『コンペティション』のあらすじ概要
ペネロペ・クルスとアントニオ・バンデラスが母国スペインで共演し、華やかな映画業界の舞台裏で繰り広げられる監督と俳優2人の三つどもえの戦いを爽やかに皮肉った激熱業界風刺エンターテイメント。
大富豪の起業家は自身のイメージアップを図るため、一流の映画監督と俳優を起用した傑作映画を制作しようと思いつきます。そこで変わり者の天才監督ローラと世界的スターのフェリックス、老練な舞台俳優イバンという3人が集められ、ベストセラー小説の映画化に挑むことに。しかし奇想天外な演出論を振りかざす監督と独自の演技法を貫こうとするふたりの俳優は激しくぶつかり合い、エゴが強過ぎる三人はとことん気が合わず、リハーサルは思わぬ方向へ展開していく事に…
映画監督ローラをクルス、スター俳優フェリックスをバンデラス、ベテラン舞台俳優イバンを「笑う故郷」のオスカル・マルティネスが演じた。監督は「ル・コルビュジエの家」のガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン。2021年・第78回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。
2021年製作/114分/スペイン・アルゼンチン合作
原題:Official Competition
ロッテントマト批評家支持率:96%<90%以上の評価は歴史的傑作など、よほどの良作にしか与えられないという>
さらにローリングストーン誌が発表した2022年のベストムービー22にも選出されるなど、海外で軒並み賞賛されている話題作となっています。
『コンペティション』のスタッフとキャストについて
ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン監督:ガストン・ドゥプラットは1969年生まれ、アルゼンチン、ブエノスアイレス出身。マリアノ・コーンは1975年生まれ、アルゼンチン、ブエノスアイレス出身。2人で手掛けた作品は、撮影監督も務めてサンダンス映画祭撮影賞を受賞した『ル・コルビュジエの家』(09)、ベネチア国際映画祭で高く評価された『笑う故郷』(16)など。
スタイリッシュな映像とブラックなユーモアで構築された独自の世界観が絶賛され、現在までに32の賞を受賞し45ノミネートを果たしています。
ペネロペ・クルズ(ローラ・クエバス天才映画監督):個性的でわがままな女性監督。
1974年生まれ、スペイン、マドリード出身。1992年、『ハモンハモン』で映画デビュー。
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アントニオ・バンデラス(うぬぼれた世界的大スターフェリックス・リベロ):1960年生まれ、スペイン、マラガ出身。1982年、ペドロ・アルモドバル監督の『セクシリア』で映画デビュー。
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オスカル・マルティネス(老練舞台俳優イバン・トーレス):アルゼンチンの大御所俳優。
『コンペティション』のネタバレ感想・見どころ
ネタバレ有り
大富豪の起業家が、自身のイメージアップの為に一流の映画監督と俳優を起用した伝説に残る映画を作ろうと思い立つところからストーリーが始まります。富豪はまず原作であるベストセラー小説の映画権を買い取ります。しかし、原作は読んでいません。そして、数々の映画賞を獲得している有名監督を起用しますが、彼女の作品は一本も見た様子が有りません…
個性豊かな才能あふれる女性監督と二人の俳優はいずれも自信過剰で、まったく他人の声に耳を傾けようとせず、言いたい放題・やりたい放題を続けます。映画の撮影以前のセリフの読み合わせが延々と続きます。しかし、監督の要求は異常に厳しく、本番さながら何度も何度も同じセリフの言い直しを命じていました。
撮影現場を知らない、一般人にとってこんな事はまさか現実では起こり得ないのではないかという映画製作の舞台裏で起るエピソードが延々と繰り返されます。
膵臓がんに冒されている為余命いくばくもないと真剣な嘘をつき、翌日あっけらかんとあれは嘘だ、信じる方が悪いと言い放ちます。
多分映画に関わる”業界人”にはもっともっと強烈に響く内容なのかもしれません。やはり、一般人にとっては興味津々の内容ではあるものの、そんなこともあり得るのかなぁと遠目で見て楽しむのが恐らく限界ではなかろうかと思いました。辛口ロッテントマト批評家サイトの評点が驚異的な96点という高得点を獲得しているのも業界人のプロが見てこそ分かるポイントがあるのだろうと察しました…
ペネロペ・クルス演じる監督に似た監督が実際に居るのかちょっと見当が付かないのですが、もし、どなたなのか分かる方がいれば是非教えてください。
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