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おすすめ映画|『トラフィック』(2000/スティーブン・ソダーバーグ 監督)麻薬をテーマにした群像劇

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トラフィックのあらすじと概要

Manu CarrilloによるPixabayからの画像

アメリカとメキシコの両国国境で、麻薬密輸とそれを取り締まる者たちの姿を、実際に起こった事件や実在の人物をモデルに取り入れて描いた作品。トラフィック=麻薬密売ルートという意味です。2000年度第73回アカデミー賞の監督賞、助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)、脚色賞、編集賞の4部門を受賞した他、ゴールデングローブ賞の脚本賞、助演男優賞、ベルリン国際映画祭の男優賞など多数の賞を受賞していた作品。監督はスティーブン・ソダーバーグ。20年前の映画ですが、色褪せない緊迫感の漂う良い作品だと感じました。

同監督の最新レビュー作品は:ローガン・ラッキー アダム・ドライバー出演映画 レビュー                            

同時進行する三つの物語をスクリーン上で区別しやすくするため、メキシコでは黄色がかった薄暗い映像、ワシントンD.C.やオハイオ州では青く灰みがかった映像、カリフォルニアではコントラストの強い映像、とシーンによって画質に特徴を持たせる手法を用いている。これは、記録映画のように粒子の粗いメキシコシーンと、のどかな西海岸、そして凍り付くような東海岸と、それぞれのストーリーに独自の画像の雰囲気を持たせている。各ストーリーのムードを色彩で伝えるだけでなく、場面変化の際、観客が迷わないようにする仕掛けとなっているので、場面が切り替えられた事が一目瞭然非常に明確に判断できます。余りに新雪過ぎるのではないかと思ってしまいます。

なお、劇中のアルトゥーロ・サラザール将軍は、メキシコに実在した麻薬カルテル「ファレス・カルテル」の手下として働いていたヘスス・グティエレス・レボロ将軍を、オブレゴン兄弟は、こちらも実在のアレジャーノ・フェリックス兄弟をモデルにしているそうだ。

(あらすじ)

本作品にははっきりとした主人公はいません。しかしながら、定まった主人公のいない映画作品はややもすれば、焦点が霞んでしまい、観客が納得させる映画作品に仕上げる事は難しい様に思われますが、それぞれ群像の生き様を鮮烈に描き切る事によって映画として出来栄えは見事と言わざるを得ません。監督の手腕が絶賛されています。 『ソダーバーグ監督の他のすべての作品はすべて登場人物とその生き様を描いた映画がほとんどであり、主人公のキャラクターを魅力的に描くことにかけては、ソダーバーグ監督は大得意で、本作品トラフィックではその登場人物(主人公)の数を増やしたに過ぎない』と解釈されています。

麻薬に汚染され切った大国・アメリカの首都・ワシントンD.C.で、麻薬撲滅担当の大統領補佐官に就任したオハイオ州のロバート・ウェークフィールド判事(マイケル・ダグラス)夫妻と、名門校に通う仲間らと麻薬におぼれるその娘キャロラインとの家庭内の葛藤シーンが進行する。

カリフォルニア州南部の麻薬密輸の仲介を一手に担うエデュアルド・ルイス、カルロス・アヤラ(スティーヴン・バウアー)とその妻ヘレーナ(キャサリン・ぜタ・ジョーンズ)一旦密告によって夫は逮捕されますが、妻は必死に救い出そうと手段を選ばず奔走する。そのカリフォルニアで白人たちへのライバル心を抱きつつも 麻薬密輸を撲滅すべく一心不乱に任務を遂行する麻薬取締捜査官モンテル・ゴードン{ドン・チードル)とレイ・カストロ(ルイス・ガスマン)のチームワークがかなり精彩を放っています。

アメリカとの国境にあり、アメリカ人が求める麻薬供給ルートの中継地点となっているメキシコ最北端の都市・ティファナで、バハ・カリフォルニア州警察の麻薬捜査官として働くハビエル・ロドリゲス(ベニチオ・デル・トロ 本作品でアカデミー賞助演男優賞受賞)とマノーロ・サンチェス、彼らが麻薬組織に染まっていく様子がリアルに描かれています。

