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おすすめ映画|『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしの作り方』(2018/ジョン・チェスター監督)

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絶対見逃せない映画 おすすめ
200エーカーの荒れ地から緑豊かに再生した「アプリコット・レーン・ファーム」
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カリフォルニア州のロサンゼルスに近い荒れ果てた土地がオーガニックの理想的な農園に変化していくドキュメンタリー映画、主人公達は本当の素人でプロの助言を受け乍ら、度重なる自然の動物や天候などの脅威に晒されながらも、何とか解決出来るのだという信念を持ち続け戦い抜く姿に感動させられる。

また、監督・主演のジョンは動物記録映画のカメラマンでもあったことから、動物、植物を捉えたカメラの各シーンは大迫力で卓越した美しさに本当に圧倒される。是非劇場の大画面で鑑賞したい映像の数々。

ビッグ・リトル・ファームのあらすじと概要

自然を愛する夫婦が究極のオーガニック農場を作り上げるまでの8年間に追ったドキュメンタリー。ジョンとモリーの夫婦は、愛犬トッドの鳴き声が原因でロサンゼルスのアパートを追い出されてしまう。料理家である妻のモリーは、本当に体によい食べ物を育てるため、夫婦で愛犬トッドを連れてロサンゼルス北方の郊外1時間のところに200エーカーという広大な荒れ果てた農地へ移住する。自然農法に賛同する出資者を募り、何とか農場を購入することが出来たもの。

都会から郊外へと生活環境がガラリと変わった2人は、自然の厳しさに直面しながらも、果実や野菜を育て、鶏、豚、牛、ヤギ、鶏など命の誕生と終わりを身をもって学び、動物や植物たちとともに美しいオーガニック農場を作るために奮闘の日々を送る。

ジョンとモリ―が最も頼りにするのが、兎に角自然に返れと解く教祖的な指導者アラン。彼は一番大切なものは生物の多様性だと説く。また、殺虫剤や農薬に頼らず、生物のそのまま生きていく空間を作る事を心掛けろと説き続ける。8年間の努力は失敗と成功の繰り返しの積み重ねの賜物。

この映画の素晴らしいところは自然の驚異や野生の動物の攻撃に対して、鉄砲で追い払ったり、農薬散布して殺したりせず、それぞれの天敵を組み合わせる事で、自然の力で調和を保てるように人間はただ補助的な手を差し伸べるだけで、人為的にすべてを解決しようとはしない点である。

この物語は日本の「奇跡のりんご」(木村秋則さんの記録)絶対不可能と言われた無農薬りんごを作り出した男の記録に似ている。

映画製作者、テレビ番組の監督として25年の経歴を持つジョン・チェスターが、自身と妻、そして愛犬の姿をカメラに収めた。

ビッグ・リトル・ファーム ネタバレ感想

ストーリーとテーマについて

続々と湧き出る難問に対して必ず解決策を見出すところが見どころ。例えば、せっかく大事に育てた果樹園が無数のカタツムリに食い荒らされると、アヒルがカタツムリが大好物であることを知り、アヒルに食わせて駆除する。野生のコヨーテが鶏を襲うと、今度はホリネズミがコヨーテの好物だと知り、コヨーテをホリネズミのいる場所に誘導して鶏を助ける、アブラムシにたいしては天敵のテントウ虫をけしかける等々上げれば切りが無いほど創意工夫の末、8年間の奮戦、苦闘により、理想の農園が築き上げられていく様は感動もののドキュメンタリーで、本当に出来過ぎではないか、本当は何か不都合なことでも隠していないかと疑いたくなるほどの大成功のお手本として描かれている。

首尾一貫して、生物本来の生きる力、調和力を生かすことが出来れば、自然に本来の生態系のバランスが保てるようになってくることを証明している映画である。

キャラクターとキャストについて

ジョン・チェスター:監督,脚本,撮影,出演,製作。米国出身のテレビ番組のディレクターおよびドキュメンタリー映画の監督、カメラマン。アニマルプラネットなどで多くの番組を25年以上に渡って手掛ける。2009年にロックミュージシャンを専門に撮影する写真家、ロバート・ナイトを追った『ロック・プロフェシー』を撮影・監督。10年に妻とロサンゼルス郊外に引っ越し、農場作りに着手。バイオダイナミクス農法を用いた再生型の「アプリコット・レーン・ファーム」を経営。農場を舞台にした短編映像3本が、有名トーク番組の1コーナーで放映され、5つのエミー賞を獲得。本作品、長編『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』がトロント国際映画祭、サンダンス映画祭など世界各国の映画祭に出品され、観客賞など数々の賞に輝く。

モリ―・チェスター:ジョンの実際の妻

まとめ

本作品の映像は非常に美しい。映像だけを見ていても十分価値がある作品ではないかと思う。1頭のメス豚が14匹もの子豚を出産するシーンは感動もの。多産と聞いていたが、こんなにも子沢山だとは。

果樹園は普通はりんご畑、葡萄畑、オレンジ畑など単一種類の農園を築くのが当たり前と考えていたら、ここ「アプリコット・レーン・ファーム」では確か27種類の果樹が植えられていた。また、「被覆植物」という表現だったと思うが、果樹の下の土の上には雑草などの下草が生い茂り、微生物の成長、ミミズの繁殖などを促し、有機的な土壌作りが行われており、土壌の保水力も高まったらしく、その結果、長い雨季の影響で周辺地域の農園の表土は広範囲に流出したが、この農園の肥沃な土壌の流出は妨げられたと説明されていた。

農業では土を生き返らせることが、もっと重要らしい。

このような点も毎年自然災害に襲われている日本のケースでも学ぶべきところは多いのではないかと思う。

荒野も工夫次第で地味豊な生態系のバランスの取れた楽園に変貌させることは可能であることを実証している本作品の評価は100点満点!

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