『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のあらすじと概要
舞台は南部ニューオリンズ、80歳の状態で生まれ、年を取るごとに若返る人生を与えられた男の数々の出会いと別れを通して描く、波乱万丈の一生を描いている。原作は、F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のスタッフとキャストについて
デヴィッド・フィンチャー監督:1986年、ビデオ製作会社「Propaganda Films」を設立。マドンナ、ジョージ・マイケル、エアロスミス、ローリング・ストーンズなどのミュージック・ビデオや、数多くのCMを手掛ける。
1992年、『エイリアン3』で映画監督デビュー。初監督作品としては史上最高の製作費で作られたが、脚本の度重なる変更や出演俳優との諍いなど制作上のトラブルが多発し、作品の評価も芳しくなかった。
1995年、ブラッド・ピット主演『セブン』、『ファイト・クラブ』の成功により、フィンチャーは一躍ヒットメイカーとして注目される。
本作品『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』では第81回アカデミー賞では監督賞、作品賞を含む13部門にノミネートされ、美術賞、視覚効果賞、メイクアップ賞の3部門を受賞した。
ブラッド・ピット(ベンジャミン・バトン):
──ベンジャミンを演じたことで学んだことはありますか?(映画、COMのインタビュ―に答えて)
僕にはあとどのくらいの時間が残されているのかを意識するようになった。そしてその時間を大切に使いたいと思うようになった。家族と、大事な人々と過ごしたいと。それから周囲の人を違う目で見るようにもなった。誰もがその人なりのストーリーを持っている。驚くほど素晴らしい瞬間を持っている。その瞬間がその人の存在になり、人生になっていくんだってことを思い出させてくれた
それにしても何と輝かしい思い出のシーンの多い人生だった事か!
ケイト・ブランシェット(デイジー):1969年、オーストラリア/メルボルン生まれ。
「デビッド・フィンチャーは潜在的に不可能で空想的な物語を 、すごく現実味のあるものに仕上げてみせた。だからとても深い感情に溢れているのよ」とフィンチャー監督の手腕を絶賛しています。また、同じインタビュー記事では、以下の様に答えています。
若い時は自分が永遠に生きるように感じているから、なんでも出来るし、傷つきにくいと思っている。でもそのフィーリングは今の私にはもうないの。デイジーも事故の後でそれを失うのよ。人は愛すれば愛するほどより人生を生きるようになるし、たくさんのものを失うという事実も知っていくのよ
エル・ファニング(7歳のデイジー):当時から青い瞳が半端ではなく可愛かった!
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マハーシャラ・アリ(育ての親、クイニ―の夫):映画出演は余り経験が無かった頃のもの。
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ジュリア・オーモンド(ベンジャミンの娘):『レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い』(95)で3兄弟から愛されるスーザン役で出演。
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『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の感想
時間の経過をバトンの80年間という成長時計の逆回しと言う摩訶不思議な奇抜な仕掛けで表現し切っているところが物凄い。こういう時間に逆行したストーリーは”面白い”と思考することは可能だが、そのアイデアを映画化してしまうことは、人間の頭の中で考えられるアイデアはすべて映像化できてしまうということだろう!
80才の赤ん坊、2,3才の老人のシーンも全く違和感が無いと言えば嘘になります。気持ち悪いが誰もが納得出来る”メイク術”。
波乱万丈の人生を描いています。やはり最後にはデイジーの元に辿りつく、デイジーの人生もバレエのスターとしての人生から、不幸な怪我が元で突如舞台から降りる事になります。しかしながら、ベンジャミンと人生を共にすると、一緒に年を取るべき伴侶のはずなのに、一方がどんどん若返っていくことで自分自身の老化が4倍速位で感じられてしまう様な気分に。
それにしても、デイジー役ケイト・ブランシェットの美しさは際立っていました。マーティン・スコセッシ監督『アビエイター』(05)のキャサリン役で、レオナルド・ディカプリオと共演していますが、本作品での演技、魅力の方が断トツに素晴らしいと思いました。
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最後に
映画の冒頭シーンで自分の赤ん坊が80才の老人の様な姿で生まれてきたのを見た瞬間、非情な父親はわが子を捨てに行きます。手に持っていた10数ドルを赤ん坊に添えて老人施設の前に置いてきます。何年か後に、その子供が成長した姿を見掛け、「お前は自分の息子だ」と打ち明けます。でも、普通はこんな風に打ち明け話はできないでしょう!
ベンジャミンもすんなり父親を受け入れている所も少し不思議なところです。
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