『ディパーテッド』あらすじと概要
巨匠マーティン・スコセッシが、香港映画『インファナル・アフェア』をリメイクしたアクションサスペンス。マフィアに潜入した警察官と、警察に潜入したマフィアの死闘がスリリングに描かれる。レオナルド・ディカプリオとマット・デイモンが主人公の警察官とマフィアをそれぞれ熱演する。名優ジャック・ニコルソンがマフィアの大ボス役で脇を固める。ボストンを舞台に描かれた本作は、スコセッシ監督らしいバイオレンスシーンと、敵対組織に潜入した男ふたり(最後までお互い誰が潜入者なのかわかっていない)の心理描写に注目。
(あらすじ)
犯罪者の一族に生まれたビリー(レオナルド・ディカプリオ)は、自らの生い立ちと決別するため警察官を志し、優秀な成績で警察学校を卒業。しかし、州警察に入るなり、彼は自分の犯罪者一家という生立ち、その経歴に目をつけたクイーナン警部に危険な任務に相応しいと見込まれ、5年間に及ぶ暗黒街への潜入捜査を命じられる。一方、マフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)にかわいがられて育ったコリン(マット・デイモン)は、内通者となるためコステロの指示で警察官となっていた。警察では成績も良く、着実に階級を上がり”特別捜査課”に配属されるが、そこでの任務は何とコステロを逮捕することだった。
『ディパーテッド』のスタッフとキャストについて
マーティン・スコセッシ監督:アカデミー賞では1980年の「レイジング・ブル」で監督賞に初ノミネートされて以降、5度も監督賞にノミネートされながら、いずれも受賞には至らず涙を呑んできた。しかし2006年、香港映画「インファナル・アフェア」を豪華キャストでリメイクした本作品「ディパーテッド」で6度目の監督賞候補となり、「無冠の名監督」と呼ばれていたが、ついに悲願のオスカー初受賞となった記念すべき作品である。
レオナルド・ディカプリオ:この作品でレオナルド・ディカプリオはマーティン・スコセッシと3度目のタッグとなる。
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マッド・デイモン:マットが2歳の時に両親は離婚。1988年に高校卒業後、同年にハーバード大学に進学。10代の頃より役者を志し、ハーバード大学在学中から端役で映画やテレビに出始め、結局大学は中退した。だがこの決断を後に後悔しているという。この詳しい理由について分かれば別途報告します。
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ジャック・ニコルソン:名演技にはどきりとしました。存在感があり過ぎでしょう!
『ディパーテッド』の感想ネタバレ
ネタバレご注意!
ディカプリオ、ジャック・二コルソン、マッド・デーモン、マーティン・シーンなどの顔ぶれと、マーティン・スコセッシ監督と良くぞここまで豪華顔触れが揃ったものとまず驚きました。
ボストンを舞台とするマフィアと州警察がお互いに覆面スパイを送り込み、内部情報が筒抜けにしているが、当時の携帯電話を駆使するところは時代を感じさせる場面もありました。それにしてもジャック・ニコルソンのはまり役マフィアの大ボス(フランコ・コステロ)が気味が悪過ぎました。イタリア系の子分も相当な悪人顔揃い。コステロは残虐な殺戮を繰り返しますが、どれも目を覆いたくなる様な非情で凄惨なシーンが続きます。これをマーティン・スコセッシ流というのかは良く分かりませんが、かなり荒っぽく常軌を逸している行動に違いありません。
ディカプリオの覆面捜査は仕組みを初めから観客にバラしていましたが、マッド・デイモンの警察への潜入については途中から気付くことになりました。最初のシーンで、ニコルソンに可愛がられていた少年だったと気付くのだが、それまではわかりません。お互いに異なる組織に覆面捜査で潜入しているが誰だか分かりそうで分からないところの緊張感は最初から最後まで続くことになりストーリーの見事さが際立っていると思います。しかしながら、主人公二人のあまりに呆気ない最期は意外だった気がしますが、いずれか一方が生き残っても仕方なかったのかもしれません。
本作品は全編見る間ずっと、緊張させられるので2時間半という決して短くは無い時間ですが、アッという間に過ぎる内容の濃さは、スコセッシ監督の映画作りの見事さを感じました。
最後に
マフィアが使う常套手段なのだろうか、警察組織に”ねずみ”を忍び込ませ情報を把握するという手は今でも使われているのでしょうか? 一方、警察官をマフィアの組織に潜入させるというのもバレ時には命の補償が無いのでいくら報酬が高くても、流石に引き受ける人は限られてくるのではないでしょうか?また、実際の警察組織がこんな手段を使って法律的に許されるものなのでしょうか?
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