『ヴィクトリア女王 最期の秘密』のあらすじと概要
「あなたを抱きしめる日まで」のジュディ・デンチとスティーブン・フリアーズ監督が再びタッグを組み、英国女王とインド人使者の交流を描いたドラマ。本作は2010年に発見された実在のインド人従者の日記が題材となっています。
1887年、ビクトリア女王の在位50周年記念式典(英国史上最長の在位期間、63年と7ヶ月を誇る)、記念硬貨の贈呈役に選ばれたアブドゥルは、英領インドからイギリス・バッキンガム宮殿へとやってきます。最愛の夫と従僕を亡くした孤独から心を閉ざした女王ビクトリアは、王室のしきたりなどにも臆することなく、まっすぐな笑顔を向けるアブドゥルに心を開き、何よりも孤独を癒やしてくれる親友のような存在であったことが、2人の間には身分や年齢なども超越した深い絆が芽生えていきます。
そんな女王と従者アブドゥルをこころよく思わない周囲の人びとが2人を引き離そうと動き出し、やがて英国王室を揺るがす大騒動へと発展してしていきます。
デンチが1997年の「Queen Victoria 至上の恋」に続き、2度目のビクトリア女王役を演じ、ゴールデングローブ賞の主演女優賞にノミネート。「きっと、うまくいく」のアリ・ファザルがアブドゥル役を演じる。
なお、映画として初めてカメラが潜入した英国王室離宮のイギリス南部・ワイト島にあるオズボーン・ハウス(ヴィクトリア女王の夫アルバートが、設計から内装まで手掛け、女王が最も愛した場所という)や世界遺産タージ・マハルなど、本物を映したこだわりのロケ地映像に注目。
2017年製作/112分/イギリス・アメリカ合作
原題:Victoria and Abdul
『ヴィクトリア女王 最期の秘密』のスタッフとキャストについて
スティーブン・フリアーズ監督:71年の「Gumshoe(原題)」で監督デビューする。「マイ・ビューティフル・ランドレッド」(85)で脚光を浴び、「プリック・アップ」(87)を経て、「危険な関係」(88)でハリウッドに進出した。90年の「グリフターズ 詐欺師たち」でアカデミー監督賞に初ノミネート
脚本は「リトル・ダンサー」のリー・ホール、撮影は「英国王のスピーチ」のダニエル・コーエンと英国最高峰のスタッフが集結しています。
ジュディ・デンチ(ヴィクトリア女王):「恋におちたシェイクスピア」(98)でアカデミー助演女優賞を受賞した。「007/ゴールデン・アイ」(95)以降のシリーズでM役を務めているほか、「眺めのいい部屋」(86)、「ショコラ」(00)、「あるスキャンダルの覚え書き」(06)などに出演している。
本作はデンチが、「Queen Victoria 至上の恋」に続き、20年ぶり2度目のヴィクトリア役を演じています。とても進歩的な人、様々なことに探究心、興味を持った開明的な人物、だからこそ当時はイギリスの植民地であったインド人のアブドゥルとの交流できた。
出演作投稿記事 ➢
映画感想|『ショコラ』(2000/ラッセ・ハルストレム監督)チョコレートの甘い香りとその効能にうっとり!
映画感想|『あるスキャンダルの覚え書き』(2006/リチャード・エア映督)ジュディ・デンチ、ケイト・ブランシェット二大女優の競演
映画感想|『プライドと偏見』(2005/ジョー・ライト監督)“結婚”という切実な問題に直面したヒロインの心の葛藤を描出
アリ・ファザル(侍従アブドゥㇽ):「きっと、うまくいく」で印象深い演技をみせたインドの若手実力派アリ・ファザルが抜擢された。
『ヴィクトリア女王 最期の秘密』のネタバレ感想
大英帝国の黄金期に63年余君臨したヴィクトリア女王を非常に身近に感じる事が出来る映画でした。極めて進歩的な考え方の持ち主で、慣習に捕らわれない発想の持っていた事がよく分かります。侍従アブドゥㇽもその人間性に惚れこまれ重用され、極めて短い間ですが、女王に仕える事が出来て本当に幸せだったのではないかと思います。
映画の前半では極めて破天荒な女王の行動に周囲の人々のハラハラと右往左往振りがコメディー映画を見ている様で、腹を抱えて笑うシーンの連続でした。また、タージマハル、英王室離宮オズボーン・ハウスの周辺の壮大な風景などの素晴らしさに目を奪われました。
後半は、”立身出世”をしていく侍従アブドゥㇽに対する皇太子及び宮廷内の人々からの猛烈な妬みの圧力には驚きます。これは多分どこの世界でも起るもので仕方のないものでしょう。
最愛の夫や頼りにしていた侍従などに先立たれ、晩年王宮内でひとり孤独だった女王に束の間の安らぎをもたらす事が出来、侍従アブドゥㇽとの短期間ながら出会いの意義は大きかった様です。信じられない事実ですが、これも彼の日記が発見された事により、公になったといいます。
コメント