『エリザベス ゴールデン・エイジ』のあらすじと概要
若きエリザベスがイングランド女王に即位するまでを描いた「エリザベス」の続編となる歴史スペクタクル。
(時代背景)
1585年。イギリスはプロテスタントを信仰するエリザベス1世(ケイト・ブランシェット)が国を治めていました。当時の世界はスペインが最強国であり、スペインの国王フェリペ2世(ジョルディ・モリヤ)はカトリック以外は認めないという考えを持っていました。そのため、ヨーロッパ中に聖戦の波が押し寄せた。
エリザベス1世の時代、イギリス独自の国教会を確立させ、またこの時期に海外貿易も盛んになっていた時代です。
歴史的な出来事が改めてその舞台なども映画でしっかり復習できるので楽しみな一作となっています。
そのひとつ、圧倒的に優勢だったスペインの無敵艦隊がイギリス沿岸海域で敗れさるのは、どうやら風向きが変わってイギリス軍が風上になり、火船攻撃が効を奏したからだということが分かりました。自然の力で勝ったなんて、まるで蒙古襲来の時の神風か、潮の流れが勝敗を決したというのもイギリスも日本同様、神のご加護があったようです。(島国は自然によって守られる…)
王位に就いたエリザベスが、女の幸せをあきらめきれず悶々とする話が続きます。一方、少し複雑なのがメアリーとエリザベスの関係です。メアリーはエリザベスの庇護の下、幽閉されて18年後、エリザベス暗殺未遂事件に関与した証拠が見つかり、メアリーは死刑になるところが衝撃的に描かれています。
映画の中ではメアリーを支持する輩の中で、1人の青年トーマス・バビルトン(エディ・レッドメイン)が教会にやってきたエリザベス1世の命を狙いますが、青年が向けた銃は空砲で、エリザベス1世は無傷だったという大変な事件が描かれています。
更に、海賊ウォルター・ローリー(クライブ・オーウェン)との出会いも発展していきます。海賊ローリーを気に入ったエリザベス1世は、度々彼を宮廷に呼び、海外の冒険譚を聞き、彼に惹かれてゆきますが、彼は侍女ベスとも関係を持ってしまいます。
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主演のケイト・ブランシェットやシェカール・カプール監督ら前作のキャスト・スタッフが再集結。さらにクライブ・オーウェンやサマンサ・モートンといった実力派キャストも加わり、スペインとの宗教対立や宮廷内に渦巻く陰謀を乗り越えてイングランド黄金時代を築いていくエリザベス女王の苦悩や葛藤を見事に描き出しています。
『エリザベス ゴールデン・エイジ』のスタッフとキャストについて
シェカール・カプール監督:1945年生まれ、パキスタン出身
ケイト・ブランシェット(エリザベス):1969年生まれ、オーストラリア・メルボルン出身。前作・イングランド王女エリザベス1世を演じた「エリザベス」(98)が批評家に絶賛され、アカデミー主演女優賞に初ノミネートされた。
出演作投稿記事はこちら:
映画感想|『キャロル』(2016/トッド・ヘインズ監督)ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラがエレガントに共演
感想|『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008/デヴィッド・フィンチャー監督)B.ピット主演映画
映画感想|『ロビン・フッド』(2010/英監督リドリ―・スコット)戦う男ラッセル・クロウ演じる中世英国の伝説上の義賊ロビン・フッドを描いた歴史活劇。
クライブ・オーウェン:1964年生まれ、イングランド/コベントリー出身。ジェームズ・ボンド役の候補にも挙がったことがある英俳優である。
アビー・コーニッシュ(侍女ベス):1982年生まれ、オーストラリア/ニューサウスウェールズ州出身。リドリー・スコット監督作「プロヴァンスの贈りもの」でアメリカに進出をはたしている。
映画感想|『プロヴァンスの贈り物』(2006/リドリ―・スコット監督)ラッセル・クロウ、マリオン・コティヤール出演
『エリザベス ゴールデン・エイジ』のネタバレ感想
イギリスの黄金時代の礎を築いたエリザベス女王の実像に迫る映像に圧倒されました。主演のケイト・ブランシェット自身もともと高貴な顔立ちなので、女王役はぴたりとはまり役という印象を受けました。
荘厳な宮廷の中で繰り広げられるエリザベス女王の心の葛藤が浮き彫りにされるさまは本当に見応え十分でした。
教科書ではイギリスがスペイン無敵艦隊を破ったと、たった一行記載されているだけですが、その海戦 の実態が本作品の通りだとすると、少し、誤解して歴史を理解していたとしか思われません。日本の蒙古襲来とほぼ同じで「神風」により、スペイン無敵艦隊は全滅してしまった様です。イギリスの海賊がエリザベス女王の庇護で新大陸を開発するという話も、英国宮廷内ではこういう事が起こっていたと思うと歴史の見方もまったく変わって来そうです!
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