『キング』のあらすじと概要
「君の名前で僕を呼んで」「ビューティフル・ボーイ」のティモシー・シャラメがイングランド王ヘンリー5世に扮して主演を務めた映画。ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ヘンリー四世」2部作や「ヘンリー五世」に着想を得た物語で、自由気ままな王子が宮廷内のさまざまな問題や戦争など、混乱する時代を生きることで国王として成長していく姿を描いています。
若き日のヘンリー5世をシャラメが王冠をかぶり麗しい王族衣装をまとう一方で、甲冑を身につけるたくましい姿など、シャラメが放つ多彩な魅力が切り取られている。他に、ジョエル・エドガートン、ジョーン・ハリス、リリー=ローズ・デップ、ロバート・パティンソン、ベン・メンデルソーンら豪華キャストが共演しています。
監督は「アニマル・キングダム」「ウォー・マシーン 戦争は話術だ!」のデビッド・ミショッド。なお、脚本はミショッド監督と俳優ジョエル・エドガートンが共同で執筆しています。
2019年製作/140分/オーストラリア・アメリカ合作
原題:The King
『キング』のスタッフとキャストについて
デビッド・ミショッド監督・脚本:
ヘンリー5世を描いた作品によく見られる国家主義を誇張せず、権力や妄想、貪欲や傲慢、恐怖や家族を取り巻く困難な状況が、戦争を引き起こしかねないという部分に光をあてた作品です
と、人間ドラマに焦点を当てた作品であると解説しています。
ティモシー・シャラメ(王子ハル・後のヘンリー5世):SF大作「インターステラー」(14)ではマシュー・マコノヒーの息子役を演じた。その後インディーズ映画やオフブロードウェイの舞台に出演し、17年に大躍進。男性同士の恋愛を描いた「君の名前で僕を呼んで」(17)での演技が絶賛され、ゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ)をはじめ、インディペンデント・スピリット・アワードや全米俳優組合賞などにノミネート
出演作投稿記事:
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ジョエル・エドガートン(脚本・ハルの親友騎士ジョン):近年は、キャスリン・ビグロー監督作「ゼロ・ダーク・サーティ」(12)やレオナルド・ディカプリオ主演作「華麗なるギャツビー」(13)といった話題作への出演が続く。
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ロバート・パティンソン:クリストファー・ノーラン監督「TENET テネット」(20)でも主要キャストを務め、マット・リーブス監督による「ザ・バットマン」(22)で新たなバットマン役に抜てきされるなど、ハリウッドのアクション超大作でも存在感を示すようになる。
フランス王の皇太子役。高慢な態度で、かなりの顰蹙を買うが、最後にはヘンリー5世に討たれる。
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リリー=ローズ・デップは王妃キャサリン役、聡明な王女。ジョニー・デップの娘。
『キング』のネタバレ感想
【ネタバレあり】
イングランドとフランスとの戦いの原因は、イングランド王宮内部の裏切り者の情報を信じた為(ヘンリー王が騙された)に行われた事が分かり、ヘンリー5世は怒り心頭でした。唯一の信じられる親友ジョンもこの戦いで戦死し、失うことになります。
泥田の様な泥濘の中での肉弾戦のシーンは、同じような甲冑姿なので全く敵味方の区別が付かないのではないかと思いました。『孫子』の兵法でも、敵が丘の上で、見方が丘の下の陣形では圧倒的に不利なので、このような地形での戦いを避ける様にと説いています。しかしながら、少数の囮で敵の本体を泥濘に誘き寄せ、泥濘に足を取られ身動きが出来なくなった敵の側面へ、隙を見て本隊によって奇襲攻撃を仕掛けるという作戦が奏功します。イングランドは勝利を収めましたが、これは本当に史実に基づいているのでしょうか!?
主演ティモシー・シャラメに関しては、従来ソフトなイメージの作品に多く起用されていました。本編ではラッセル・クロウの『グラディエイター』を彷彿とさせる一対一の決闘や戦闘シーンなど力の滾るシーンが多く、新鮮で意外な別の一面を見る事が出来ました。しかし、この路線での活躍は今後は余り期待できないかもしれません。
国内外情勢に問題も多く悩みの多い孤独な国王、悲惨な戦いを本当は好まず、内心では戦争に反対している王役は確かにぴったりはまっているのですが…
最近では、21年秋にはティモシーが主演を務めた超大作のSF映画『DUNE/デューン 砂の惑星』の公開されました。さらに、同年にNetflixで配信開始されたコメディ映画『Don’t Look Up(原題)』があります。(主演はジェニファー・ローレンスで、そのほかの共演陣に、メリル・ストリープ、ケイト・ブランシェット、アリアナ・グランデ、レオナルド・ディカプリオ、マシュー・ペリー、ジョナ・ヒルらの錚々たるメンバーの名前が挙がっています!)大変な人気ぶりが覗えます。
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