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おすすめ映画感想|『17歳のカルテ』(1999/ジェームズ・マンゴールド監督)境界性パーソナリティ障害を克服していく少女を描く

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『17歳のカルテ』のあらすじ概要

原作は1994年に出版されたスザンナ・ケイセンによる自伝。日本語訳は『思春期病棟の少女たち』(吉田利子訳/草思社/1994)

舞台は1960年代のアメリカ。17歳のスザンナはアスピリンを大量に飲んで自殺未遂を起こし、親の勧めで精神療養施設・クレイモアへと送られ入院する。医師の診断は“境界性人格障害”。情緒不安定で著しい衝動性を持つ精神病だった。同じ病棟の患者は、顔に火傷の痕があるポリー、虚言症のジョージーナ、大食症のデイジー、そしてリサ。常に監視され管理される入院生活の中で絶望感を感じていたスザンナは、病棟のリーダー格であるエキセントリックなリサに惹かれ次第に、精神科病院が自分の居場所と感じるようになっていく。

しかし退院した患者の近親姦を見破り、この患者を自殺に追い込むというリサの行動から、徐々に彼女の行動に疑問を持つようになって行く。スザンヌはやはり自分は社会復帰を目指すべきで、ここは自分が居るべき場所ではないと気付き始めて行きます。

アンジェリーナ・ジョリーはエネルギッシュな熱演により本作で第72回アカデミー助演女優賞を受賞しています。

原題:Girl, Interrupted

『17歳のカルテ』のスタッフとキャストについて

ジェームズ・マンゴールド監督・脚本:米・ニューヨーク出身。初監督作「君に逢いたくて」(95)でサンダンス映画祭の監督賞を受賞するなど、高く評価される。本作品「17歳のカルテ」(99)ではアンジェリーナ・ジョリーにアカデミー助演女優賞、「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」(05)ではリース・ウィザースプーンに同主演女優賞をもたらすなど非常に優れた作品を生み出している。

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ウィノナ・ライダー(製作総指揮/スザンナ・ケイセン):アメリカ/ミネソタ州出身。自らも境界性パーソナリティ障害で精神科入院歴のあるウィノナ・ライダーは、精神病棟を患者の視点で赤裸々に描いた原作に惚れ込んで映画化権を買い取り、制作総指揮を買って出たという。

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アンジェリーナ・ジョリー(リサ・ロウ):生後間もなく両親は別居、子供のころは母親とよく映画を見に行き、このことが後に演技に興味をもつきっかけとなり、父親(ジョン・ヴォイト)の影響は全くなかったと語っているそうです。ジョリーの評価を決定付けたのは1998年放映のテレビ映画『ジーア/悲劇のスーパーモデル』での演技。エイズとドラッグにより短い生涯を終えた実在のモデル、ジア・キャランジを演じたジョリーはこの作品で数多くの賞とノミネートを受けた。さらに翌1999年の本作品『17歳のカルテ』でアカデミー助演女優賞を受賞。実力派女優としての地位を確立することになります。

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ジャレッド・レト(トビー・ジェイコブス/スザンナの恋人):約18キロ減量してエイズ患者を演じた「ダラス・バイヤーズクラブ」(13)でアカデミー賞初ノミネートにして助演男優賞を受賞する。

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『17歳のカルテ』のネタバレ感想

ネタバレ有り

原作は主人公スザンナ・ケイセン自身の自伝という事なので、映画化されるにあたり相当な部分が事実に基づくのではないかと思われます。何と言って一番の見どころは強烈な個性を発揮して病棟内のリーダー格のリサを演じたアンジェリーナ・ジョリーの怪演です。

退所したばかりのデイジーを訪ね、近親姦の被害者であることを見抜き、とうとう自殺にまで追い詰めるような何とも冷酷なリサを演じたのは当時僅か23,4才というから驚きの演技です。また、彼女はスザンナの日記を盗み、病棟内の女性にセンシティブな内容を読み聞かせるという異常性を示します。しかし、怒り心頭のスザンナが放った一言「お前はもう死んでいる!」と”真実”を告げられた為、一瞬にして魔法が解けた様にしょげ返った姿を露わにしています。

多分このあたりは療養施設内で実際に起こった”事件”に基づいて描いているのではないかと想像されます。このような異常な世界(現在は異常と正常のはっきりした境界が見えづらい世の中になっているが恐ろしい)から何とか抜け出さなければと自覚し、社会復帰を見事に果たしています。本当によかった。

 

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