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おすすめ映画『エンジェル』(2007/フランソワ・オゾン監督)感想‣オゾン監督が、初めて全編英語で撮り上げた時代劇

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『エンジェル』のあらすじと概要

「8人の女たち」のフランソワ・オゾン監督が、若くして成功を手にした女流作家の波乱の人生を皮肉をこめて描いた映画。

20世紀初頭のイギリスが舞台(英語劇)。幼い頃から上流階級の生活を夢見てきた食料品店の娘エンジェルは、食料品店を営む母と二人暮らしの夢見がちな少女で学校にあわず、家にこもって小説を書いて出版者に送りつけていました。彼女は、豊かな想像力と文才を生かして16歳という若さで作家デビューを果たします。瞬く間に富と名声を手に入れ、幼いころからあこがれていた豪邸“パラダイス”を購入し、ぜいたくで華美な暮らしを始めます。そんな中、彼女は画家のエスメと恋に落ちますがその先には思いがけない運命が待ち受けていました……。

原作は英国の作家エリザベス・テイラーの同名長編小説。

2007年製作/119分/ベルギー・イギリス・フランス合作
原題:Angel

『エンジェル』のスタッフとキャストについて

フランソワ・オゾン監督・脚本:美青年に恋した映画監督の姿をシニカルかつユーモアたっぷりに描いた最新作品「苦い涙」が劇場で上映中という事なので、是非見たいとおもいます。

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ロモーラ・ガライ(エンジェル・デヴェレル):82年ロンドン生まれ。ディ・アレン監督作「タロットカード殺人事件」(06)で実力を見せ、「アメイジング・グレイス」(06)でヒロインを、フランソワ・オゾン監督の本作「エンジェル」(07)で主演を務めています/本作では、自分が憧れる上流階級の生活を小説に綴ることで富と名声を手に入れる作家を演じています。若い時から自分の空想通りの生活が実現してしまうが、その後大きな挫折を味わう事になります。

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サム・ニール(セオ・ギルブライト):ロンドンの出版者、エンジェルの文才に魅かれ、出版に合意するが、まさか彼女がこれ程若いと思っていなかった。

シャーロット・ランプリング (ハーマイオニー・ギルブライト) セオの妻、エンジェルの才能は認めるが人となりに関しては批判的な立場/ルキノ・ビスコンティ監督「地獄に堕ちた勇者ども」(69)を経て、デカダンスな魅力を発揮した「愛の嵐」(74)で広く知られています。

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マイケル・ファスベンダー(エスメ・ハウ=ネヴィンソン)クエンティン・タランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」(09)で主要キャストのヒコックス中尉役に抜てきされています。

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『エンジェル』のネタバレ感想・見どころ

===ネタバレ有り===

ちょっと語弊があるかもしれませんが、オゾン監督らしからぬ作品、作風に驚きました。先ず、聞こえてきたのが「英語」の単語でした。原作が英語である為、非常に珍しく全編英語で撮った作品ということでした。

自分の夢、自分が憧れる上流階級の人々の生活に憧れ、それを小説を書き上げ、とんとん拍子で出版され、絶賛され富と名声を手にするという夢の様な展開には唖然とさせられました。夢にまで見た豪邸『パラダイス』が売りに出されていたので、そこを手に入れる事になります。多くの召使を雇い、”理想の”恋人(のちの夫)エスメまで手に入れる事が出来ます。

エンジェルは理想を追い駆け、夢を実現してしまいます。お金が無くなったら、また、小説を書けばよいと考えています。

しかし、理想と違った問題も起るのは世の常。エスメはエンジェルの意に反して志願して出征する事になります。そして、彼には隠された”愛人”が存在し(古くからの幼馴染)、戦地から帰国する度に自宅であるパラダイスには戻らず、愛人のいるロンドンで過ごしていました…

やがて、戦地から負傷して帰国したエスメは足を切断するという大怪我を負っていましたが、一命をとりとめました。しかし、彼の心は完全にエンジェルからは離れてしまっていまいた。また、愛人が結婚した事を知ると、落胆して自ら命を落とすという挙にでます。これには、余りに唐突な出来事でエンジェルを初め視聴者は驚きを隠せなかったのではないでしょうか。

女性心理を描くことに長けている言われているフランソワ・オゾン監督ですが、本作の主人公エンジェルは粗野、唯我独尊、自己中心的な女性で、”微妙”に揺れ動き、張り裂けんばかりの心理描写というものは余り描かれていなかった様な気もします…私の映画鑑賞力がいささか鈍感なのかも知れませんが…

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