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おすすめ本|『還暦からの底力―歴史・人・旅に学ぶ生き方』出口治明著(講談社現代新書)/少し独創的な感じもしますが大変役立つ処世訓!

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なぜ、「還暦からの底力」を読んだのか?

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書名「定年からの底力」に引かれて読んでみました。総花的に語られる内容は頷くところも多いですが、そこまで言い切って大丈夫かという内容も含まれているので正直少々驚きました。そんな内容も多少含まれてはいるものの、目から鱗の説得力のある意見もあり、多々参考になるところもありますので、是非一読をおすすめします。強く推薦される古典の名著6冊がありますので、これをメモして起き機会があれば購読してまた、結果を報告出来ればと思います。

「還暦からの底力」を読んだあらすじ・感想

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出口さんが現在学長を務める立命館アジア太平洋大学(APU)変態オタク系を学生として呼び込んでいる大学と聞き少々驚きました。立地が大分県別府市というのも良いですね。学生5000名近くの内外国人学生が半数を占めるそうです。出口氏も生命保険会社トップから大学の学長への転身という経歴も大変ユニークなかただなと思いました。本書後半の方はAPUの宣伝のような展開になっており、『還暦からの底力』にはあまり関係無い様な気も少ししました。

感心したことは、日本の技術料は物凄いとか、まだまだ、捨てたものじゃありませんと主張するTV番組や出版物が氾濫している世の中に、日本の技術はもう、たいしたことないんですよ、アメリカのGAFAの様な新技術は日本から生まれる可能性はありませんよと、世の中の趨勢に流されることなく、はっきり発言されているところが偉い人だなと思いました。日本生命に入社され、ライフネット生命保険会社を創造されたそうです。経営者かと思えば、世界史・日本史の研究に深く関わる著作も多く出版されている方なので非常に驚きました。

また、同感することは「人生で大切なのは好きなことをする時間」と言っています。これは全くその通りです。これは仕事であろうと、趣味であろうと一緒です。仕事だからと言ってツマラナイ仕事ばかりではありません、本当に面白い仕事もあると思います。
わたしも現役時代は”面白い“仕事をやって来たと思っています。しかしながら、会社員生活の中では何もかも100%自分の好き勝手に好きなように仕事が出来る場面というのはそれ程多くはありません。時には面白く無い仕事をやらざるを得ないことも有ります。ましてや、定年後の第二の道の選択肢では、もっと、わがままを言っていいのではと考えていました。

敬老の日なんて不要という発想も初めて聞く内容でしたが、いいと思います。日本では儒教思想が未だに影響力を保ち、古い伝統が生きています。お年寄りを敬われる事は否定しませんが、過保護にする必要はないのではないかという気がします。老人よりももっと重要なのは、これからの未来の時間がもっと永い青少年、更にはこれから生まれてくる将来の日本を背負う子供にもっと支援を増やした方が良いのではと考えます。この点は出口氏に全く同感です。でも、現役老人のほとんどから総スカンを食いそうですが…

それと、非常にショックな話を聞きました。まだ先の話ですが、5億年か先には太陽が膨張を初め、その熱で地球上のありとあらゆる生命は生きていられなくなるそうです。地球生命の滅亡が避けられないという事が確からしいです。まあ、五億年もあれば、その時まだ人類が生存していれば、他の惑星に集団移住出来る技術を身に付けていると思われます。地球は未来永劫にこのままではないという話は、出来れば知りたくない事実でした。5000年先ではなく、5億年というタイムリミットも130億年という宇宙の歴史と比較すると中途半端です。

冒頭の、中国の4世紀の僧侶「法顕」が60歳を過ぎてから長安からインドへ修行に出掛け、中国に戻って来た時はもう70歳を過ぎていたという話は初耳でした。その時、同行した人は一人も戻って来なかったということです。著者は法顕の様に行く目的や意識が明確だった人は帰って来られたが、そうでない人は途中で挫折するか、病気になって死んでしまったと説明しています。江戸時代測量を行った、伊能忠敬も引退後高齢になってから全国の測量を始めたと聞いたことがありました。でも、日本国内と中国・インドの旅行の大変さは比べる様も無いほど困難をとなった大業だと思います。

面白い話はまだまだ続きます。歴史上もっともダメな政治家は諸葛孔明と言いきり、こき下ろしています。劉備玄徳との義理を果たす為、何度も敵と戦い連敗続きで、兵士はばたばた死ぬし、国はどんどん疲弊してしまいます。政治家が一番やるべき事は国を富ませ、国民に十分な食料を行き渡らせることだと言います。歴史に名前を残したところで何の意味もない。
最後に、やはりこれもはっとさせられた事です。改めて考えると当たり前な事ですが、「エピソードよりもエビデンス」という力強い言葉を頂きました。ファクトをより拠り所にロジックを組み立てていくことの重要性を再認識させて頂きました。

本1万冊を読まれた著書が推薦される古典はベネディクト・アンダーソン「想像の共同体」、ウォーラーステインの「近代社会システム」、アダム・スミス「国富論」「道徳感情論」、ジョン・ロック「政治二論」、ダーウィン「種の起源」の6冊を上げていますので、早速買ってオンで見ようと思いました。何かインスパイアされるものがあるでしょうか? でも「人間は猪八戒のようなもの」と看破されているので有り難い古典もあまり役立たないかも知れません。学生時代に国富論位は読んだ記憶はありますが…

世間の一般的な意見はどういうものがあるか?

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一般読者の感想を引用させて頂きます。極めて好意的な意見がたいへ多いようです。

希望と勇気を与えられた。多くの学びを得た。言葉のエッセンスもそうだ。人、本、旅。タテヨコ算数で見る。迷ったらやる、迷ったら買う、迷ったら行く。人間はそれほど賢くは無いという人間観に立つと著者は言うが、とてつもない知識人である。人は今が一番若いのだから、何にでも挑戦しよう。大いなる勇気を与えられた。 迷ったらやる。

タイトルには「還暦」とあるが、内容はすべての年齢層の日本人に向けたメッセージと捉えてよい。定年など不要、引退する時期は自分で選ぼう。年齢を問わず、「人、本、旅」に投資し、勉強を続けよと説く。 まるで自分の内なる心が書籍として表出したかのような錯覚さえ覚えた。 歴史は多くのことを語るが、明治維新に功績のなかった、坂本龍馬を過大に評価するような作り話には注意が必要という点も全く同意…皮肉な意味で「無知は力」なのである。

同じ作者のおすすめの本はあるか?

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主たる著書に『「全世界史講義1、2』(新潮社)、『部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書』(KADOKAWA)、『教養は児童書で学べ』(光文社新書)、『人類5000年史1』(ちくま新書)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『座右の書 『貞観政要』』(角川新書)『人生を面白くする 本物の教養』など多数

まとめ

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敬老の日は要らないという主張は良いですね。老人は目立たない様に生きた方がいいですね。子供、若者が生きやすい世の中にどんどん変えていくべきですね。本当は選挙権の無い18才未満の子供をもっと大事にする社会実現に向け知恵を絞った方がいいと思うのが、出口さんの著作を読み、思いを強くしました。人口減少社会には明るい将来が無いですね。

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