それぞれの役割で、麻薬密輸とそれをなくすための戦いに関わる人物たちの物語が同時進行し、錯綜して行きますが、実際に国境付近では別々のストーリーの主人公たちがハイウェイの出入り口でして車同士が実際交錯するシーンなどゾクッとします。

トラフィックのネタバレ感想

Manu CarrilloによるPixabayからの画像

今の時代、才能溢れる監督には不足していない。でも彼らの作品はアート系映画館でのみ公開されていて、全米3000館で封切られる大作を作っているのは凡庸な監督のみだ

ソダーバーグ監督はまるで呪文のようにそう言い続けたそうです。そして、漸く自身の作品「エリン・ブロコビッチ」(00)の大ヒットで、メジャーに切り込むことに成功したといわれています。「エリン・ブロコビッチ」のヒットはジュリア・ロバーツの人気に寄るところが多いとしても、やはり骨太の社会派ドラマ「トラフィック」(同年2000年公開)までが2億ドルを突破する超大ヒットとなったのは、間違いなく監督の手腕を証明しています。

商業的成功を収めたソダーバーグ監督は、ハリウッド映画を変革するチャンスを手にしていきます。その後の大躍進に繋がっていきます。

本作品のストーリーはどこが事実に基づいているのか、どこがフィクションなのか明確に分かりませんが、メキシコ側の犯罪組織と取締の警察との裏での癒着問題、また、米国で取締捜査の行政トップの家庭内で娘が麻薬依存症になるなどのスキャンダルを描くことで、米国・南米各国での麻薬の広がりと浸透度の深刻さが暴かれています。

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キャラクターとキャストについて

スティーブン・ソダーバーグ監督:1963年生まれ、初長編監督作「セックスと嘘とビデオテープ」(89)がカンヌ国際映画祭でパルムドールに輝き、アカデミー賞でも脚本賞を受賞する。2001年には、エリン・ブロコビッチ」「トラフィック」(00)で、アカデミー監督賞にダブルノミネート、後者で受賞する快挙を果たした。以降、「オーシャンズ」シリーズ(01~07)や「チェ」2部作(08)、「マジック・マイク」(12)などジャンルを問わず手腕を発揮。「サイド・エフェクト」(13)を機に映画監督引退を表明し、TV界に転向、TV映画「恋するリベラーチェ」(13)はカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。その後、引退宣言を撤回し、17年に「ローガン・ラッキー」で銀幕復帰した。

マイケル・ダグラス;製作として携わった「カッコーの巣の上で」(75)は作品賞含めオスカー4部門を受賞。80年代はコメディや活劇に多く出演するなか、「ウォール街」(87)でカリスマ投資家ゴードン・ゲッコー役を演じてオスカー主演男優賞に輝き、ハリウッドを代表する映画人に。その後も「氷の微笑」(92)や本作品「トラフィック」(00)など幅広いジャンルの作品に出演。私生活では、70年代に結婚した女性との間に1子もうけるが、後に離婚し、00年に25歳年下のキャサリン・ゼタ=ジョーンズと再婚。10年8月に喉頭がんを患っていることを告白したが、病気を克服し意欲的に活動している。

ドン・チードル:コメディ映画「ドライブ・アカデミー 全員免停」(85)で長編デビューし、下積み時代を経て「青いドレスの女」(95)でロサンゼルス映画批評家協会賞などの助演男優賞を受賞。以降、スティーブン・ソダーバーグ作品などで活躍が増え、実話を基にした「ホテル・ルワンダ」(04)でアカデミー主演男優賞にノミネート。マーベル映画「アイアンマン2」(10)にローディ/ウォーマシン役で出演し、主演作「MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間」(15)で長編監督デビューを果たした。

まとめ

Anonymous TravellerによるPixabayからの画像

スティーブン・ソダーバーグ監督は一度引退表明後の17年に「ローガン・ラッキー」を発表している。未だ映画界を引退する年齢でははないと思うので、良い作品を作り続けて欲しいと思う。全く異なるジャンルの作品を発表し続けるというのも至難の業ながら、やはり、登場人物のキャラクターを魅力的に描くことに徹底的に拘るところが観客受けするところだと思う。そういう意味では世界は魅力的な人材(スティーブン・ソダーバーグ監督が映画で撮りたくなる様な)が溢れている限り映画作りは終わらないのではないか?

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