『パターソン』のあらすじと概要
ジム・ジャームッシュ監督が「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」以来4年ぶりに手がけた長編劇映画で、「スター・ウォーズ」シリーズのアダム・ドライバー扮するバス運転手パターソンの何気ない日常を切り取り、妻、愛犬との優しさにあふれた7日間をほんわりと詩情豊かにつづる人間ドラマ。
ニュージャージー州パターソン市で暮らすバス運転手のパターソン。6時15分、毎朝起きると妻ローラにキスをしてからバスを走らせ、帰宅後には妻と夕食を共にし、愛犬マービンと散歩へ行ってバーで1杯だけビールを飲む。単調な毎日に見えるが、詩人でもある彼の目にはありふれた日常のすべてが美しく見え、周囲の人々との交流はかけがえのない大切な時間となっている。そんな彼が過ごす何気無い日常生活の7日間を、ジャームッシュ監督ならではの絶妙な間と飄々とした語り口で描く独特の雰囲気で居心地の良い映画となっている。
「ミステリー・トレイン」でもジャームッシュ監督と組んだ永瀬正敏が、27年振りにジム・ジャームッシュ監督作品に出演、ラストでパターソンと出会う日本人詩人役を演じているのも見もの。
『パターソン』のスタッフとキャストについて
ジム・ジャームッシュ監督・脚本:作家を志してコロンビア大学に進学、卒業後にニューヨーク大学の映画学科で映画製作を学ぶ。ニコラス・レイやビム・ベンダースに師事し、1980年に初監督作「パーマネント・バケーション」を発表する。以後、独特のオフビートな作品を撮り続け、米インディペンデント界を代表するフィルムメーカーとして活躍している。
アダム・ドライバー(パターソン):11年の「J・エドガー」で長編映画に初出演後、12年に始まった人気TVシリーズ「Girls ガールズ」でレナ・ダナム演じる主人公の相手役を演じ米国内で徐々に知られるようになる。
バスの運転手、詩人でもあり出発前のバスの運転席で毎朝詩をノートに書き留めている。バス車内の乗客の会話に注意深く聞き耳を立て、会話の内容を理解し、一人微笑んでいるシーンが印象的。妻の作るランチボックスを楽しみにしている。帰宅後夕食を取った後、犬の散歩とパブでのビールが無常の楽しみとなっている。
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ゴルシフテ・ファラハニ(妻ローラ):1983年生まれ、イラン・テヘラン出身、リドリー・スコット監督の「ワールド・オブ・ライズ」(08)でハリウッド進出を果たし、レオナルド・ディカプリオの相手役を演じる。08年2月から半年ほどイラン政府当局から出国禁止処分を受け、処分解除後は仏パリに移住する。イランの巨匠アスガー・ファルハディ監督の「彼女が消えた浜辺」(09)で主演を務める。
非常に風変わりな美人の妻。デザイナーでもあり、家庭内の壁紙、カーテンを白黒を基調としたコーディネーションに変える事が趣味、衣服・弁当の食材まで白黒に纏める徹底ぶりにはびっくり仰天。
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愛犬ブルドッグ(マーヴィン):夫婦のペット 夜の散歩の途中パターソンがバーでビールを飲んでいる間は外でずっと大人しく待っている。少々頑固物、映画ラストでとんでもない粗相をしでかすが、パターソンは許すが、ローラはかんかんになりカレージに押し込めようとする。
『パターソン』のネタバレ感想
映画作りの名手ジム・ジャームッシュ監督の本作品『パターソン』にはすっかり感動してしまいました。何度見ても面白い。こんな映画作りがあったのかと改めて映画の奥深さを教えられました。
しかし、多分、凡人が同じような映画を撮っても同じように人を感動させるような作品に仕上げるのは至難の技ではないでしょうか!ストーリーは殆んど起伏の無く、なんとバスの運転手の日常生活をカメラが追っているだけです…
少し変てこな趣味、特技(白黒をコーディネートしたたデザインとカップケーキ作り等)を持つ美人妻とのほのぼのとした生活の繰り返しは羨ましい限り…
映画の冒頭話の出た、ボブ・ディランの歌にもなっている有名ボクサー、ルービン・ハリケーン・カーターの故郷は『パターソン』と聞いて少し驚きました。わたし自身高校生当時、凄まじい大迫力のこの曲『ハリケーン』を何度も繰り返し聴き、元気を貰いました。余談ながら、同じアルバム(『欲望』)に入っている『コーヒーをもう一杯』もお気に入りの曲でした。懐かしさの余り、さっそくYouTubeで聴き直してみました。
ブルドックのマーヴィンが余りに可愛らしいのでつい飼いたくなりました。また、白黒のデザインの服や壁紙、カップケーキ、ギター、ランチボックスの中身も白黒コーデでしたが、何か一点買いたくなりました。それと、パターソンを真似て少し詩でも書いてみようかという気にさせられる映画でした!(まだ何も書いた事はありませんが!)
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