『アルカトラズからの脱出』のあらすじと概要
1960年、厳格な所長のもと、水も漏らさぬ警備態勢がとられていたアルカトラズ島の刑務所(今まで脱獄が成功した囚人は皆無)に各州の刑務所で脱獄を繰り返したフランクが送り込まれます。凶悪な囚人を敵に回し、命を狙われながらも、大胆不敵な知能犯フランクは意気投合した仲間とともに脱獄計画を進めていきました! 不可能と謳われたアルカトラズからの脱走事件、その実録小説を映画化した作品。
なお、アルカトラズ島はアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ湾内、サンフランシスコ市から2.4kmのところに浮かぶ小さな島。本作品によれば、絶対不可能といわれた同収容所は脱獄事件があってから一年後に封鎖されたという。
独房から抜け穴を掘る道具は所長の机からくすねた爪切り、食堂のスプーンなど。排気口周辺のコンクリートを秘密裏に手作業で掘り進め、屋上へと出る穴を開通し、雨合羽で救命胴衣や浮き輪を作り、(夜間の行動が看守にばれない様にベッドには人間の形をした人形を置いていました)収容所内の仲間同士4人で海を渡るという大胆な計画でした。
1979年製作/112分/アメリカ
原題:Escape from Alcatraz
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『アルカトラズからの脱出』のスタッフとキャストについて
ドン・シーゲル監督:1971年、大ヒット作である『ダーティハリー』が公開され、2人の名が世界を席巻。B級映画の低予算早撮りという製作環境の中で、シーゲルは職人的な演出を会得していったという。彼は脚本段階から入念な打合せを繰り返して作品のイメージを固め、現場での撮影では無駄なショットを一切撮ることが無いという…これがのちにイーストウッド監督の映画作りに行かされることになります。
クリント・イーストウッド(フランク・モリス):IQが133もあったと言われている実在する脱獄犯。クリントは撮影当時50才前後とまだ大変に若々しい。数々の刑務所で脱走を繰り返した事から、絶対に脱走できないというアルカトラズに収容され、万事休すかと思いきや、下調べを念入りに行い、抜け出す事は不可能ではないことを突き止めます。
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パトリック・マクグーハン(刑務所長):
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『アルカトラズからの脱出』のネタバレ感想・見どころ
TV番組「日曜洋画劇場」などで何度か放映されていたのを見たような記憶がありますが、内容はほとんど忘れていました。もう一度見直して見て、囚人もビビッてしまうような「難攻不落」の鉄壁な恐ろしい監獄というイメージではなく、ごく普通の刑務所という印象を受けました。
フランクが下調べをした結果どうやら脱獄が出来そうだという結論を出します。それには気も遠くなる様な手作業が必要でした。所長の執務テーブルの上からくすねた『爪切り』や『スプーン』を使って、独房のコンクリートと鉄柵の壁に穴を削り続けるというものでした。映画の中ではコンクリートがボロボロと零れ落ちて来るシーンがありましたが、実際のコンクリートはそんな脆いものでは無いと思います。
一方、別の囚人からは理由も無く付きまとわれ命を狙われています。脱獄しなければきっと殺されていたかも知れません…否が応でも早目に脱出する期限が迫ります。
脱獄に必要な小道具が手際よく次々手に入ってくるところは驚きでした。看守の目を擦り抜ける間一髪のピンチも1度や2度だけではありません。脱走を実行に移そうという前日に独房内の検査がありましたが、「穴」の存在に気付かれる事はありませんでした。刑務所の中で2.4㌔もの海を泳いで渡る為の『浮き輪』まで彼らは作ってしまうという驚異のDIY振りにも驚きです。念ずれば岩をも打ち砕くという不屈の強い信念を感じました。
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