもありませんが、ちょっと大人げないところがあります。

夫婦が離婚に至るのは、自然の流れでした。しかし、この出来事は感受性の強い10代の息子たちに取ってかなりの衝撃となりました。ふたりは学校で様々な問題を起こしまくり、両親は学校に呼び出しを受けています。兄ウォルトは、ガールフレンドとかなりトンチンカンな会話を繰り返したり、ピンク・フロイドの曲を盗作し、学校で自作だとして発表しています。

別れた夫婦は一瞬少しの歩み寄りのシーンなどもありましたが、結局このまま平行線のままなんだろうなぁと予想されます。

監督自身の両親のことを描いた「脚本」です。多感な時期に、かなり細かく両親の事を観察していた様子が覗えます。また、本編では自分を含め家族らの行動について恥ずかしい事も、人には言えない様な事も隠すことなく、ユーモアを交えて徹底して表現している”潔さ”と巧みな表現力を強く感じさせる作品でした。

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