>

映画『ラスト・エンペラー』(1987/ベルナルド・ベルトルッチ監督)感想‣宦官1200人、女官350人に囲まれて生きる驚異の”最後の皇帝”ワールド!

スポンサーリンク
絶対見逃せない映画 おすすめ
スポンサーリンク

映画『ラスト・エンペラー』のあらすじ概要

「ラストタンゴ・イン・パリ」「1900年」で知られるイタリアのベルナルド・ベルトルッチ監督が清朝最後の皇帝・愛新覚羅溥儀の生涯を映画化し、1988年・第60回アカデミー賞で作品賞をはじめとする9部門に輝いた歴史大作。溥儀の自伝「わが半生」を原作に、激動の近代史に翻弄された彼の人生を壮大なスケールと色彩豊かな映像美で描き出す。

1950年、ハルピン。ソ連での抑留を解かれ母国へ送還された大勢の中国人戦犯の中に、清朝最後の皇帝・溥儀の姿があった。手首を切って自殺を図った彼は、薄れゆく意識の中、わずか3歳で清朝皇帝の地位につきながらも、近代化の嵐にもまれ、孤独な日々を送らざるを得なかった溥儀。彼が即位してから文化大革命以降に至るまで、波乱に満ちた自身の半生を思い起こしていきます。なお、本作は中国共産党政府の全面協力の元で作られたといわれ、中国の最大級の観光スポットとなっている紫禁城(故宮)を使用して撮影されたことでも話題となっています。

「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」のジョン・ローンが成長した溥儀を演じ、「アラビアのロレンス」などの名優ピーター・オトゥールが少年時代の溥儀を導く英国人教師役で出演。坂本龍一が甘粕正彦役で出演したほか音楽を手がけ、日本人として初めてアカデミー作曲賞を受賞した。

1987年製作/163分/イタリア・イギリス・中国合作
原題:The Last Emperor
日本初公開:1988年1月23日

LoggaWigglerによるPixabayからの画像

映画『ラスト・エンペラー』のスタッフとキャストについて

ベルナルド・ベルトルッチ監督・共同脚本:1972年、マーロン・ブランドとマリア・シュナイダーを起用して製作した『ラストタンゴ・イン・パリ』を発表。ポルノか芸術かの二項対立の論議を生み出したが、第46回アカデミー賞では監督賞にノミネートされています。本作品『ラスト・エンペラー』で、アカデミー賞の作品賞、監督賞をはじめノミネートされた9部門すべてを受賞、名実ともに世界に知られる巨匠監督となっています。

おすすめ映画感想|『魅せられて』(1996/ベルナルド・ベルトルッチ監督)伊・トスカーナ地方を舞台に、19歳のアメリカ人少女のひと夏の体験を描く青春映画。

ジョン・ローン(溥儀):。児童養護施設の中で出会った京劇の魅力に取り付かれ、10歳の時に上海で活躍した有名武旦役者の粉菊花が香港に設立した「春秋戯劇学校」に入学し、18歳まで演舞、武道などの基礎的なレッスンを受けたという・・・1985年公開の鬼才マイケル・チミノ監督作『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』で演じた若きチャイニーズ・マフィアの頭領役を演じ、世界的にブレイクする。

ジョアン・チェン(皇后婉容):上海出身。1980年、映画『戦場の花』に抜擢され、この作品で高い評価を得て「中国のエリザベス・テイラー」とも呼ばれた。

ピーター・オトゥール(イギリス人家庭教師レジナルド・ジョンストン):1962年に名作『アラビアのロレンス』で監督デヴィッド・リーンに抜擢され、主役を演じた事はあまりにも有名。

映画『トロイ』(感想)神話的要素を排除して人間ドラマとしてのトロイア戦争を描き出す!

坂本龍一(甘粕正彦):渋めの役柄で出演すると共の音楽を提供、日本人として初めてアカデミー作曲賞を受賞。

arranakhtarによるPixabayからの画像

映画『ラスト・エンペラー』のネタバレ感想・見どころ

ネタバレ有り。

まったく稀有の人生を生きた皇帝溥儀の歴史ドラマにびっくり仰天しました。本作公開当時劇場で鑑賞しましたが、久し振りの再観賞となりました。何故、イタリア人であるベルナルド・ベルトルッチ監督が中国の歴史映画を撮ろうとしたのか?その疑問は未だ解けていません。しかし外国人(中国人でなくても)でもここまで精緻な描写で、何の違和感も無く”中国”を表現出来ることに驚嘆しました…

わたくし事ですが、1980年代後半まだ人民服を着た人がチラホラいた時代、勿論道路は自動車より圧倒的に自転車が幅を利かせていた時代に中国に滞在していました。その時の中国北京の雰囲気と、映画の中で溥儀が晩年に暮した北京の胡同(北京の伝統的な住宅地)の風景など、かなりの部分色濃く残っていた光景・音・匂い・飛び交う北京語が脳裏に蘇りました。(近衛兵の登場はずっと以前でしたが…)当時紫禁城(故宮)内も入場料(現在は40元?)映画の中では1角(0.1元)払えば一般人でも自由には入れました。色々映し出される宮殿内部の荘厳な雰囲気にも懐かしさが込み上げてきました。(映画が撮影されたスポットはほぼ全て見学可能だと思います…)

文字通り時代に”翻弄”された溥儀ですが、立派に人生を全うした姿は本当に素晴らしい人間味を感じました。皇帝から”犯罪者”となり10年も収容所暮らしをする!?こんな毀誉褒貶、落差の大きい人生を送った人の話は聞いたことがありません。そして、最後は”庭園師”としての余生を市井に溶け込む姿に心を打たれました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました