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おすすめ映画『未来を生きる君たちへ』(2010/スサンネ・ビア監督)感想‣岐路に立たされた人間の選択、復讐の是非を問う!

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『未来を生きる君たちへ』のネタバレ感想・見どころ

それぞれ問題を抱えた二組の親子の葛藤を描いています。日本の小学生(あるいは中学生か)と比較した場合、本作の少年の行動が余りに”過激”過ぎるのでびっくり仰天しました。クリスチャンは祖父が隠し持っていた大量の花火を利用して自動車を破壊力する程の爆弾を作り上げ、自動車を爆破します…

クリスチャンの心の根底には癌で亡くなった母親を父親は助けらることが出来なかったというわだかまりがありました。母親を殺したのは父親だという思いが強く尾を引いていました。実際は癌が脳まで転移し、その苦しみに耐えられず、母親は自ら延命措置を諦めたという事が明らかになりますが…更にクリスチャンの親友であるエリアスの父親アントンは何の落ち度も無く、暴力的な自動車修理工の男に何度も理不尽に殴られてしまいます。スウェーデン人はさっさと帰れと詰られてもいました。しかし、アントンは暴力に対して暴力で応じていたら何の解決にはならないという”信念”を貫き、無抵抗で暴力をやり過ごしています。その事も、クリスチャンには全く納得できる態度ではありませんでした…いつか、この男に仕返ししてやろうという考えが浮かんでいました。

一方、アフリカ難民キャンプで、アントンは怪我をした暴虐非道の首謀者の怪我の治療を行います。周囲の人間からはそんな男を何故助けるのかと白い目で見られていました。ところが、その首謀者のある言動を切っ掛けにアントンはどうにも彼を許す事が出来ず、堪忍袋の緒が切れて、予期せぬ展開を迎えます。

二転三転する復讐と赦しの狭間で葛藤する人間、大人と子供、男と女の心理が微妙に揺れ動く様が丁寧に描かれていきます。女性監督ならではの感性が十分描出されており、見応え十分となっていました。

『未来を生きる君たちへ』のあらすじと概要

デンマークの郊外とアフリカの難民キャンプを舞台に、問題を抱えた2組の父子が、日々直面する理不尽な暴力を前に、復讐と赦しの狭間で葛藤するさまを、緊張感あふれる力強い筆致で描き出します。

デンマークで暮らす少年エリアスは学校でいじめられる日々が続き、医師としてアフリカの難民キャンプに赴任している父アントンの存在だけが心の頼りでした。そんなある日、転校生クリスチャンがエリアスをいじめから守ったことで、2人は親交を深めていきます。一方、アフリカにいるアントンは自身の離婚問題や、瀕死の患者たちの存在に苦悩していました。そんな彼の前に子どもや妊婦までも手にかける悪党が現れます……。「アフター・ウェディング」のスサンネ・ビア監督が、暴力や憎しみに満ちた世界の中でも希望を見出していく人々の姿を描くドラマ。第83回米アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した作品です。

2010年製作/118分/デンマーク・スウェーデン合作
原題:In a Better World

『未来を生きる君たちへ』のスタッフとキャストについて

スサンネ・ビネ監督:デンマークを代表する女性映画監督。2007年には初の英語作品で、ハル・ベリー、ベニチオ・デル・トロ主演のドラマ『悲しみが乾くまで』が公開されています。

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ミカエル・パーシュブラント(アントン):アフリカの難民キャンプで働くスウェーデン人医師。デンマークに家族がいます。アフリカとデンマークを行き来する生活が続いています。妻アントンとは現在別居中。

トリーヌ・ディルホム(マリアン):アントンの別居中の妻。デンマークの病院で医師を務める。

 

ウルリッヒ・トムセン(クラウス):妻を癌で亡くしたばかりの男。激しい痛みに苦しむ妻の希望に従って延命治療をやめています。その事が息子クリスチャンがクラウスを恨む原因となってしまいます。

 

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