『チェンジリング』のあらすじと概要
1928年のロサンゼルスを舞台に、誘拐された息子の生還を祈る母親(アンジェリーナ・ジョリー)の闘いを描くクリント・イーストウッド監督によるサスペンスドラマ。息子は無事に警察に保護されるが、本当の子供でないと疑念を抱いた母親が、腐敗した警察に頼らずに自ら息子の行方を捜す行動を起こし、同時に市長や警察機構を告発した事件、際に発生したゴードン・ノースコット事件の被害者家族の実話を元に映画化されら作品。
驚くべき事に、嘘の様な本当の話は”映画に出てくるほとんどの信じられないようなエピソードが、脚色ではなく事実だということだ。別人の少年を突きつけられた母親は、当然のごとく警察に出向いたが、精神錯乱とでっち上げられ、精神病院に強制送還されてしまう”というストーリーは脚色ではなく、全くの真実に基づくと聞き、本当にびっくり仰天!
2008年製作/142分/アメリカ
原題:Changeling(替え玉)
『チェンジリング』のスタッフとキャストについて
クリント・イーストウッド監督・製作・音楽:
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アンジェリーナ・ジョリー(クリスティン・コリンズ):ロサンゼルス郊外で電話会社に勤務。息子を妊娠中に夫に逃げられてしまい、それ以降、9歳になる愛息子・ウォルターを女手ひとつで育ていました。仕事ぶりは素晴らしく、上司から昇進の打診を受けていました。
警察が探し出した息子は本当の息子とは似ても似つかぬ替え玉だった事に驚きます。しかし、警察に違うというと逆に精神病院に強制入院させられるという異常な世界。
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ジョン・マルコビッチ(グスタヴ・ブリーグレブ牧師):警察の腐敗を暴こうとする牧師、クリスティンに協力して警察の不正を暴いて行く。
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ジェフリー・ドノヴァン(J.J.ジョーンズ警部):クリスティンに本当の息子では無い子供を無理やり押し付けて、事件が無事解決されたものとしている。”人違い”というミスを認めず、本当の息子を探そうとはしない、正義感の全くない刑事(警察組織の一員)
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『チェンジリング』のネタバレ感想・見どころ
1920年代のロス警察の無能、無謀振りにはびっくり仰天ですが、この映画のストーリーが脚色されたものでは無く、ほぼ事実に基づいていると聞き驚きと共に、怒りを感じました。失踪した我が子を必死に探そうとしている母親に赤の他人を押し付け、事件解決を図ろうとします。母親が「我が子ではない」と言い張ると今度は母親自身を精神病院に強制的に”入院”させてしまいました。ジョーンズ警部の血も涙もない憎まれ役振りは大したものだと思います。最後には無期停職となり視聴者は幾分溜飲を下げますが、彼らが犯した罪はそんなものでは取り返しがつくものではありません。
クリスティンの愛する息子が失踪、失意のどん底にいるところに似ても似つかぬ赤の他人の子供を押し付けられます。気は動顛します。そして本当の息子を探して欲しいと警察に懇願すると、逆に精神病院に強制入院させられるという人権無視のでたらめがまかり通る世界は本当に恐ろしいものです。警察に逆らえば病院に強制入院され、二度と通常の世界に戻れない恐怖があります…しかしながら、「母は強し」、子供を探す為に横暴な圧力に決して屈することはありません。牧師らの協力もあり、無事精神病院から救出されることになります。そこから、母親の警察(精神病院を含め)への大反撃が開始される様子が描かれます…
一方、息子ウォルターらは理由も無く子供たちを殺す変質者に拉致されていたことが判明します。数年後にウォルターと共に拉致されながら、ある夜こっそり逃げ出した3人の少年の内の一人が父母の元に奇跡的に姿を現したところで、映画は終わります。同夜、ウォルターも一緒に逃亡を図りましたが、無事逃げる事が出来たのか、どこかで無事に暮らしているのかは明らかになっていません。
母親の直観で息子ウォルターはどこかでまだ生きている事を信じ、子供の情報を求め続けている姿が強く印象に残りました。無事息子がふわりと戻る日を願いたいものです…
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