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上映中 おすすめ映画『CLOSEクロース』(2022/ルーカス・ドン監督)感想‣他者の視線で破壊される、少年たちの無邪気な親密さ!

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『CLOSEクロース』のあらすじと概要

トランスジェンダーの主人公がバレリーナを目指す姿を描いた「Girl ガール」でカンヌ国際映画祭のカメラドール(新人監督賞)を受賞したルーカス・ドン監督が、13歳の2人の少年に起こる関係の変化を描いた長編第2作。

13歳のレオとレミは、学校でも放課後でも家に行って一緒の時間を無邪気に過ごす大親友でした。しかし、中学校に入学した初日、2人の親密すぎる間柄を「二人は付き合っているのか?」とクラスメイトにからかわれたことで、レオはレミへの接し方に戸惑い、そっけない態度をとってしまいます。そのせいで気まずい雰囲気になる中、2人は些細なことで大ゲンカをしてしまいます……。

第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、グランプリを受賞(クレール・ドゥニの「Stars at Noon」と同時受賞)。第80回ゴールデングローブ賞で外国語映画賞、第95回アカデミー賞でも国際長編映画賞にノミネートされた作品、各国の映画賞で47受賞104ノミネートを果たしています。

2022年製作/104分/ベルギー・フランス・オランダ合作
原題:Close

『CLOSEクロース』のスタッフとキャストについて

ルーカス・ドン監督・脚本:1991年ベルギー、ヘント生まれ。、2014年に製作した『L’INFINI』は2015年度のアカデミー賞短編部門・ノミネート選考対象作品となった。2018年に『GIRL/ガール』で長編デビュー。

エデン・ダンブリン(レオ):花き農家の息子。14歳の時に電車内でルーカス・ドンと偶然出会い、主人公・レオ役のオーディションに受けることを薦められ、見事抜擢。本作で映画デビューを果たしています。

グスタフ・ドゥ・ワエル(レミ):レオと同い年の大親友。本作のオーディションでレオ役のエデン・ダンブリンとのペアでの演技を高く評価され、レミ役の座を勝ち取る。

エミリー・ドゥケンヌ (レミの母・ソフィ):

映画『ロゼッタ』(感想)貧困・失業問題を抉り出す衝撃作。「映画が現実を変えた」好例のひとつとなるほどの影響力のあった映画

レア・ドリュッケール (レオの母・ナタリー):

『CLOSEクロース』のネタバレ感想・見どころ

【ネタバレ有り、ご注意!】

文字通りのお花畑を駆け巡る二人の13歳の少年、あどけなさがまだ残る中学1年生でした。同じクラスになり、相変わらずぴったりくっついて行動しているところを、クラスメイトの女子生徒から「ふたりはつきあってるの?」というストレートに質問を受け、「はっと」してしまった様です。周囲の見方による、何気ない一言、ふたりの関係にわずかな「亀裂」が入ることになる、余りにも痛々しい瞬間でした。

ふと、何十年も前の自分の中学時代を振り返ってしまいました。確かにこの年代は「女の子」と遊ぶ機会はほとんど無く、授業中は別にして、休み時間、放課後、クラブ活動の時間はすべて男同士べったりと纏わりついて来る男友達が何人かいました。(深い意味は一切ありません)トイレに行くのも一緒。別に不思議とは思いませんでした。また、ある友人の家には四六時中入り浸って家族と一緒にご飯を食べたりしていました。同じ布団で寝る事はありませんでしたが、男の友人の実家によく寝泊まりさせて貰いました。(会社に入ってもそういう男友だちがいたのが、今思うと不思議です)多分、多くの男の人にも似たような経験はあるのではないかと思います!?(もしかして、私だけ!?)何度も繰り返しますが、深い意味はまったくありません!

さて本編に話しを戻します。余りに些細なことから、突拍子も無い悲劇が起こってしまいます。レオのレミに対する行動、いつも放課後は一緒に連れだって自転車で帰っていたのに、その日は彼が来るのを待たずに自分ひとり先に帰宅してしまいました。そのことを気に病んで自ら命を落とすというのは、レミを責める気はないのですが、彼は余りに繊細過ぎたのでは無いかと思わざるを得ません。

一方、レオははっきり自分の態度が原因だったのではないかと一人心の中で反省しています。しかし、誰にも正直に打ち明けられず、心の中では追い詰められていきます。学校のレミのロッカーで何か、彼の残した紙を母親が見つけ出したシーンを垣間見ていました。えらい事をしでかしてしまったとは思いつつ、なす術が無おまま時が過ぎます。アイスホッケーの厳しい練習に明け暮れる姿、また、家業花き農家である仕事の手伝いに汗を流す姿も映し出されて行きます…

しかし、心の中に渦巻くわだかまりは一向に消し去る事が出来ません。ついにレオはレミの家を訪ね、母親と対面します。そして、堪らず「自分のせいである…」ことをレミの母親に正直に告白します。しかし、告白したところで、気持ちは少し軽くなるかも知れませんが、この取り返しのつかない出来事は、彼の心に重くのしかかり、永遠に消し去るこては出来ないではないかと思いました…

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