『ナイトクローラー』のあらすじ概要
「ブロークバック・マウンテン」のジェイク・ギレンホールが主演し、犯罪や火事をフリーランサーのジャーナリストとして撮影する社会病質者を描いています。刺激的な映像を求めて夜のロサンゼルスを駆けめぐる報道パパラッチの姿を通し、報道の自由のもとで揺らぐ倫理という重いテーマを扱い、視聴率至上主義のテレビ業界の裏側を浮き彫りにしたサスペンススリラー。
人脈も学歴も無い為、まともな仕事にありつけず、但し、口八丁手八丁で頭の回転は恐ろしく速い。工事現場のフェンスやマンホールを盗み、それをスクラップヤードに売ることで生計を立てているコソ泥など軽犯罪で日銭を稼ぐ男ルイス(ジェイク・ギレンホール)は、偶然通りかかった事故現場で報道スクープ専門の映像パパラッチの存在を知り、自分もやってみようと思い立ちます。
盗んだ高級自転車と引き換えに早速ビデオカメラを手に入れたルイスは、警察無線を傍受して事件や事故の現場に猛スピードで駆けつけ、悲惨な映像を次々と撮影していきます。過激な映像をTV局に買い取らせ高額な報酬を得るようになっていきます。TV局の要望は益々エスカレートし、それに応えようとルイスも常軌を逸し、とんでもない行動を取るようになっていきます。
共演に「マイティ・ソー」シリーズのレネ・ルッソ。「ボーン・レガシー」などの脚本家として知られるダン・ギルロイがメガホンをとり、長編監督デビューを果たした。
原題:Nightcrawler
『ナイトクローラー』のスタッフとキャストについて
ダン・ギルロイ監督:カリフォルニア州サンタモニカ出身。1992年に本作品に出演している女優のレネ・ルッソと結婚している。
➢おすすめ映画|『キングコング:髑髏島の巨神』 (2017/ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督)
おすすめ映画|『ボーン・レガシ―』(2012/トニー・ギルロイ監督)ジェレミー・レナー主演
ジェイク・ギレンホール(ルイス・ブルーム):1999年公開の『遠い空の向こうに』で映画初主演を果たし、批評家から高い評価を受けている/情報パパラッチ的な仕事が性に合ったのか、のめり込み過ぎて行く姿が常軌を逸していた。
おすすめ映画|『コールド マウンテン』(2003/アンソニー・ミンゲラ監督)米・南北戦争を背景にした大ロマン!?
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ルネ・ロッソ(報道番組のディレクター/二-ナ・ロミナ):16歳の時にローリング・ストーンズのコンサートでスカウトされモデルとして活躍。1987年にテレビシリーズ『Sable』で女優デビュー、1989年に『メジャーリーグ』で映画デビュー/報道番組ディレクターとして道義的問題を次々に無私して、ひたすら視聴率ありきの番組制作に打ち込んでいる。いつの間にかルイスの情報を買い叩いている立場から、言い値で買わされる立場に変化して行く状況が凄まじい。
➢おすすめ映画|『マイ・インターン』(2013/ナンシー・マイヤーズ監督)ロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイ共演のヒューマンドラマ
リズ・アーメッド(運転手の助手、ナビゲーター役/リック):mazonが配信した映画「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」(19)では聴力を失ったロックバンドのドラマーを演じ、第93回アカデミー主演男優賞にノミネートされた/本作品の登場人物としては極めてまともで正直な考え方を持った人物。最後はスクープ写真を撮りために犠牲者となってしまう。
『ナイトクローラー』のネタバレ感想
ジェイク・ギレンホールの迫真の演技力に感服した一作でした。学歴は無く、正業に付けずコソ泥で小銭を稼いでいましたが、ある切っ掛けで報道番組向けのスクープ写真専門家の猿真似を始めます。持って生まれた野次馬根性とずけずけと物怖じしない性格で、緊迫した映像を次々にTV局に持ち込み信頼を得て行きます。
TV局側も「視聴率」第一主義で人道的な問題写真も「犯罪」を犯して撮影された映像も、いつしか高額で買い取るという「取引関係」が生まれて行きます。スクープ映像取得の為、彼の行動は完全に一線を超えてしまい、真犯人の映像を警察に隠し、彼らが次の犯罪を犯す瞬間を映像に収めようとチャンスを狙うという驚きの行動(倫理観の欠片も有りません…)には、さすがにびっくり仰天、ドン引きさせられました…
映画を観賞した人からは怨嗟の批判が殺到すると思います。主人公ルイス・ブルース以上に彼を演じているジェイク・ギレンホールの迫真の演技に驚きました。2時間ドキュメンター映画を観ているようで、彼の行動・言動からはまったく目を離す事が出来ませんでした。
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