『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』のあらすじと概要
「SHERLOCK シャーロック」のベネディクト・カンバーバッチ主演で、第2次世界大戦時、ドイツ軍が世界に誇った暗号機エニグマによる暗号の解読に成功し、連合国軍に勝機をもたらしたイギリスの暗号解読者（天才数学者）アラン・チューリングの人生を描いたドラマ。
なお、彼は、暗号解読という功績の裏で、当時同性間性行為のかどで訴追を受けているが、この苦悩についても映画に描かれている。
第87回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞など計8部門でノミネートされ、脚色賞を受賞した。
1939年、第2次世界大戦が始まり、イギリスはドイツに宣戦を布告。ケンブリッジ大学の特別研究員で、若干27歳にして天才数学者と称えられるアラン・チューリングは英国政府の秘密作戦に参加し、ドイツ軍が誇る暗号エニグマの解読に挑むことになる。
解読チームには6人の精鋭が集められるが、他人と協調することを嫌い、同僚を見下すチューリングは協調性を欠き、ひとり暗号解読装置の設計に没頭することになり、チューリングとチームメンバーとの間には溝が深まっていく。そんな中、チューリングを理解し、支える女性(後の婚約者）ジョーン・クラーク（キーラ・ナイトレイ）が仲間に加わる事で、彼の仲間意識に大きな変化が起こり始める。
監督は、「ヘッドハンター」で注目を集めたノルウェーのモルテン・ティルドゥム。
本作品は、1400万ドルの予算に対し、映画の興行収入は2015年3月までに2億850万ドルに上り、2014年のインディペンデント映画としては最高の売り上げを収めている。
2014年製作／115分／イギリス・アメリカ合作
原題：The Imitation Game
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』のスタッフとキャストについて
モルテン・ティルドゥム監督：スウェーデン出身。ロン・ハワードやデヴィッド・イェーツらが監督として予定された後、2012年12月にモルテン・ティルドゥムの監督が発表されたという。
ベネディクト・カンバーバッチ（アラン・チューリング）：1976年生まれ、イギリス・ロンドン出身。2011年にスティーヴン・スピルバーグ監督の『戦火の馬』に出演。『SHERLOCK』を視聴して起用を決めたというスピルバーグからも演技を絶賛され、「彼はまるでフェラーリのようだ。演技力のある俳優は異なる物語、映画、撮影手法の要求に合わせられるんだ」と評されたという。
孤高の天才数学者、周囲の仲間を完全に見下していて共同作業は効率を落とすという考えを持っていた。チャーチル首相と直談判して、暗号解読チームのリーダーとなり自分の考えを一層ごり押しするようになる。
キーラ・ナイトレイ (ジョーン・クラーク）：2002年に『ベッカムに恋して』がアメリカでヒットし、アメリカでの人気が急上昇する。そして、2003年公開のハリウッド大作『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』のヒロインエリザベス・スワン役に抜擢され、同作品も記録的大ヒットを記録して、17歳にして一気にハリウッド・トップスターの仲間入りを果たしている。
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』のネタバレ感想
1930年代に手作業で現在の“コンピューター”の機能に近い機械を製作し、ドイツのエグニマの暗号を解読してしまうという快挙を成し遂げた実話に驚きました。
しかしながら、暗号が解読されているという事をドイツ軍に悟られない様に、攻撃されると分かっていても、イギリス軍がこれを避けたり、守りを強化したりする為には優先順位を付けていたというから驚きです。暗号解読により、世界大戦の早期終結、イギリス国民1400万人の生命を救ったと最後に解説がありましたが、たった4，5名の組織による貢献の大きさには驚かされます。
本編作品はただ単に一人の天才数学者の活躍を描写するだけではなく、本人が同性愛（LGBT）者であった事、また、当時の社会で受け入れられる状況ではなく、投薬による“去勢”処置を受ける等、想像を絶する、とんでもない事実が明らかにされています。結局それが原因かと思われますが、41歳でこの世を去るという悲劇的な結末を迎えています。天才の最期にしては哀れでなりません。
なお、暗号が解読されていたという事実は終戦と共に跡形もなく、その存在が掻き消されてしまうというのも大変ショッキングな事実です。国家に対するこれ程大きな貢献した、天才数学者グループの功績が消されてしまいました。
ようやく映画公開により、事実が明らかになった事はたいへん有意義な事だと思います。
又、ふたりの名俳優の共演により見事な映画に仕上がっています。
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